第二試作品の筒部分の改良を紹介する。復元日記#8で完成としていたが、実はまだ火皿を備え付けていなかった。火皿は火縄を挟んだ火バサミの先が落ち、黒色火薬に点火させるための部分だ。銃身部分はすべて木製で製作しているので、この部分も木工細工になる。

 

 火皿の形状は各地方ごとに太さ厚み半瓢箪の形などそれぞれ独特で仙台筒の火皿は薄いのが特徴の様だ。真鍮部分の部品である火蓋が厚めにできているのも特徴で、仙台筒の火蓋を観察すると皆一様に精密な仕上げになっている。私が参考にした四匁筒は仙台筒では一般的な分銅紋の仙台筒で、歴史史料として購入した分銅紋の仙台筒の火バサミがぴったり合致したことを踏まえ、同じ寸法が良いだろうの仮定し、仙台筒の火皿の備え付け方法に準じて製作することにした。形式はアリ溝を銃身に掘り込み叩きいれる入れ火皿。

 

 先ず、墨付けをして形状を整え、のこぎりで大方の形を整えてそこから先週購入した金ヤスリでギコギコ形を整えていく。

成型が完了すると今度は石膏で木目を埋めて再度表面の仕上げに入る。

 

ヤスリ掛けが終わり表面が完成した火皿を参考に銃身にアリ溝をノミで切り込んでいく。

 

後ろから金づちで叩きいれていき所定の場所に設置する。本物の筒もこのように作られたという事なので木製で同じ製法を再現できたと思う。これから塗装を施して雨覆と呼ばれる真鍮製の部品を挿入する溝を切り込めば火皿部分はひと段落する。

 

尾栓も後日製作する予定。尾栓の製造方法は色々な方法が各所で試されたようで、どの方法が仙台筒に使われたかを調査してから製作する予定だ。