MET ライブビューイングドン・ジョヴァンニ



2016年以来のMETドン・ジョヴァンニ』であり、どうしても比べてしまうのですが、演出に関して私の好みで言うと圧倒的大差で前作に軍配です。ドン・ジョヴァンニに背広とネクタイは似合わないし、騎士長の亡霊に迫力は皆無でした。最後の地獄落ちのシーンもよく分りません。とは言っても、モーツアルトの音楽の素晴らしさや歌手陣の熱演に対しては  Bravoを惜しむものではありません。

 


前にも同じようなことを書いたような気がしますが、ドン・ジョヴァンニは、オネーギン 、カラフ、ピンカートン等 と並んで、オペラ界のゲス野郎の一人だと思うのですが、ドン・ジョバンニ が他と違うのは、たとえ何千人の女を泣かせようと、むしろ『 それの何処が悪いのだ!』と 偽悪的に開き直り、カラッ としていて実に小気味好いところではないかと思うのです。そして、最後に地獄に落ちる事でそれなりに帳尻を合わせているのが更に良いですよね。

 

名作オペラは色々と考えさせてくれます。