桃太郎論文③
桃太郎は桃から生まれた。
もうこれは常識レベルで当たり前のことであるが、果たして、
桃太郎の桃はどれくらいの大きさなのか?
普通に考えればそれ相当の大きさの桃ではあるが、疑問が出てくる。
まず、そんな大きな桃をおばあさんは持てたのか?
そして、そんな大きな桃は川に浮くのか?
という疑問が代表的なものであると思う。
なので、ここでは、何センチで、何キロだったのか?を実際の桃を参考に算出し、果たして、そのビッグな桃は水に浮くのか、を理論的に弾き出したいと思う。
何センチ?
一般的な胎児が50センチ、3000グラムだとすると、桃太郎もまぁそれくらいの大きさだったのだろうということで、今回は平均的な値を参考にしてみたい。
前回の桃論にも関係するが、子供は種の中に入っていると考えた方が現実的なので、
下の図のように、桃の中にある種の中に桃太郎が入っていたと考えることにする。
一般的な桃は大きさのばらつきがあるが、手に取った桃は8センチで250グラムくらい。
真ん中を切ってみると、種の大きさは長いところで3,5センチくらいだった。
胎児の平均は50センチだが、胎児・桃太郎は種の中でまるっと丸まっているので、だいたい35センチ。
ということは、種の大きさも35センチになる。
10倍!
そうすると、桃は単純に10倍の80センチになる。
80センチの桃!!
なかなか大きいが、持てないこともなさそうであるが、
果たしてその重さは!
単純に10倍の2,5キロ。
とはならないのである。
重さは長さの3乗に比例するので、と、簡単にざっくりとした答えを出してもいいのだが、
ここは小数点レベルで正確な数値を出してみたいと思う。
と言うのも、種の中には桃太郎が入っていたので、その部分をくりぬいて、計算したいと思う。
ここでは、一般的な桃と、桃太郎が入っていたビッグな桃の密度が同じ、桃の形、種の形は球と仮定する。
まず一般的な桃の密度。
密度 = 250g ÷ ( 4/3π × 4 の3乗 ) = 0.933g/㎤
密度が1よりも小さいので、一般的な桃は水に浮く
密度が一定と仮定しているので、
ビッグな真ん中くり抜き桃の体積と重さは
体積 = 4/3π × 40 の3乗 - 4/3π × 17.5の3乗 = 4/3π × 58640.625
重さ=0.933 × 4/3π × 58640.625 = 229059.664g
およそ229キロ!
ここに桃太郎が入っていたので、平均的な胎児の体重3キロを足して、
桃の大きさは
232キロ!!
衝撃的な重さ!
だが、おばあさんがかなりの怪力ならばなんとかならないこともないかもしれない。
でも、もし、おばあさんがこの桃を持ち上げることができたのだったとしたら、もうおばあさんが鬼退治に行けばよかったのに、と思ってしまう。
さて、次なる疑問は、この桃は果たして、水に浮くのか?という疑問。
密度が1よりも小さければ浮くので、もう一度、この232キロで密度を計算してみたい。
密度= 232059.664 ÷ ( 4/3π × 58640.625 ) = 0.94521952g/㎤
1以下!!
浮く!
桃は浮く!
80センチの桃でも、川をどんぶらこどんぶらこと流れてくる!
人生の中で、80センチ級の大きな桃が、どんぶらこどんぶらこと流れている姿を見る可能性、
あるかもしれません。