せっかく風呂で綺麗になったのにウンチを漏らす長男。

ウンチはオムツにおさまってくれていたし、長男はウンチで遊んだりもしていなかった。
処理はオムツ交換だけだ。
とても楽だった。

しかし私は獣になった。

ウンチが出ていることに気付いたか?と問うても「気付いたぁ?気付いたぁ?」

なんで教えてくれなかったのか?と問うても
「なんでぇ?なんでぇ?」

ウンチはどこでするの?と問うても
「どこでぇ?どこでぇ?」

嫌になった。
デジャブ、デジャブ。
この会話いつになったら成立するようになるのだろう。

「5秒後に答えられなかったら、ママは獣
になってお前を喰う」
長男が理解できないことを承知でこんなことを言った。

数字が好きな長男。
「いーち、にー?、さーん!…」
私の真似をして一緒に数え始める。

…馬鹿な子。

きっちり5秒数えた。

私は長男を押し倒し、「ぐぅがぁ!!」と野獣のふりをしながら喰いかかった。
長男はようやく恐怖を感じたのか奇声を発し始めた。
長男はするりと私の腕から抜け出し、夫に助けを求める。
夫は長男を抱きかかえながら私を叱る。
長男は怯えた顔で私を見ながら、夫に強くしがみついた。

そんな姿に私は嫉妬した。
【私が子供の頃、しがみつける相手は誰も居なかった】

私が悪い。
長男を怯えさせたところで何になる?
時空を超えて嫉妬したところで何になる?
ふりだとしても我が子を喰おうとする母親がどこにいるだろうか。

たかがオムツが取れないだけじゃないか。
ただ、それだけなのに。