マイルストーン総合法律事務所の児玉です。


標記のとおり、この度、全件収容主義と戦う弁護士の会「ハマースミスの誓い」を設立することになりました。

私と同じ事務所の駒井は、2012年11月、2014年3月と2回にわたって英国の収容施設や制度を視察してきました。

全件収容主義がおかしい、ということは、20年来考えてきたことですが、その考えが間違いではないことをこの2回の視察を通じて、確信するに至りました。と同時に、弁護士としてその打破のために十分な取組が必ずしも出来ていなかったことを反省しました。

2014年3月の視察時、視察団が泊まっていたハマースミスという街のホテル近くのパブで、参加した弁護士全員で、全件収容主義を打破するために弁護士として最大限の努力をしよう、という誓いをしました。

会の名前の由来は、上記のとおりです。

帰国後呼びかけをし、趣旨に賛同して下さった方とともに、この会を10月28日立ち上げることとなりました。

具体的な活動内容は、末尾貼り付けの設立趣意書案をご覧下さい。研修会を年何度か予定しています。今のところ、MLによる情報交換を中心とした緩やかなネットワークを想定しています。

弁護士だけでなく、関心のある関係者の皆さんの参加をお待ちしております。参加費無料です。

また、会としては弁護士会員の募集もいたします。こちらの募集要領は、追ってお送りいたします。会費は今のところ無料と考えています。


【当日のプログラム】

1 趣旨説明
2 講演「全件収容主義」は誤りである
3 設立趣意書採択
4 代表・事務局長選任

終わった後は懇親会も予定しています。



ハマースミスの誓い 設立趣意書

「本件退令に基づく収容により申立人が被る損害は、収容による身柄拘束を受けることであるか、身柄拘束自体が個人の生命を奪うことに次ぐ人権に対する重大な侵害であり、精神的・肉体的に重大な損害をもたらすものであって、その損害を金銭によって償うことは社会通念上容易でないというベきである。」

 これは、退去強制令書によって収容されていたアフガニスタン難民7名につき、退去強制令書の収容部分の執行停止を命じた東京地方裁判所決定の理由からの引用である。

 この決定が述べるように、身体拘束は生命を奪うことに次ぐ人権に対する重大な侵害である。人身の自由は、あらゆる人権の根源となる重要な基本的人権であり、それは国籍や在留資格の有無にかかわらず、全ての人に等しく保障されなくてはならない。
 ところが、日本政府は、退去強制事由に該当する疑いさえあれば、逃亡の危険等、収容の必要性がない場合であっても、人身の自由を奪う収容が可能であるという「全件収容主義」という考えを一貫してとってきた。これは、外国人にも原則として人身の自由が保障されるという当然の考え方と相容れない解釈である。

  私たち弁護士は、このような全件収容主義に対して、真っ向から戦いを挑み、打破するための最善の努力を尽くすべきである。
 そこで、私たちは以下のとおりの弁護活動を実践することをここに誓う。
1 収容令書による収容をされている外国人については、収容令書発付処分取消訴訟及び収容令書の執行停止申立を行い、全件収容主義が誤りであること、収容が重大な損害であることを主張・立証する。
2 退去強制令書による収容をされている外国人については、退去強制令書の執行停止申立を行い、収容が重大な損害であることを主張・立証する。
3 仮放免不許可処分に対しては、取消訴訟を提起する。
4 仮放免申請後長期間結論が出ない場合には、義務付け訴訟を提起する。

 私たちは、これまで、全件収容主義に対して司法の場で十分に立ち向かっていかなかった自らの態度を反省し、現状を改善し、将来的には法改正に結びつけるための第一歩として、人身の自由を獲得するための最善の努力を行うことをここに誓う。
 私たちは、入管収容に携わるすべての日本の弁護士たちが、私たちに続き、上記実践を行うことを強く希望する。

2014年10月28日

発起人(50音順)
伊藤朝日太郎(第二東京) 石田真美(兵庫県) 浦城知子(東京)
大坂恭子(愛知県)  大橋毅(東京)  鬼束忠則(第二東京)
金竜介(東京) 児玉晃一(東京) 駒井知会(東京)
関聡介(東京) 空野佳弘(大阪) 高橋ひろみ(第一東京)
田島浩(東京) 難波満(東京) 本多貞雅(東京) 宮内博史(東
京) 山口元一(第二東京) 渡邉彰悟(第一東京)