西和賀日記676回「和賀岳8月のお花畑」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

梅雨が明けて晴れの日が続いています。

台風が太平洋側から北上してくる気配なので、その前に…と和賀岳に登ってきました。

 

 

高下林道の舗装終点まで車で入り、車を置いて4キロの林道を登山口まで1時間かけて歩きました

そもそも県道から1キロの地点に「通行止」看板があり、道を直す工事をやっているはずなんですが、その気配がありません。

舗装終点には掲示板があるんですが、不思議です。

 

 

林道わきの草地にネジバナ(捻花)が咲いていました。

これに励まされました。

なにしろ車を出てからというもの、おびただしいアブにやりこめられていて、防虫ネットをかぶっていてもどんどん中に入り込んでくるし、半そでの腕に食らいついてくるし…で、「もうやめっかな」と消極的な気持ちになっていたのです。

「ネジバナだって頑張ってねじれてるんだかんな、おらも頑張って和賀岳に登んなきゃな」

そう思ったのです。

本当です。

 

 

舗装終点から最初の橋までは車でも入れます。

橋の先からは、車ではちょっと無理です。

7月の大雨で、また林道がずたずたになってしまいました。

 

 

和賀川渡渉点の手前に格好の水場があります。

いつも勢いよくて……あれ、出てない!

どうも大雨で石が崩れてきて、塩ビ管がずれてしまったようです。

ちょっと手をかけたら、よく出てきたので安心しました。

暑い時期の水場はまさに〝命の水〟ですから。

 

 

和賀川源流部の渡渉点は、水量が少なく、冷たい水に足をさらしながら快適に渡りました。

ところがその先、コケ平の手前の登山道は、7月下旬によほどの大雨だったらしく、荒れ放題になっていました。

ゴツゴツした石が押し流されて足場は不安定になっています。

いつも荒れていて和賀岳登山の難所でもあったのですが、これはもう〝超ガレ場〟と化していました。

 

 

コケ平(標高1337メートル)に出ると景色が開けます。

沢内側から登る和賀岳は5月以来です。

林道通行止だから誰もいません。

誰もいない山に登るのは快感です。

 

 

ハクサンシャジン(白山沙参)は清楚な花です。

「西和賀の高山植物」(西和賀の自然と文化シリーズ⑫、2017年)には「釣り鐘状の花が風に揺れると、鐘の音が聞こえそうだ」と、ずいぶん情緒的な解説文がありますね。

 

 

和賀岳山頂(1439メートル)は黄色い花の群落でした。

7月はニッコウキスゲ(日光黄菅)でしたが、これはトウゲブキ(峠蕗)でしょうか。

 

 

 

僕は関東や中部地方で花を見てきたので、マルバダケブキ(丸葉岳蕗)に見えるのですが、たぶんトウゲブキだと思います。

ま、どっちでもいいような気がします。

ニッコウキスゲほど派手ではないけれど、これはこれで8月の和賀岳頂上を黄色いお花畑に染める花です。

 

 

前回の沢尻岳でモンベルの登山靴の底がはがれそうになってしまったので、古い革製の登山靴をはきました。

30年くらい前に宇都宮の登山用品専門店で買ったものです。

その後2足ほど新しいのをはいていたのですが、久々にはいても感触を覚えているものです。

まったく問題なく10時間の山歩きを底の方から演出してくれました。 (8月9日)