こんにちは。川村義之です。
整体師のための合気習得セミナー、ベーシック第3回の様子をご紹介します。
第3回のテーマは「相手と一体になる手の内」です。
相手と一体になるとは、相手の力と自分の力を、ぶつからせないようにすることです。
自分の動きを、相手の体内にまで伝えて、整体の効果を高めるためです。
まずは、手の内とは具体的にどんなものかを、詳しくお話ししました。
元々、手の内とは、昔の侍が、剣の機能を活かすために用いた、特別な掴み方を指します。
ポイントは、剣を持つとき、屈筋主体の掴み方から、伸筋主体の掴み方へと変えることです。
指の腹側や掌全体を、ぴったり密着させる普通の掴み方より、はるかに接触面積が小さいのが特長です。
普通は何かを掴むとき、人指し指と親指を、向かい合わせるように掴みます。
手の内では、薬指と親指を向かい合わせ、他の指、特に人指し指は使わないようにするんです。
五指全てを、朝顔の花を模したかのように、ややすぼめ気味に開くようにします。
Aさん「掌を丸めない感じですね!」
Bさん「各指が、螺旋状になっている感じですか!」
一見、しっかり掴まないので、剣をすぐ落としてしまいそうですが、非常に強い掴み方なんですね。
木刀を使って、実際に試してみました。
木刀を手の内を使って両手で持ち、正眼に構えます。
相手に、木刀の先端を両手で掴み、動かせないように押さえられます。
ここから、木刀をしっかり掴まないまま、振り下ろしてみました。
Aさん「面白いですね!しっかり握っちゃうと、逆に全然動かせないですね!」
Bさん「形ができていると、本当に、強くやろうとしなくても、木刀を動かせますね!」
「確かに、こういう手で構える武術って、ありますよね!」
普通にしっかり掴んだときと比べて、木刀を振り下ろす力を、圧倒的に強くできるかどうかがポイントです。
相手の力と自分の力がぶつかっていなければ、自分の動きを、相手の力に邪魔されなくなるんですよね。
Aさん「接点が少ないほうが、力を伝えやすいんですね!」
Bさん「これは本当に盲点というか、普通はちょっとわからないですよね!」
次は、自分の右手で、相手の左手首を掴んで、自分のほうへ引っ張ってみました。
これも、普通にしっかり掴んだ場合と、手の内を使った場合とで、引っ張る力の強さを比較します。
Aさん「おお!相手は、全然抵抗できないですね!」
Bさん「不思議ですね!本当に、つまんでいるっていうくらいですね!」
接触面積が小さい、手の内を使ったほうが、しっかり掴むより、力を伝える効果が高いんですよね。
手の内ができていると、手から腕は、伸筋主導で動く状態になっているからです。
相手の力と自分の力がぶつかると、揉み返しの原因にもなりますよね。
手の内によって、ぶつからない、合気の動きを体得し、整体の効果を高めることができるんです。
東京・下北沢の合気柔術 啓真道
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古の侍が用いた身体の使い方の極意を、体術として研鑽する武道です。
居着かない足運び、浸透する力、相手と一体になる技法の稽古を通して、浮身や合気の習得を目指します。
体格差や体重差を覆して、相手を崩して無力化することを目的としています。