再登場したプーチン・ロシアと北方領土問題の行方 | 現下の国際情勢の見所・疑問点

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   3月4日行われたロシア大統領選挙の結果は、予想通り、プーチンの圧勝であった。

  得票率は、かつてのようには高くはなかったが、2位のいつものライバルであるジュガーノフ共産党党首を足下に寄せ付けない大差で勝利した。


  ロシアは、広大な国土を有する大国であるので、選挙結果集計に相当な時間を要するのだろうと思っていたら、何のその、開票後余り時間をおかずして、プーチンが早ばやと勝利宣言を行い、余程嬉しかったのか涙ぐむ姿が世界に流された。

  今回の選挙には、これまで同様、日本を含む諸外国より監視団が派遣され、一部に不正があったとの指摘もあったとされる。プーチン自身一部不正があったかもしれないと認めたとの報道もあるが、プーチンの勝利は揺るぎないものであろう。

  しかし、プーチンの権力掌握と長期政権化に強い懸念、不満をもつ多数の市民・インテリ・経済人等が存在することも明らかになっており、その動向が今後の注目点の1つであろう。

  一方、プーチンは、勝利が確定する以前より、本邦メディアに対し、北方領土問題について発言を行い、注目されている。その発言内容は、プーチンのホー
ムページにも掲載されているようで、野田総理も、早くも、プーチンの当確の時点で電話会談を申し込み、勝利の見通しに祝意を表しつつ、領土問題については
「叡智ある解決に取り組みたい」と述べたという。

  本邦紙によれば、プーチンは、北方領土問題について歯舞、色丹の「2島返還」による解決を迫ったとか、「2島プラスα」を示唆したものとか、すでに
種々取り沙汰されているが、ロシアについての権威ある専門家である袴田茂樹教授によれば、プーチン発言についての本邦紙報道は、HPに掲載されているその
発言全体の一部しか紹介しておらず、全体を読み、分析すると、「2島返還」すら明確にしていない(2島についての主権をロシア側に残したまま、開発を日本
側に委ねるといった趣旨の単なる「島の引き渡し」を狙っているかもしれない)というので要注意である。

  袴田氏の指摘については、「プーチン首相の北方領土発言の真意を読み誤るな」

  (http://www.jfir.or.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=2354をご参照。)  

     (Y. I. )   



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推薦図書・資料

1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】

  マーク・M・ローエンタール 著

  (慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)  

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  8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。 


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