わかやま南北アメリカ協会のニュースレターに掲載! 仏・ボルドーで醤油をつくるに至った経緯 | 世界一の醤油をつくりたい 湯浅醤油有限会社 社長 新古敏朗のブログ

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湯浅醤油の社長、新古敏朗が想いを綴ります。
和歌山県の情報の発信、イベント情報などの掲載
日本の醤油の発祥の地から世界のトップもしくは、本当に醤油にこだわっている人に知ってもらいたいと思っています。

丸新本家湯浅醤油有限会社の新古敏朗です。

 

わかやま南北アメリカ協会・ニュースレター第23号

「WAMERICAS」 ~ひろげよう交流の輪~

にフランス・ボルドーで行っている事業について掲載されました。

 

海外事業のあゆみもお話させていただきました。

お時間ある方、是非読んでみてください。

 

和歌山 南北アメリカ 湯浅醤油

 

 

湯浅醤油 フランス ボルドー 醤油造り湯浅醤油 フランス ボルドー 醤油造り

≪以下本文≫

世界一の醤油を目指してチャレンジ 

 ~なぜボルドーで醤油造りを始めようと考えたのか~

 

 当協会理事の新古敏朗さんは金山寺味噌や醤油、味噌を製造している

丸新本家の五代目当主であり湯浅醤油有限会社の代表でもあります。

2018年にはフランス・ボルドーに醤油蔵を設立し、

最高の味わいを持つフランス産醤油を作りました。

今年3月末には醤油をテーマにした日本 食レストラン

「PAVILLON YUASA」(ゆあさのはなれ)を

フランス・ボルドーにオープンし好評を得ているそうです。 

なぜボルドーで醤油造りを始めようと考えたのでしょうか?

以下は新古さんからの回答です。

 

 

 

(1)海外の展開 

2005年 モンドセレクションでの金賞受賞をきっかけに海外輸出が始まりました。

2011年 東日本大震災で、輸出がストップしてしまいました。 (放射能の風評被害) 

2014年 にモンドセレクションの表彰式がボルドーであり、ワインの聖地7000のワイナリーが 存在し、フイナリーの大小に限らず蔵ごとに誇りとポリシーを感じたことなどから、発酵つなが りで連携すれば素晴らしい醤油ができると考えました。

 

日本の醤油発祥地(約800年)の技術とワインの2000年の技術

また、フランスで造る事がかっこよく、

世界でボルドーを知らない人は無いくらい有名な場所です。

ボルドーは、プルゴーニュと並ぶフランスワインの二大醸造地。

冬はとても穏やかで、夏は暑いボルドー気候的に醤油にとってもよさそうなこともその理由です。

 

 

 

(2)ボルドーで醤油醸造

2018年 ポイヤック地区の ドメーヌ内田で 400L、 醤油つくりを始動

 

2020年 ドメーヌ内田で 800L、 生産 

    2018年の醤油を絞って醤油を完成させ、

    ボルドー料理人に醤油と醤油もろみを配りました。

 

2020年春 コロナに見舞われフランスがロックダウンし、料理人が長期休業の時、醤油のもろみを使った料理がフランス人たちの間で評判になったのをきっかけでレストラン開業のアイデアに も広がりました。 (山野純―シェフが、アイデアを提案)

 

そして、サンテミリオンのフイナリーシャトークーテントのアドリアンが、一緒に醤油つくり をしたいと、新しいパー トナーができました。

クーテットは、400年間無農薬でワインを醸造するフイナリーで、今回の醤油もオーガニックで製造することに決まりました。 

 

2023年は、ビジネスベースでクーテットのアドリアさんと醤油の仕込みまでできるかどうかを 試しました。

こいくちしょうゆ 2500L、 白醤油 1300L のもろみを製造

仕込みまでできることがわかりましたので、無事に発酵ができれば、搾って商品化できそうで す。

 

 

 

(3)調味料としての醤油作りです。

湯浅醤油は手作り醤油にこだわってきました。

今回はBio醤油を目指してます。

B10素材を用いてフランスでフランス人がつくる醤油はありますが、

フランスで日本人がかかわるB10手作り本格醤油づくりは初です。

 

また、自醤油と黒醤油を作っていきますが、白醤油はフランスでは初です。 

今回仕込んだ醤油は、2023年 9月 に完成予定です。

 

以前小規模でトライアルした醤油は、薄い味ではなく、しっかりとした味がありました。

日本でつくっている醤油よリコクが深く、フランスで売れると思います。

気候が違うフランスにあわせて、設備ややり方を少し変えています。

 

 

 

(4)醤油づくりの工程は、日本で作るのとおおむね一緒ですが、

 ボルドーでは一工程増やしています。 

 

醤油は搾ったのちにすぐ出荷することがほとんどですが、

ボルドー醤油はワインの製造方法にならい、熟成させる行程を入れています。

ボルドーの石きり場の地下室 (14℃ )でねかせます。

醤油をすぐ出荷せず、ねかせることは、

弊社にとって海中醤油 (海中でねかせる醤油)に続く取り組みです。

また、ワイン樽で発酵や熟成させることも特徴です。

 (白醤油はステン樽で発酵させます。)

 

 

 

(5)フイナリーでのしょうゆづくりに関し、

 シャトー・クーテッドとの役割分担などは、

 初めてのことなので、さぐりながらやっています。

今回実施した事業は、仕込みまでをシャトークーテットに委託して実施しました。

機材等はシャトークーテットがそろえたものもあります。

 

今後もパートナーシップを継続します。 

湯浅醤油職員は常駐しません。

シャトーに技術指導は行い、6月と9月に行き完成までの指導をするつもりです。

その後の製造における仕組みはまだ決定していません。

できる量やリスク等を確認したのち、 最終決定する予定です。 

 

 

 

(6)ワインも醤油も発酵食品です。

発酵、木樽、伝統という点で共通です。

ワインには、醤油にはない「ねかせる工程=熟成させる工程」があり、

今回の醤油もねかせてつくっています。 

フランスには精麦機はなかったので、日本から持っていきました。

精麦はむつかしく、傷をつけることで麹を育てました。 

その他機械は、現地のを使おうとしましたが、

壊れたり使いづらかったり、仕込みまでの作業に大変なことがありました。

 

 

 

(7)9月には約600Lが完成する予定です。

200ml瓶で約3000本になります。

そのつぎは春に白醤油3000本ができる計画です。

増産するには、製造設備、とくに樽を増やす必要があり、

9月の出来上がりをみて今後検討していきます。

 

 

 

(8)当面の販路はフランス・欧州で行います。

日本でも少しは販売予定です。

生産量が3000本しかありませんので、

まだ大々的に販売できません。

生産量が増えれば、日本・米国での販売も行っていきます。

 

 

 

(9)レストラン事業

しょうゆ事業から、山野純一シェフに出会って、

レストラン事業の構想が浮かび上がり、

醤油を使った、レストランをスタートする事になりました。

 

湯浅醤油 フランスで仕込んだ醤油

 

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<PAVILLION YUASA(湯浅のはなれ)>
Restaurant gastronomique japonais
住所:9 Rue Camille Godard 33000 Bordeaux-FRANCE
電話:+33 (0)540-054-582

Instagram:https://www.instagram.com/pavillonyuasa/