『源氏物語』第二十五話 ~末摘花(2) | YUKARI /紫がたりのブログ

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紫がたりのブログ-末摘花2



源氏が常陸宮(ひたちのみや)の邸を後にしようとすると、何者かが馬で後を追ってくるようなので、源氏は車を物陰に寄せさせました。





なんと正体は粗末な狩衣を纏って変装しているらしい頭の中将なのでした。





中将はかねてから浮気性なところを源氏に窘められていたので、源氏の忍び歩きの現場を抑えてやろうと内裏から尾行していたのでした。


しかし源氏は姫の部屋ではなく女房の局に入っていったので、趣ある琴の音を聞きながら待ち伏せしていたというわけです。





「驚いたな君は、尾行けてきたのかい?」


源氏の君の問いかけに


「私をまこうというのは無理ですよ。諦めて忍び歩きのお供にするんですね」


などと、愛嬌たっぷりに笑うので、他に行こうかとも思っていたのですが、二人で女との約束を反故にして仲良く左大臣邸に向いました。





月が雲に隠れているようなこんな晩こそ楽の音が響き渡る、と意気投合して笛を吹きあいながらの風流な道行です。





左大臣邸につくと、妙なる調べを聞きつけた左大臣が高麗笛などを携えてやって来て、琴のうまい女房などと管弦の遊びに興じました。


笛を吹く間にも源氏も頭の中将も先ほどの常陸宮の姫の琴を思い出し、荒れた邸に可愛い姫が住んでいるとしたら、そんな恋も悪くはない、と考えていたのでした。





さて次の日早速源氏は故常陸宮の姫に文をしたためました。


ところがその日の夕暮れにも、次の日にも、数日たっても返事は来ません。





『落窪物語』でも書いたくだりですが・・・


この時代、相手にその気がないのであれば、やんわりと断りの歌を返したりするものですが、ナシのつぶてという姫の態度は恋愛のルールを無視したもので、ありえないことです。


おちくぼ姫の場合、継母の北の方にいじめられて、いつでも北の方の目を恐れていたので、親に内緒で男と文を交わしていたということが露見した日にはとんでもない目に遭うと返事を出せずにいましたが、この故常陸宮の姫は事情が違います。





しびれを切らした源氏は大輔命婦(たいふのみょうぶ)に詰め寄ります。





「一体返事もよこさないとはどんな姫なのだね?」


「それはもう恥ずかしがりやのお姫さまで、殿方とのお付き合いもなすったことのない方ですし・・・」


命婦は返答に困ります。





そんな折に頭の中将が内裏の源氏の宿直(とのい)部屋(=桐壷)にやって来ました。





「この間の十六夜の晩の姫に文をやったんですが、返事もこないんですよ。あなたは返事をもらいましたか?」





「さぁ、私は別に返事を見たいとも思っていないので、見たこともないですがね」


中将は源氏のあいまいで思わせぶりな口ぶりから、姫は源氏の君にはいい顔をしているのかもしれない、と悔しく思いました。





源氏は内心やはり中将も姫に言い寄っていたのだな、油断のならない男だなぁ、と思いながら、興ざめしてどうでもよいように思い始めていた姫でしたが、頭の中将はまめなところもあるので、そちらに靡いては癪に障るとライバル心が頭を持ち上げてくるのでした。





この『源氏物語』は私がアレンジして書いているもので、人物描写なども私の想像などが重きを占めています。


また失われた巻についても想像で描いているので、オリジナルのものとは違います。


お問い合わせが多いのでこの場にて・・・/ゆかり





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