「ビッグカイト相模原」という
JFLに所属する、架空のチームを舞台に繰り広げられるショートストーリー、
主人公は、ビッグカイト相模原のホペイロです。
選手ではなくホペイロ、というのが、新鮮で気に入っています
ホペイロという言葉…サッカーをあまり知らない方にとっては、馴染みのないものかもしれませんね
ホペイロとは、用具の管理を一手に引き受けるスタッフです
ホペイロの仕事は専門的なものですが
予算などの関係で
実際のところ、日本では、他のスタッフがホペイロの仕事も兼ねたりしています。
だから
各チームにひとり、必ずいるわけではないのですが
FC東京だと「山ちゃん」の愛称で親しまれているホペイロさんがいます
話を戻しまして…。
著者の井上尚登さんもサッカーがお好きだそうで
話の端々にサッカー愛を感じます
だから、読みながら、満たされた気分になりますよ(笑)
どこか贔屓のチームがあれば、きっと気に入ってもらえるお話だと思います
そして、「日本のサッカーなんて、所詮…。」なんて思っている人には
小説だけど、ベースは現実世界に忠実なこのお話をきっかけに
「なかなかやるじゃん」と、
日本のサッカーを見直してもらえるのではないでしょうか。
確かに、技術では到底ヨーロッパリーグや南米のサッカーには及びませんが
日本のサッカーには、日本のサッカーなりの面白さ、楽しさがあるんです
巻末の順位表を見ると
「ビッグカイト相模原」は、首位で、JFLからJ2へ昇格できたようです
続編として、『J2編』も期待していいのかな…?