ある肺癌の医師の投稿 | With PT and coo ~神戸のボイストレーナー 十川裕加ブログ~

With PT and coo ~神戸のボイストレーナー 十川裕加ブログ~

神戸のボイス&ボーカルトレーナー・十川裕加ブログ。 

この医師は私より年下です。
祖母と大叔母が旅立つ時
とても温かくサポートして下さいました。
いつか時が来るなら、と
この先生に母や私の看取りもお願いしていました。


先生がステージ4の肺癌だと分かったのは
半年前。
今も、ご自身の治療をされながら
ご高齢の方のケアをされています。
こんな思いで治療に当たられている方もいるのだと
数日前のFBで泣けました。
シェアしてる人が多いので、
悲しいですが転載いたします。



#最善に期待しつつ最悪に備える!
#新型コロナウィルス感染症とACP
注! 冗長な文書です! お時間ある方だけ!


先日6歳になった息子は、2年ほど前、喘息の重責発作で神戸中央市民病院に搬送され、事なきを得ました。僕も肺癌患者として昨年から中央市民病院に通院しており、見事なチームワークとスタッフひとりひとりの気概、適切な治療のおかげで、幸い現時点では今まで通り仕事をし、よく食べよく太り、家族と過ごせる日々が延長できています。
今、中央市民病院は、職員にCOVID19患者を出しながら、なお新規の重症COVID19患者を受け入れ、市民のために戦い続けてくれています。
おそらく4月中の救急受診は、COVID19患者以外は受け入れられない状況でしょう。
今こそ地域が中央市民病院に恩返しをするときです。


一医療者としてできる事をこなしていくだけで精一杯になりそうですが、
緩和ケア医としてできることがあるとすれば、今お手伝いさせていただいている基礎疾患をもつ患者さんたち(多くはがん患者さん)に、「もしも新型コロナウィルスに感染して、重症化したとしたら、どのような医療を希望するか?それはなぜか?」を話し合う機会を多く提供することだと思っています。


基礎疾患(肺癌→脳転移)を持つ地域緩和ケア医として、感染予防の資源が少ない中、日々在宅で発熱患者さん、咳の酷い患者さんたちと濃厚接触しながら、
「もう、知らない間に抗体もってるんとちゃうかなー?」
「誰かから感染してしまったとしても、『80%』の方に入って、対症療法で治癒するんとちゃうかなー?」
などと、最善に期待しつつ、
「自分が重症化した場合、人工呼吸器に乗せてもらっても、十中八九助からないだろうから、そんなときは治癒が期待できる他の人に人工呼吸器を使ってもらって、自分は緩和ケアをしてもらえばいいかな(しっかり緩和ケアチームに診てもらって、苦痛が極力少ない様にしてほしいけども!)」
と、最悪に備え、
それを家族や友人知人と共有しておかないとなー
などと感じています。


それはなぜか?・・・・
が一番大事だと思うので、明記しておくと、
僕は妻や子供たちのために長生きしたいと思っており、それが今の抗がん治療のモチベーションになっていますが、脳転移の悪化で人格が荒廃してしまったりして別人のようになり、そのことで大事な家族が戸惑ってしまうくらい迷惑をかけることだけは避けたい(できればそのような状況になるまでの間に、呼吸不全か感染症、血栓症による突然死や悪液質による衰弱死でお迎えが来る状況が良い)と思っているので、COVID19患者となり、重症化して致命的となることは、早すぎるという意味で「最悪」ですが、子供たちが多感な時期に変わり果てた姿になってしまうよりは「自分が自分でいられるまま最期を迎えられる」のかなー などと思っているからです。


それでも!そんな僕の勝手な人生観に、クリニックスタッフを巻き込むわけにはいきませんので、日々感染防御の資材をかき集め、全員でグローブやマスクをどこで付けるのか、どこでどのように廃棄するのか、などを共有し合いながら、緊張感をもって、かつ楽しく訪問診療しております♪


基礎疾患を持っている方もそうじゃない方も、家族団欒の時間がとりやすいこの時期に、決して他人事ではない「もしもの時の話」を、老若男女入り乱れてしてみてください!
結論は重要ではなく、「それはなぜか?」を聞いていくうちに、きっとひとつは、今までに聞いたことが無かったおつもりやお気持ちが出てくるのではないかと思います!