こんにちは。川村義之です。
相手に、力の出どころを、特定させず、抵抗できなくさせることができます。
正中線をどうするかに、集中していればいいので、シンプルに動くことができます。
相手の中心を奪い、崩してコントロールするのを、容易にすることができます。
古流武術をされているOさまの、上級第6回目の様子を、ご紹介します。
上級第6回目は、正中線のコントロールで、全身を動かす方法を、お教えしました。
はじめに、正中線の直線度を保ち、角度も、垂直に保って動くということを、練習しました。
正中線を、直線に保って立ち、相手が差し出した両手に、自分の両手を乗せます。
ここから、正中線を、垂直に保って、真っ直ぐ座っていきます。
自分が、座っていくだけで、相手の両手を押さずに、相手を、座り込ませることができました。
このときの、真っ直ぐ座っていく動きの軌跡を、ほんの数cmだけに、短縮してやってみました。
半身になり、お互いの、前手の手刀同士を、交差させます。
正中線を、直線に保ち、垂直に、2cmほど、体勢を落とすと、相手を、中途半端に崩すことができます。
相手を、中途半端に崩して、身動きできない、金縛り状態にすることができました。
「じゃあ、剣の構えで、いつでもこれができれば、触れさえすれば、相手を崩せるということですか!」
これを、剣の技に、応用してみました。
相手が、手刀で、面を斬り下ろしてくるのを、自分の手刀で、受け止めます。
正中線を保ち、わずか2mmほど、垂直に落ちるようにして、相手を、金縛りにかけます。
悠々と、相手の手刀を動かして、太刀筋を外し、相手を、無防備して、斬りつけることができました。
この間、相手は、抵抗することも、逃げることも難しいので、余裕を持って、相手に、斬りつけることができます。
「2mmって!こんな、ちょっと動くだけで、こんなになるんですか!」
「これは、崩されても、相手は、こちらに何をされたか、わかりませんね!」
さらに、相手の手刀を、自分の手刀にくっつけて、自分の好きな方向に、誘導することもできました。
「ああ!これが“そくいづけ”!確かに、くっついて、離せないですね!」
「なるほど、相手は、自分が崩れていて、手刀を離したら転倒するから、無意識に、離せないんですね!」
今度は、正中線を、前方に滑落させるということを、練習しました。
両手を、相手に前からつかまれ、前進できないように、押さえられます。
正中線を、現状の位置に固定している筋肉から、脱力して、正中線を、垂直なまま、前に移動させます。
決まった筋肉から、脱力するだけで、相手を、後退させながら、前進することができました。
続いて、浮き身も、正中線をコントロールすることで、できるように練習しました。
股関節まわりから、一気に脱力して、足裏にかかる荷重を抜きます。
足裏にかかる荷重を抜くと、足裏と、床との摩擦抵抗を、大幅に、減らすことができます。
両手を、相手につかまれ、横に動かせないように、押さえられます。
浮き身になり、足裏に、再び荷重がかかる前に、わずかに10°ほど、両足を滑らせて、ターンします。
相手の手を引っ張らず、相手を、背中から動かして、横に投げ飛ばすことができました。
浮き身でいる間は、自分の質量を、足裏で支えていないので、技の力に、利用することができるんですね。
「これは、確かに、みだりに使ったり、他人に使ったりしては、いけませんね!」
縮地法も、正中線のコントロールに専念することで、使いこなしやすくすることができます。
左右の手刀で、正眼に構えます。
股関節まわりから、脱力して、正中線を、前方に、突っ込ませるように、動きます。
構えたスタンスを維持したまま、両足同時に滑らせて、前進することができました。
縮地法の1つ、浮き身の寄り足が、正中線をコントロールするだけで、できたんですね。
「確かに、床を蹴ってもいないし、歩いてもいないのに、物凄く進みましたね!」
「これが、そうなんですね…(古流武術の允可者だった)ご先祖にも、“こうやるんですね!”と報告できます!」
ここからは、正中線を、縦に、S字状に波打たせ、呼吸力を生み出す練習をしました。
相手の肩に手をかけて、正中線を、縦に波打たせ、その動きを伝えます。
相手の肩を、腕力で押したり、体重をかけたいったりしても、相手を、崩すことはできません。
S字波形を描く力で、相手を、股関節から崩して、尻餅を着かせることができました。
これを、剣の振りかぶりに、使ってみました。
正眼に構え、右手を、相手に右側から両手で、振りかぶれないように、押さえられます。
肩や、腕の力で振りかぶらず、正中線を、縦に波打たせる動きで、振りかぶります。
相手の力に、邪魔されず、上段まで、振りかぶることができました。
続いては、正中線を、縦に波打たせる動きを、剣の斬り下ろしに、使ってみました。
上段に、振りかぶった両手を、相手に両手でつかまれ、下から押さえられます。
腕力で、斬り下ろそうとしても、かえって、反作用で、自分の肩を、押し上げてしまいます。
正中線を、縦に波打たせ、その動きを伝えると、相手を、ひざまづかせることができました。
「うわ~…恐ろしいですね…」
次は、正中線を、螺旋状に、水平に、弧を描かせて、連動させていきました。
弧を描いて、何段階にも、往復する動きを、下から上へと、伝えていきます。
右手を、両手でつかみ、押さえる相手を、背中から動かして、横に投げ飛ばすことができました。
この、螺旋状の動きで、抜刀してみました。
右手を、相手に両手でつかまれ、お腹に、押し付けられます。
縦に波打つ、S字波形の動きと同じく、螺旋状の動きも、接触点でぶつからず、浸透する力です。
正中線を、螺旋状に動かし、抜刀すると、右手だけで、相手を、後ろに吹っ飛ばすことができました。
「相手、飛んでいきますね!うわぁ凄い威力だな…」
抜刀だけでなく、相手と、刀と刀を、斬り結ぶ状況でも、螺旋状の動きを、使ってみました。
相手が、手刀で、面を斬り下ろしてきたところを、自分の手刀で、受け止めます。
螺旋状の動きで、相手の太刀筋を逸らし、相手を、後ろ向きにすることができました。
「ああ!いとも簡単に!相手は、全然抵抗できないですね!」
最後は、正中線を使って、鎖骨を動かす練習をしました。
片手を、相手に両手でつかまれ、引っ張られます。
腕力で、引っ張り返しても、なかなか、相手を動かすまでには、至りません。
相手を、引っ張ることは忘れて、胸椎を使って、鎖骨を動かすようにします。
相手を、根こそぎ引っこ抜き、自分の後ろに、放り投げることができました。
「凄い威力ですね!やっぱり、やろうとしないということが、大事なんですね!」
さらに、股関節を動かして、胸椎を動かし、それで、鎖骨を動かすようにしてみました。
股関節を動かすと、骨盤を動かすことになり、骨盤内にある、臍下丹田で、技を行うことになります。
抵抗する相手を、激しい勢いで、自分の後ろに、吹っ飛ばすことができました。
「こんなに威力が出るんですね!うわ凄いな…」
自分の刃筋は通し、相手の刃筋は、外すことができます。
前から、抵抗をかけられていても、押さえられずに、前進することができます。
正中線を、柔軟に動かすと、体軸を固めていては、とても出せないくらい、強い力を、生み出すことができるんですね。
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