🧵この記事はきっかけ(1)からの連続シリーズです

 

 

話は「サイ改造計画」に戻ります。

 

 

幼少期から家族に「できない子」というレッテルを貼られ続けてきたサイ。でも私は、サイはできない子ではないと思っていました。

 

 

とにかくサイを褒めて褒めて褒めちぎって、美術系のコンテストにガンガン応募して賞を取らせ、私だけじゃなく他の人も認めている事を本人に伝えたいと思いました。サイが学校の課題で制作した作品を見ては褒めまくり、コンテスト情報を探してきては応募してみたら?と背中を押し、LINEスタンプも作ってみたら?と言ってみましたが、どれも途中までというか、触り程度にはやってみるものの、何一つ最終的に形にするところにまでは至りませんでした。

 

 

私には毎日毎日絵を描いてプレゼントしてくれるのに、手紙も書いてくれるのに、コンテストとか、才能を活かして何かを作ってみるとなると、何一つとして最後まで完結させる事はありませんでした。私のためには、私に渡す用にかわいらしいノートを買ってきて、そのノートに毎日私の絵や二人の絵を描いてくれ、時には特大の画用紙に水彩画を描いてくれていました。これを5年間毎日やってくれたのです。私には毎日一作品を贈る事ができるのに、他の事となるととたんにやる気を失っていました。自主的にコンテストに応募するには結局一度も至りませんでしたが、一度学校の課題の作品で入賞した事がありました。その時もサイを褒めちぎっている私をよそに、本人はまるで何も感じていないように見えました。

 

 

サイが爪痕を残せないまま二年が過ぎようとして、でもどうしてもサイに成功体験を持たせたくて焦った私は、最終奥義を使う事にしました。サイを某ブランドのメンズモデルオーディションに勝手に推薦応募したのです(笑)

 

 

つづく