『源氏物語』解説 ~篝火(かがりび) | YUKARI /紫がたりのブログ

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紫がたりのブログ-篝火

みなさん、こんばんは。


本日は篝火(かがりび)の帖を解説致します


この帖はとても短いですね。

わたくしも一話で書きました。


最初の部分は近江の君の存在が世間に知られ、その言動が愚かしいことから内大臣が疎まれているというところですね。

ここは原典では源氏が玉鬘姫にたいして世間の噂などを話しています。

玉鬘は内心実父に引き取られていたら身分低い自分も同じ目に遭っていたかもしれないと痛感します。


私はこの部位を姫の側近くに仕える兵部の君や三条の君たちが噂しているというように変えました。

家族を捨て、共に筑紫から上京してきた彼女たちの言葉の方が説得力があるように思われて、そのようにしました。


そして次の場面。

源氏が和琴を爪弾きながら、


「いつか話しましたね。月の無い夜に虫の声を愛でながら弾く和琴が格別だと、あれは間違いでした。月の無い夜はあなたと虫の声を聞きながら寄り添うている方が趣がある」


といって玉鬘を引き寄せた源氏は琴を枕に添い臥します。

かなり異常な関係ですよね。

しかし、初心な玉鬘はそのことに気付かないのです。


ちなみにいきなり琴を枕に添い臥し、と原典では書いてあるので、セリフなどは私の創作です。


この篝火というタイトル、源氏は自分の恋心が篝火で立ち上る煙のようにくすぶっているのだ、と玉鬘に訴えます。

玉鬘は消えない篝火はないので、恋心も消して下さい、と源氏をさらりと躱します。


そうして源氏の恋はさらに迷走していくのでした。


この帖の後半では柏木などが楽を奏でる場面がありますが、篝火のごとく燃えくすぶる源氏の恋心を印象的にしたかったので、ざっくり省きました。


明日は野分(のわき)の帖です。




源氏物語次回梅枝(むめがえ)は、9月28日(金)より再開いたします/ゆかり


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