2011-02-27 11:15:38

自作戯曲(?) 『もやしの髭根』 

テーマ:創作戯曲
う~ん。戯曲ってどうやって書くのか想像もつかないのですが、私小説ならぬ、私戯曲。
そもそもなぜそんなものを書いてみたいのか自分でもわからないのです。
え~と、、、果てしなく地味です。ただただエゴイスティックであること、わたしにとっての短歌と基本的に同じです。

『もやしの髭根 (全四幕)』

一幕目

台所、おんな一人、もやしを台の上に山にして、髭根を折っている。
ポキ、ポキ、ポキ、ポキと軽い音。

おんな  もやしの髭根を折っていれば、一生プチプチいらずだわ。
     全部終えるまで止まらない。
     それに、プチプチみたいに、プニッと失敗ってこともなくて、
     毎回軽快にぽきぽき折れるし。

黙って、ぽき、ぽき。

おんな  でも単純だからこそ、退屈した脳が「この仕事を早く!早く!終わらせろ!」と手をせかしはじめるのね。
     そうやってせかされると、手はとたんにリズムを失い、そして脳は一層つまらん!と言い始める。
     手と脳ってたぶん恋人どうしみたいな関係なんだわね。
     
     あぁ、それにしても、いつもいつも彼の帰りは遅い。

黙って、何か考えるように。ぽき、ぽき。

おんな  でも、彼の帰りを待ちながらもやしの髭根をぽきぽき折るのって悪くないの。
     待っているときのわたしの気分を表すのにぴったりな感じがする。
     何をしてもよい自由な時間でありつつ、人を待っているという点では拘束された時間。
     もやしの髭根なんて、実質、とってもとらなくてもいいと思う自由と、
     どうであろうがやっぱりわたしは髭根を取っていることには変わりないってところがね・・・。
  
ぽき、ぽき。


おんな  急いで作らなければならないお料理ほど苦痛なことってないでしょう?
     お玉やお鍋のふたが落ちてきたり(ガン!)、お皿を割ってしまったり(パリン)、
     料理ってそもそも、何かに注意を向けながら、別の何かについて考えつつ、
     そして、手はまた別の何かの作業をしている。ただでさえ複雑な作業なのに、
     せかされると口から絶えず、「ちぇ!」とか「もう!」とかが、勝手にこぼれるのは、
     きっと、慌ただしい一連の操作に欠かせない微妙な調整のためなんだわね。

     こんな風に余裕を持って素材に触れるのって、本当に豊かなことだと思わないと・・・。

ぽき、ぽき。

おんな  ふぅ、終わった。

ざるに入ったもやしを洗う。

おんな  なんてきれいな野菜だろう。
     髭根のついたまま、袋にめちゃくちゃに入っているときは、
     いかにも貧弱な安い野菜という感じだけれど、
     こうして見ると、白くてピンとしていてきれい。一つの完成された美なんだわ。

玄関でドアを開ける音。

おとこ  ただいま~

おんな  お帰りなさい。おつかれさま。

二人晩酌。もやしのナムルがテーブル上にある。

おんな  あのね、髭根のないもやしはね、一つの完成された美なのよ。

おとこ  このナムルが?

おんな  違うの、髭根がなくなって、ナムルになる前のこと。

おとこ  ふーん。でも、たかがもやしでしょ。

おんな  されどもやしです。髭根を取るかとらないかで、人生が変わります。

おとこ  おおげさな。

おんな  あなた、女の人のすね毛とか苦手でしょう。

おとこ  は?もやしの髭根はぜんぜん気にしませんが?

おんな  もやしの方が大事なのよ、それはもう大変身なのだから。
     たとえ女の人でも男の人でも、すね毛はもやしの髭根ほどのものではありません。

おとこ  お願いだから、別の話にしてくれない?食べにくいんだけど?

おんな  ふぅ。じゃああのね、お仕事の話しなんだけどね・・・。

二人、話しつつ幕。


では、来週、第ニ幕 (たぶん)。
柚 葉
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2011-02-20 12:00:06

『苦悩』 マルグリッド ・ デュラス

テーマ:テアトル theatre
春秋座でデュラスの 『苦悩』 のお芝居を観ました。
演出家の一人が、オペラの演出などでも大変有名な、パトリス・シェロー氏でした。
でも、とにかく女優のドミニク・ブランさんが素晴らしいですね。
ほとんど朗読、な舞台を観ながら、テキストを読みなおし、深い理解をするという体験でした。

そもそも原書が日記という形式なので、どうやってお芝居にするつもりだろう?と思っていました。
わたしはデュラスの『苦悩 la douleur』というテキストが大変に好きなのですが
(翻訳は絶版になってます。ドミニク・ブランが演じたようにわたしが訳したい!!! 頭に焼きついてます)、
デュラスおばさんに関して言われていることには戸惑ってしまいます。
興味がある方はすでに読まれていると思いますが、少しだけ説明をしておくと、
『苦悩』 は第二次世界大戦終戦間際に、強制収容所に送られたユダヤ人の夫を待っている間、
それから、夫が奇跡的に帰ってきた後のことをつづった(デュラス自身も書いた記憶がないという)日記です。

このテキストはたぶん、メディアに露出したデュラスとは切り離して、それでもデュラス的な知性を持ち合わせた人でなければ書けない(と言うより、切り離そうがデュラス本人でないと書けない)ような、特別なテキストだとわたしは思っています。
とくにその厳密さ、周りへの注意力、むしろ精神的な限界でこそ発揮されている細やかさなどなど、
それこそ日記を綴ることで得られるもので、大げさで感情的なお芝居をした瞬間になくなってしまうものだと思います。

生きているか死んでいるか分からない人を待つことが空想との戦いであること、
あまりにも理解できる範囲をかけ離れてしまって、待っている自分が自分でないように思われること、
同じ境遇で待っている女の人よりも、自分がずっと意気地なしだと感じられ、意気地無しでいることの苦しみなどなど、
みんなかどうかは自信がありませんが、共感できる人が少なからずいると思います。

演じたドミニク・ブランさんは、『苦悩』 が 「愛の話」 だと言っていましたし、わたしもそう思います。
実際には、夫の帰りを待っている間に、日記に D.として出てくる男の人との間に子供ができて、
夫が生死の堺を乗り越えたあとに離婚するのですが、舞台ではその部分が全面的になくなっていました。
そういうことが起こっていつつも、『苦悩』 というテキストが、想像を絶する状況で、夫を待っている一人の女性の、
真実の愛の話であることに、わたしは同意します。

柚 葉
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2011-02-13 18:08:47

お雛さま

テーマ:ブログ blog
母上、お雛様を送ってくれてありがとう。飾りました。

$ゆばー*短歌* ≪Ecoute! Ecoute!  C'est Ondine≫

とってもふくぶくしいお雛様です。(「福々しい」ブラボー日本語!「ふてぶて(太々)し」ではありません。)
たまらず、ちらしずしの用意をしてしまいました。
ぜいたくなお寿司にはしないけれど、椎茸を戻したり、具を煮たり、酢飯をパタパタしたり、春はまだかしら?

柚 葉
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2011-02-04 21:17:51

味噌

テーマ:ブログ blog
わたしではなくて、妹が去年作ったお味噌です。(ごめん、貰ったことを忘れてたよ。ありがとう!)

お味噌汁を作ろうとして、そうだそうだ貰ったお味噌があったはず!と、包みを開き、
ぺろりと味見をしてみたら、あら美味しい。
もう一口、あら、あら、美味しい。へぇ~、と感心してしまいました。

他方、近所のおばあさんといっしょに昔ながらの方法で作ったと聞いていたそのお味噌の味は、
なんだか妹が、すごくしっかりもののお姑さんがいるお家に嫁いだかのような、
姉として、複雑な思いがいたしました。

で、ぺろりと味見をしたときから、このお味噌はそのまま野菜と食べたいという衝動に駆られていたので、
野菜を切ったり、大根を煮たりと、結局このお味噌に合わせることになりました。美味しかった!


ところで、雪ちゃんと長野の野沢菜茶漬けのかわいさに負けて、見るたび手に取ってしまいます。

$ゆばー*短歌* ≪Ecoute! Ecoute!  C'est Ondine≫

でも、わたしもいつからか手作りすることにしよう。
作ったことがないものを食べるのは、テキストを読まずに観に行った古典のお芝居みたい。
表面しか味わえない、と悔しくなるのです。

柚 葉
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