息子は駅の自動改札が通れない。
いや、正確に言うと小さい頃は全くダメだったけど、大人になってからは、走り抜けていいなら通れるようにはなった。
でも、ほら、
『紙があったら破く』というわけわからん迷惑なこだわりがある為に、改札を走り抜けて切符を持ったらすぐ破く羽目になる。
もう…ほんま…なんとかならんのかしら。
で、今回、音遊びの会の宮崎公演の為に新幹線に乗ることになった。
改札を通れないので駅員さんに2人分の切符を見せて、
「改札通れないのでハンコ押して下さい。」
とお願いすると、切符を全部確認してから、
「はい、ではこれを改札に通して下さい。」
と言われた。
いや…通れんのや。
この横の怪しい動きの息子が通れんのや。
「どうしてもこれを改札に通さないとダメですか?」
と言うと、
「そういうシステムなので。」
と。
しゃーない。
私が行くしかない。
でも、神戸市民の皆さんはご存知でしょうか?
駅員さんのすぐ横の何台かは出口専用。
入るには真ん中の柱を越えて向こうの端の台まで行かないと入れない。
息子に
「ここで待っててよ!動かないでよ!絶対ここで待っててよ!」
と念を押してダッシュ!
(ダッシュ言うても走れてないけど)
とりあえず1人分の切符を通して駅員さんのとこに戻り、
「あと1人分通してくるからここからまた出してもらっていい?」
って聞くと…なんと!
「もう事情はわかったからええです。ハンコ押すから。」
と言われた。
なんでだ。
さっき「改札通れない」と言った時にはわかってもらえなかった事情が?
オバハンが全力必死の形相で改札を一周してきただけで?なんでわかってもらえるんだろう?
なんかモヤモヤしたものが心に残ったが、知的障害のある人の事情なんて千差万別、十人十色。
『なんらかの事情がある』
ということをわかってもらえただけでも、今後こういう人が通る時の為に役に立ったかもしれない。
…と思うことにした。
ちなみに帰りの宮崎駅では、息子が赤いヘルプマークをつけていたからかどうなのか、
「こちらへどうぞ〜」
と、何も聞かれずにハンコ押してくれた。
宮崎、ええとこやなぁ。