洗脳状態のまま半年が経過した。



任される仕事も増え、

毎日が目まぐるしく過ぎていく。







「ユディさんはさぁ、可愛がられてていいよね




「私が先輩にされた事は

 ユディさんもされて当然だから」




「1回で覚えて」






このまさに悪党すぎるセリフは

勤続年数が1番近い先輩に言われた。











もちろんのこと

気持ちとともに肌も荒れた。

辞めないでいられたのは

これが社会なんだと思っていたから。








ドラマで見たことある!!

本当に言われるんだ!!








これが繰り返されたこと。


バイトもしたことがない小娘は

あっけなく洗脳された。




多忙な日は昼休みは10分。

食事中でも平気で呼び戻された。


残業がなくても会社の人と飲み会。

未成年なのでジュースを飲んで

小難しい話を聞いていた。


愛想笑いが上手くなっていった。








勤務先まで家から1時間半以上。

帰る頃は21時近く。

友達とはほとんど時間が合わなくなっていった。






友達だって遊んでばかりいるわけじゃない。

勉強やバイトがある。



分かっているのに自由な時間が

多い周りのみんなが羨ましかった。




仕事で集まりに参加できないあたしを

根気強く誘ってくれた友人たちには

いま感謝している。


自分が同じの立場なら

ほとんど参加できない相手なら

途中で誘うのをやめてしまったかもしれない。






「おつかれさま


 来れたらおいで



 少しでも大丈夫だよ」








この言葉が嬉しかった。




あたしの笑う場所を作ってくれた。










今は会うことも少なくなってしまったけど

ありがとう。





無邪気に笑っていたあの頃は

いまも特に忘れられない。