荒川祐二&Teamスサノオで~す☆









『スサノオと瀬織津姫を巡る旅』。

※これまで掲載済みの話はこちら☆

1話目,『歴史の闇に葬られた女神』

2話目,『新たなる伝説の始まり』

3話目,『瀬織津姫が封印された時』

4話目,『瀬織津姫が愛した神』

5話目,『ニギハヤヒとは何者か?』

6話目,『瀬織津姫…が…現れた…?』

7話目,『瀬織津姫信仰の始まり』

8話目,『イワナガ姫の登場と新たなる謎』

9話目,『神話の裏側を見るということ』

10話目,『再開の音色が響く時』

11話目,『なぜ瀬織津姫を巡るのか?』

12話目,『バカなりに頑張るの巻』

13話目,『封印されし強すぎた神、再び』

14話目,『吉野の地に吹く風』

15話目,   『史上最悪の女帝』

16話目,   『天照という名のニギハヤヒ』

17話目,   『女神アマテラスと男神アマテル』

18話目,   『アメノウズメさん?が登場!』

19話目,   『感じる力を養う』

20話目,   『この世の始まりを告げる神』

21話目,   『君の名は』と瀬織津姫

22話目,   『辿り着けたニギハヤヒの正体』 

23話目,   『オオクニヌシとニギハヤヒ』

24話目,   『ニギハヤヒ、現る』

25話目,   『旅の終わりに向かって』

26話目,   『約束を守り続ける鬼の夫婦』

27話目,   『伝説の呪術師 役行者』

28話目,   『伝説が生きた時代』

※イラスト from 瑠璃の星☆ミさん










あ(役行者)「…まだ…修行が足りない…。

 

『憎悪よりも愛を…恨みよりも憐れみを…復讐よりも慈しみを…』」

自由を守るために立ち上がり、

 

ヤマト政権との闘いに敗れた役行者は、

 

 

いわれのない罪を大人しく受け入れて、

 

699年5月、伊豆島に流罪となった。





民を管理し、神々を序列化し、


自分たちの支配下に置こうという、



ヤマト政権に対する、

 

『起死回生の一手』を、その胸に秘めながら…。

「五色の雲にのって自由自在に空を飛び、

 

伊豆大島から毎晩海上を歩いて富士山を登り、

 

 

その土地の神すらも使役し、

 

鬼神をしたがえて家来のように使っていた』。





役行者に関して現在伝えられている主な伝説は、

 

この伊豆島での時期のことについて伝えられており、

 

 

この伝説の一つ一つはヤマト政権自体が、

 

役行者の得体のしれない能力や呪術、

 

 

それを用いて、

 

またヤマト政権に牙を剥いてくるのではないかという、

 

恐れを抱いているという証拠でもあった。

『伊豆に閉じ込めた所で、いつ海を渡って復讐に来るか分からない』。





そんな、まことしやかな噂が表面化した結果なのか。

 

流罪からわずか1年半のこと。





701年1月に役行者はその罪が許され、

 

元の地に帰ることを許された。









…しかし…その時には…、

 

役行者の命の終わりが迫っていた…。









弟子1「役行者さま!!」

 

 

弟子2「役行者さま!!逝かないでください!!

 

まだ私たちには貴方が必要です!!」

 

 

 

 

 

 

あ(役行者)「…ヤマトは…、

 

…ヤマトは今…どうなっている…?

 

 

 

 

 

 

弟子たち「………」

 

 

 

 

 

 

あ(役行者)「死の間際に、

 

思い遺すことがあるのも嫌なものであろう…。

 

大丈夫じゃ…遠慮せずに言うがよい…」

 

 

 

 

 

 

弟子1「…ヤマトの国家形成は着々と進んでおり…、

 

いよいよ…最終段階に入っております…

 

 

 

 

あ(役行者)「…最終段階とは…?」

 

 

 

 

弟子2「…戸籍の作成、

 

田畑の分配と税の徴収による民の管理もほぼ終わり、

 

自分たちが最高神 天照大神様の子孫であるということを、

 

広めることで王としての権威づけも着実に広まっており、

 

 

タケミナカタや事代主を始めとして、

 

最高神の権威に関わるほどの力を持った、

 

これまでの土着の神々は、

 

 

新たに作られる神話の中で貶められた存在として描かれ、

 

それらの神々を祀る神社の祭神を、

 

強制的に変更させていっているそうです…。



…そのヤマトの支配が及んでいない地域も、

 

残すは三河(現在の愛知県周辺)より、

 

東北の蝦夷(えみし)の地のみとなりました…





あ(役行者)「…ふむ…蝦夷…。



我ら『山の民』と同じ、


ヤマトの支配が及ばぬ『化外』の者たちの地か…」

弟子1「…ヤマトの奴ら…、


最後は三河の地へ行幸し、


いよいよ最高神に勝るとも劣らない権威を持つ、


『瀬織津姫』を祭神変更し、


封印する算段だそうです…。



三河の地は東北蝦夷の地と、


ヤマトの『境界』の国ですから…。



あの地を抑えることが出来たなら、

 

未開の地 東北にも、

 

ヤマトの権威を及ぼしていくことが出来る…







あ(役行者)「…『水の神』…瀬織津姫は…、


我ら修験者にとっても…、


またこの天地に生きる、


生きとし生けるものすべてにとって大切な神…。



…それだけは…ならんな…。



水があるから故、


我ら人間も動物も生きることが出来、


水があるから故、


この海、山、川の自然も、


万物も育まれる…。



水を無くして、


この生命無し。


水を無くして、


この天地無し。


 

水こそが万物の根源なり…。



…『水の神』瀬織津姫だけは…、

 

何としても護らねばならぬ…」

弟子1&2「…はい…。

 

我ら修験者にとっても、

 

滝こそが修行の聖地であり、

 

瀬織津姫様は滝を護る女神でもあります…。



その存在を封印することは、

 

決して許されぬこと…。

 

阻止するためには、再び立ち上がるしか…」







あ(役行者)「…フフッ…そう熱くなるでない…。

 

儂(ワシ)は以前闘いの決断をした時に、


大きな過ちを犯してしまった…。



それはな…





弟子1&弟子2「…大きな過ち…?」





あ(役行者)「鵜野(うのの ※持統天皇の別名)の思いにまで、

 

心が至らなかったことだ…。



奴は奴なりに信念のもとに生きている、ということだ。



その民の管理が我々『山の民』にとっては、

 

不都合なことだったかもしれないが…。



近い将来、

 

天武、そして鵜野が築き上げたこの国の礎によって、


多くの民たちが飢えることなく、


満たされる世の中がやってくるのかもしれない…。



今やるべきはヤマトの奴らと真っ向から対立するのではなく、


怒りがあるならそれをグッと呑み込んで、



大きな愛を持ち、


ヤマトの連中のやっていることを受け入れて、


そして今自分たちに出来る、


最良の選択を積み重ねることじゃ…





弟子1&弟子2「…し、しかし…、


だからといって神々の姿を変えて、


封印するなどという暴挙は…!?」





あ(役行者)「それも今では、まだ分からぬことではないか…。


人の頭で、神の力を決して侮るでない…。



真実の神であるならば、


例え人の力でどのような封印を施されようとも、



必ずいつか形を変えてでも、


その真実の姿を現す時がやってくる…

弟子1&弟子2「そ、そうなのでしょう…か…」







あ(役行者)「…左様…。


真実の女神は…いつか必ず復活する…。



そのために我ら人は、


今出来る最良を尽くすこと以外にあるまい。



そしてそれこそが、

 

必ず神に尽くす道となる…」







弟子1&弟子2「し、しかし…そのためには、


…私たちは一体…何をすれば…?」







あ(役行者)「…ヤマトの連中は…神話や様々な形を通して、


これまでの土着の神々に新しい意味や名前付けをして、


新たなる神として周知しているのであろう…?



それを逆手に取るのじゃ…





弟子1&弟子2「…逆手に…取る…?」







あ「…左様…。


そしてこれは死にゆく儂(ワシ)が、


出来ることではない…。



これからも生きゆくお主たちが、


代々受け継ぎ、繋いでいってほしい…









弟子1&弟子2「…は、はい…!」









…そうして役行者が、

 

その命の最期に伝えた、

 

『瀬織津姫』を護る方法。







それは、







『形の違う神を新たに祀り、その中に瀬織津姫を隠し、祀ること』。

…役行者のその遺志を継いだ修験者たちは



後に空海が唐より持ち込んだ、


不動明王の図像の中に、瀬織津姫を隠し祀った。

不動明王が持つ、

その憤怒の表情とその背後に燃え盛る炎は、


かつての『山の民』たちの怒りの表れでもあると言われており、





そして不動明王は今この現代でも、


『不動の滝』と冠する滝が多くあるように、



『滝を守護する存在=水の神』として、

 

今も多くの修験者たちを見守っている。


そしてこの役行者が伝えた手法は、

 

山から山へと、


全国津々浦々に散らばっていった彼の弟子、



修験者、山伏たちの手によって、

 

全国に広まり…。

やがて、

『瀬織津姫』としてのその名を封印された女神は、

 

水大神、滝大神、滝姫神、小河天神、龗神(おかみのかみ)、弥都波能売神(みづはのめ のかみ)…。

 

 

時にはその神名から連想される美しさによって、


コノハナノサクヤ姫、弁才天、織姫、イチキシマヒメとしても、大切に護り、祀られ続けた。







しかしそれらの神々の内側には、

 

役行者を始め、


時代を超えた様々な人々の愛によって、


大切に護られた、



『瀬織津姫』がその身を隠しているという。

…これが今この現代でも、



様々な名前と側面を持つ、


『謎多き女神 瀬織津姫』が歩んできた、

 

人と神の歴史の足跡である。



 

『歴史の闇に葬られた女神』は、


多くの人々の手によって、


『時空を超えて、愛される女神』となった。

…そしてヤマト政権の国家形成に、

 

その人生を捧げた持統天皇は、

 

 

702年、三河地域の『瀬織津姫』を祀る神社の祭神を強制的に変更させたと言われている、

 

『三河行幸』を終えた直後に、







その人生を終えた。







彼女の中には、


『夫 天武の夢見た国家を必ず作り上げる』という、



何事にも優先されるべき、


妻として、女としての強い気持ちと同時に、





やはりどこかで神々に対する自責の念が、


あったのであろう。





『三河行幸』を終えた持統天皇の、

 

頭髪は真っ白になり、



責任感と重圧から解き放たれた、


その表情は、


今にも朽ちゆく老婆のようであったという。

…そしてこの、

 

『スサノオと瀬織津姫を巡る旅』も、


この大きな謎の一つの解明によって、





瀬織津姫が鎮まる、


『最後の地』へと向かうことになる。






役行者と同じように、


瀬織津姫を守ったと言われている、


ある『一人の女性』の存在とともに。

 



↓↓↓↓↓
※本日20時~海部舞さん、MACOさんと3月10日に向けての、スペシャルfacebookライブ配信☆

今日しか聞けない貴重な話をお見逃しなく☆


■僕らが作る、新たなる一歩。
【スマホでの上記申し込み方法が分からない方は】

※お名前、希望枚数、ご連絡先を添えて、下記のいずれかにご連絡ください☆


メール : tokiomi@gmail.com

携帯 : 080-9477-1358

(担当:山本時嗣)

↑↑↑↑↑