あなたは、薬物療法信奉者??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、当ブログで、以下の疾患についての基本的な考え方を述べてきました。


片頭痛・・慢性頭痛
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707523368.html


糖尿病
医者は口にできない 病院治療で糖尿病がよくならない本当の理由(わけ)   後藤 日出夫 健康ジャーナル社


うつ病、パニック障害
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12720518931.html


動脈硬化   脳梗塞
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12721434918.html


認知症
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12723228526.html


 そして、平成20年から行われている特定健診の問題点について述べ、今後の考え方を述べました。


 ”メタボ検診”って、結局 な~に??
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12714711107.html

難病とされる”病”へ、どう対処するか??
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12707905025.html

 

 


 基調講演
    病気の原因の90%が活性酸素

      https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12719933280.html


病気の原因の90%が活性酸素

 

 活性酸素に関しては今から50年以上前に米国の生化学者フリードビッヒ博士によって解明され、その後世界各国で研究が行われてきました。
  その結果、人が罹るあらゆる病気に活性酸素が関与していることが明白になりました。 今や病気の90%は活性酸素が原因だということが判明したのです。それでは残りの10%は何かといいますと、風邪やエイズ、また最近増えてきている結核などの菌が体内に入っておこる病気、すなわち感染症です。

 人は呼吸することによって空気中から酸素を取り入れています。そして細胞はその酸素を使って栄養分を分解し、生きていくためのエネルギーを作り出しているのです。ところが、この過程で吸った酸素の2~3%が体内で電子の欠けた悪い酸素になります。これが「活性酸素(フリーラジカル)」といわれている酸素なのです。

 活性酸素のイメージとしてはなにか生き生きとした元気のよい酸素と思われるでしょう。ところが大変攻撃的な性格の激しい酸素なのです。そして正常な酸素から電子を奪い取ります。するとこの奪い取られた酸素もまた活性酸素になってしまい、他の正常な酸素を攻撃し電子を奪い取りにいくのです。こうしてどんどん連鎖反応をおこして活性酸素が一気に増えていくのです。

 
私たちの体は約60兆個の細胞で出来ている


 私たちの体は約60兆個の細胞で出来ています。髪の毛も皮膚も血管もそしてあらゆる臓器が、一つ一つの細胞から成り立っているのです。ですから健康であるということは、この細胞一つ一つが元気であるということなのです。活性酸素はこの細胞に攻撃をしかけ、細胞を酸化させてしまいます。この細胞が酸化させられることによって、老化や癌、動脈硬化などの生活習慣病が引き起こされるのです。

 あらゆる臓器が細胞の集合によって構成されているのですから、もしも仮に皮膚の細胞が酸化されたとすると皮膚の病気になるということです。同じことが目、胃、腎臓、脳等におこれば各々の病気になるということです。

 酸化されるということがどういうことかといえば、例えば、りんごを半分に切ってしばらく放っておくと、切り口が赤茶色に変色します。または、鉄クギは半年、1年するとしだいに赤く錆びついてきます。こういう状態が我々の体内で起こっているということです。

 ところで、人が老いることを老化していくと一般的には捉えられていますが、年を一年一年積み重ねることが果たして老いるということでしょうか? そうではなくて実は血管が老化することなのです。この血管が老化していくことに活性酸素が深く関わっているのです。活性酸素によって血管が酸化され硬くなり、脆くなる。しかも、活性酸素によって酸化されたコレステロールや中性脂肪がたまって血管を狭くしてしまうのです。
  そこを血栓(血の塊)が詰まれば一巻の終わりです。心臓の動脈が詰まれば狭心症や心筋梗塞を引き起こします。また、脳で動脈が詰まれば脳梗塞であり、血管が破れれば脳溢血です。

 このような血管が老化するという現象は中高年に多く見うけられましたが、昨今は、若い世代でも活性酸素を体の中にたくさん作るような生活が習慣化されて、早くから血管が老化しているのです。従って、20代30代で既に40代50代の血管になっている若者が、非常に増加しているのです。まさに老化がこの世代から始まっているのです。

 このことから現在、日本は長寿社会かもしれませんが、これから先10年もすれば日本の平均寿命は70代に下がっているかもしれないと予測されるのです。


活性酸素はどのような仕組みで発生するか


 さて、いったい活性酸素とはどのような仕組みで発生するのでしょうか?
  これを説明するためには、どうしても化学構造を持ち出さねばなりません。少し学生に戻って科学の授業で習ったことを思い出してみましょう。
  酸素分子(O2)は酸素原子である(O)が2個結びついて1個の酸素分子を形成しています。

 この酸素原子(O)は、その中心に1個の原子核があって、その周りを8個の電子が回っています。酸素原子の場合は電子の軌道が2つあり、この8個の電子は内側の軌道に2個、外側の軌道に6個が回っているという構造になっています。
  普通、電子は2個がペアになって存在しており、それが最も安定的な形だとされています。ところが、酸素原子の外側の軌道を回る6個の電子のうちの2個だけはペアになる相手を持っていないのです。そこで同じようにペアとなる相手を探している他の酸素原子の外側の2個の電子とくっついて2つの酸素原子が結びつき酸素分子(O2)となって安定するのです。

ところが、なにかのはずみで、くっつくことが出来ない、ペアの組めない電子(不対電子)ができるのです。そしてなんとかペアの相手を見つけて安定しようとします。そのために、他の物質の分子から電子を掠奪しようと襲いかかります。 これが活性酸素です。
  つまり、普通の酸素がなにかのはずみで、ペアとなる電子を欠き、掠奪者となった酸素が活性酸素なのです。この掠奪者のことを”フリーラジカル”といいます。

 一方、掠奪された側も活性酸素となって他の分子を襲って電子を掠奪します。するとまた掠奪された分子が他の分子から電子を奪い取ります。こうして、次から次へと連鎖反応をおこしていくのです。この電子が奪われていくことを”酸化”と呼び、逆に電子を奪って安定することを”還元”と呼んでいます。

 つまり、このフリーラジカルが他の分子から電子を奪いとることにより、その分子は「酸化」してしまうのです。酸化するということは、金属の腐食や食べ物が腐ることと同じ意味です。そして酸化が進めば、鉄がサビつくように細胞をサビつかせるのです。

 そしてこの”活性酸素”は非常に過激で酸素力が強烈なのです。この強烈な酸化力を持って、体内の細胞を次から次へと酸化していくのです。この超酸化力によって私たちの体内にある血管や臓器がボロボロになっていくのです。


こうして活性酸素は細胞を攻撃する


 人は空気を吸って、体内に酸素を取り入れています。その酸素を使って食物を体内で代謝させることによってエネルギーをつくり出しているのです。その役割を果たしているのが細胞内のミトコンドリアです。
  ミトコンドリアが酸素の新陳代謝によりエネルギーを作り出すときに、酸素の一部が活性酸素になります。

 私達の体は60兆個の細胞から成り立っています。ですから、この一つ一つの細胞が酸素を使って栄養を代謝するたびに活性酸素を発生させているということになります。ということは、人間は生きている限り、活性酸素から逃れることはできないということです。
  では、どのようにして活性酸素は細胞を傷つけ病気を生みだしているのでしょうか?


細胞膜が活性酸素によって酸化される


 細胞は不飽和脂肪酸という脂肪の膜で覆われています。この細胞膜が活性酸素によって酸化され、有害物質である過酸化脂質にかわります。
  “酸化される”ということは、例えば、天ぷら油を使ったあとそのまま放っておくと、その油は日が経つにつれ、黄色く変色し、ボロボロになります。鉄クギを屋外へおいておくとやがて赤く錆びついてしまいます。これが過酸化脂質なのです。不飽和脂肪酸が空気中の酸素によって”酸化”して”過酸化脂質”になったというわけです。
  私達の体内においても、同じようなことが起こっています。活性酸素によって体内の細胞膜(不飽和脂肪酸)が過酸化脂質に変わると、それが血管の壁にこびりつき、やがては血管を狭くし、塞いでしまいます。私達は血液によって酸素や栄養が体の隅々まで運ばれているのです。ですから血管が塞がれてしまうと、供給不足になり、各細胞は衰えていきやがては死滅してしまいます。
  もちろん、酸化されるのは血管だけではありません。内蔵のあらゆる器官から皮膚にいたるまで活性酸素による酸化は体のすべてでおこるのです。

 

癌も活性酸素が原因で発生する


 細胞の外側を覆っている細胞膜が活性酸素によって過酸化脂質に変化することにより細胞膜自体が破壊されると、活性酸素が細胞内に侵入し核のある「DNA」に直接襲いかかります。「DNA」は人間を正常な体に構成するために一つ一つ作り上げるための、いわば遺伝子の基になるものです。この「DNA」が活性酸素によって狂わせられて、突然変異の遺伝子をつくり出してしまいます。
  この変異した細胞がガン細胞なのです。


 活性酸素がいかに私達の体を蝕んでいるかご理解頂けたかと思います。

 酸化は私達の気付かないところで常に起こっています。知らず知らずのうちに私達の体は酸化されているのです。そして、老化を促進させ、心筋梗塞、脳梗塞、癌などの生活習慣病を引き起こすのです。人間の体は60兆個の細胞で構成されています。従って胃を構成している細胞が酸化されれば胃の病気になるし、膵臓でおこれば膵臓の病気になり、皮膚でおこれば皮膚の病気になります。

 風邪のウイルスなどによる細菌感染でおこる病気以外はすべてこの活性酸素によっておこるのです。故に現代病の90%は活性酸素が原因であるということになるのです。

 

 「酸化ストレス・炎症体質」の形成過程

 

  ミトコンドリアの機能を悪化させる要因には、以下のようなものがあります。


  ミトコンドリアの機能を悪化させる要因(表1)。


 1.生活習慣の問題


   睡眠不足・・睡眠の重要性
    運動不足
    食べ過ぎ・過食
   早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
   薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬


 2.食事内容の問題


   マグネシウム不足
   必須脂肪酸の摂取のアンバランス 
   鉄不足
   野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
   食生活の欧米化・・腸内環境の悪化


 3.生活環境の問題


   活性酸素
    有害物質


 4.年齢的な問題


     女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下
  

 このような要因を改善・是正しておきませんと以下のようなことから「酸化ストレス・炎症体質」を形成し、慢性疾患の基盤となり、慢性病を引き起こす基盤になってきます。


 細胞内小器官である「ミトコンドリア」は私達に生きるエネルギーを与えてくれますが、反面、活性酸素を最も多く発生する細胞内小器官でもあります。
  ミトコンドリアを増やすと、体全体のエネルギー発生量を増やすことができます。ミトコンドリアを増やし、活性化させると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。
  しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。


身の回りの活性酸素を生み出す要因


 活性酸素は、「呼吸をする」、「食事を摂る」、「運動をする」など、ごく普通の生活をしているときにも発生します。酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で必ず発生するからです。そのほか、白血球が細菌を殺傷するとき、生理活性物質が作られるとき、有害物質(過酸化脂質、残留農薬、食品添加物、抗ガン剤、薬物全般、アルコール、タバコ、大気汚染物質など)を解毒するとき、止まっていた血液が再び流れ出すとき(再環流)、紫外線や電磁波(レントゲンなど)を受けたとき、強い精神的ストレスを受けたときなど、さまざまな要因により発生します。


「酸化ストレス」とは
 

 先程も述べましたように、ミトコンドリアが酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で活性酸素は必ず発生します。もちろん活性酸素が体の中で増える一方ですと、人間はたちまち死んでしまいます。
  そのため、私たちの体は活性酸素を取り除く手段を持っています。


 ただ、この手段では手に負えない量の活性酸素が発生したとき、活性酸素の発生が”活性酸素を取り除く手段(抗抗酸化物質)の能力”より常に優位な状態が、いわゆる「酸化ストレス」になります。


  「酸化ストレス・炎症体質」とは活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまう状態のことで、これらが原因で細胞が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまう状態・体質のことを言います。


 たくさんのミトコンドリアが余裕を持ってエネルギーをつくる態勢だと、活性酸素はそれほど問題になりませんが、少ないミトコンドリアが必死にフル回転でエネルギーを作ろうとすると、活性酸素がたくさん排出されてしまいます。


 ミトコンドリアは細胞のなかにある小さな器官で、糖と酸素を利用してエネルギーをつくり出す、いわばエンジンのような役割を果たしています。ところが、このミトコンドリアは、エネルギーを出すとき、同時に排気ガスのような「活性酸素」を発生させます。
  自動車に例えると分かりやすいと思います。ガソリンを使ってエンジンを動かしたら、排気ガスが出ます。同じように、ミトコンドリアも、エネルギーを作り出したら、排気ガスと同じようなものが出てしまうのです。それが、活性酸素です。
  例えば、360ccの軽自動車をブンブンふかしていたのではダメで、エンジンを大きくして(=ミトコンドリアを増やして)少ないガソリンで効率よくエネルギーを出し、排気ガス(活性酸素)の少ない良質なエンジンを積んでおくことが重要になってきます。
  生活環境の影響や年齢を重ねると、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下していきます。
  ガソリンばかり食ってあまりエネルギーが出ないような質の悪いエンジンになってしまうわけです。


 少量の活性酸素は有効に役立てられますが、活性酸素が増えてしまうと、害を及ぼします。

 「酸化ストレス・炎症体質」は、ぼろぼろに錆びた金属に例えられる、「錆び体質」と言われるものです。ほとんどの現代人が抱える、さまざまな慢性病や生活習慣病の根底にある慢性病の源となっているものです。
  冒頭で述べたように、現在では人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われています。


 「酸化ストレス・炎症体質」は長い間の生活習慣などにより起こり、特効薬を飲んだからといって直ぐに治るようなものではありませんし、特効薬などはありません。


  以上のように「酸化ストレス・炎症体質」とは、体の中から活性酸素がどんどん産生され、抗酸化作用が全く追いつかない状態で、いつも“腫れたり”、”痛みがでたり”、“熱がでたり”、”発赤したり”さらには、高血圧になったり、心臓や脳血管で血栓を起こしたり、コレステロール値が高くなったり、アレルギーになりやすかったり、風邪や癌などに罹りやすくなったり、頭痛を起こしやすくしたり、いろんな病気に罹りやすい”体質”のことです。


 この「酸化ストレス炎症体質」を基盤として、“内臓脂肪”の要因が加わると糖尿病に、生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”と片頭痛に、“脳内セロトニンが低下する”とうつ病やパニック障害に、“発ガン物質を摂れば”、ガンになり、”βアミロイドが蓄積すれば”、アルツハイマー病になってきます。
  このように、生活習慣病や慢性疾患と言われている病気の根底にあるのが「酸化ストレス・炎症体質」で、多くの場合「遺伝的体質」や「原因不明」という言葉で表現されているのが現状です。


 最近では、酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやタンパク質、脂質、糖質が酸化されていきますが、現在ではさまざまな病気において、これらの酸化ストレスにより変化した分子が、蓄積していることが分かってきました。
  例えば糖尿病では、酸化された糖とタンパク質が結合し、異常な糖化タンパク質が増えていることが分かっています。また、動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質(過酸化脂質)が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっています。
  さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したタンパク質などが蓄積していますし、酸化ストレスによって細胞が損傷を受けると、その細胞はやがてガン化します。
  このように、強い酸化ストレスにより酸化された生体内の分子は、さまざまな病気の原因となっている可能性があるのです。


「酸化ストレス・炎症体質」を改善させるためには・・


 「酸化ストレス・炎症体質」を形成させないことです。これが、最も大切な点です。
  そのためには、その根底にある次のような問題を解決する必要があります。


  1)毎日の食事とともに摂取される有害物質をとらない
   2)腸内環境を整える
    3)解毒(デトックス)および解毒代謝能力を向上させる
    4)生理活性物質(エイコサノイド)のバランスをよくする
    5)インスリン過剰分泌を起こさない

 
 当然のこととして、表1に対する対策も必要になってきます。

 

ヒトが老化し、病気になる根本原因

  …「糖化」と「酸化」を防ぐ


 長寿大国とよばれて久しい日本。しかし、認知症や寝たきり老人など長寿化に伴い様々な健康問題が顕著になっており、老後の人生に大きな不安を抱える人も少なくないでしょう。病気を予防し若々しく生きるためには、体内で起こる「酸化」と「糖化」をいかに防ぐかが重要です。


 血糖値が急激に上下する現象「血糖値スパイク」


 血糖値は食事や運動、排泄、緊張、休息、睡眠などにより、絶えず変化しています。血糖値の指標として一般的によく用いられるのは、空腹時血糖(FBS)とヘモグロビンA1c(HbA1c)です。空腹時血糖とは、早朝の食事前の血糖値です。ヘモグロビンA1cは、赤血球の色素であるヘモグロビンに糖(グルコース)が付着して起こす反応(糖化反応)のことで、ヘモグロビンの総数のうち、何パーセントが高血糖と付着したかを表わします。ただし、これは過去3ヵ月間の血糖値の平均値です。


 実は、この「平均」がくせものなのです。血糖値の高いときと低いときがあっても、平均をとればその中間になります。平均値だけでは、本当の血糖値の上がり下がりはわかりません。


 近年、血糖値には急激に上下する現象があることがわかってきました。落差が60mg/dl以上の場合、「血糖値スパイク」といいます。スパイクとは、「大きな釘」の意味で、急激に血糖値が上がり、その後、ストンと下がってしまう現象です。


 実は、こうした血糖値スパイクの方が多くいることもわかりました。問題なのは、血糖値が下がったときです。急に血糖値が下がりすぎると意識を失ったり、脳の機能が損なわれて植物状態になったり、最悪の場合には死に至ることもあります。


血糖値スパイクは「老化」や「生活習慣病」の大元


 ヒトが病気になったり老化する原因をご存知でしょうか。それは「糖化」と「酸化」の作用によるのです。


 糖化は、血糖値スパイクにより引き起こされます。糖化とは、身体を構成しているタンパク質が体温と血糖値の変化によって変性してしまうことです。いわば、身体のタンパク質が「コゲ」た状態です。


 そこに酸化が加わります。酸化とは、鼻から吸った酸素が代謝の過程で活性酸素に変わり、細胞やDNAを「サビ」させてしまう反応です。


 代謝とは生命を維持するための営みです。簡単に説明すると、私たちは呼吸によって鼻から酸素を取り入れます。肺のなかで酸素は赤血球のヘモグロビン(血色素)と結合して、全身をめぐり、各細胞に酸素を送り届けます。


 一方、口から入った食事は、消化吸収されて血液に入り、肝臓や筋肉のなかに貯め込まれます(ここでインスリンが作用します)。貯蔵された糖(グルコース)は、必要に応じて血液に入り、各細胞に届けられます。


 細胞のなかの工場であるミトコンドリアは、ブドウ糖を酸素と結合させて燃焼させ、TCAサイクル(クエン酸回路)を通して、細胞が直接使えるエネルギー源ATP(アデノシン3リン酸)をつくります。


 この代謝の副産物として活性酸素(O3)ができてしまいます(吸った酸素の5%)。この活性酸素が過剰になり、酸化を起こす要因になることを「酸化ストレス」といいます。 この酸化ストレスが細胞やDNAを「サビ」させます。

 活性酸素は身体に入ってきたウイルスや細菌を殺すといったよい働きもします。しかし、老化や生活習慣病の原因となったり、疼痛物質や疲労物質、ガン細胞のもとをつくるなどのよくない働きもいろいろとします。ちなみに、タバコはこうした酸化ストレスをつくる要素になります。


 私たちの身体には、グルタチオン(ホルモン)、ビリルビン(ヘモグロビンが代謝されてできたもの)など、抗酸化力を持つ物質が多種あります。また、野菜や果物などの食材には、抗酸化力のあるものが多々あります。これらが身体の免疫力などの自然治癒力を高めてくれます。


 健康を保ち、若々しさを保つためには、酸化ストレスと抗酸化力のバランスをとることが重要なのです。


動脈硬化や脳梗塞などのリスクを高める「糖化ストレス」


 糖(グルコース)は、私たちが生きてゆくために必須の物質です。しかし、血糖値スパイクのため、糖の代謝に異常が起こると、その一部が反応しやすいアルデヒド(R-CHO)となり(摂取した糖の0.1%)、体内のタンパク質を変性(コゲ)させてしまいます。これが「糖化ストレス」です。糖化ストレスは血管の壁を傷つけたり、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞を起こしやすくします。

 

 糖化ストレスには、段階があります。最終段階がAGEs(エイジス)という物質をつくり出すことです。私たちは、より早期の糖化ストレスを測定できる方法はないかと模索し、特殊な顕微鏡で血液を生きたまま観察することに成功しました。その結果、糖化の初期状態を見ることができるようになりました。
 

酸素を運べない「ドロドロ血液」が全身に及ぼす悪影響


 私たちの身体の血管のなかには、体内の細胞にくまなく酸素を運ぶためにたくさんの赤血球があります。この赤血球は骨髄で毎日2000億個つくられています。赤血球の寿命は約120日間で、その間に20?30万回ほど全身を循環して酸素を運んでいます。


 古くなった赤血球は脾臓(ひぞう)や肝臓などのマクロファージ(白血球の1種)に捕捉され、分解されて壊れてゆきます。ウンチや小水が黄色いのは、壊れた赤血球の残骸(ビリルビン)の色です。


 健常者の血液を見ると、赤血球は1個1個独立して血液中を流れています。しかし、糖化が起こると、本来はバラバラに存在している赤血球が変形したり、硬貨が連なったような形になる連銭形成(れんせんけいせい)を起したり、ついには、団塊化したりします。変形したり連銭形成した赤血球では、酸素を十分に運べません。

 
 私たちの身体は37兆もの体細胞でつくられており、血糖(グルコース、ブドウ糖)は、細胞のエネルギー源となります。細胞のミトコンドリアが、ブドウ糖(血糖)を酸素に結合させて(燃焼させて)、細胞が直接使えるエネルギー源ATP(アデノシン3リン酸)をつくります。いわば、ブドウ糖が原油なら、ATPはきれいなガソリンです。先述したように、これが生命を維持する代謝です。


 その作用に必要な酸素が赤血球によって運ばれなくてはたいへんなことになります。一般的にいう「血液ドロドロ」では、正しく酸素を運べません。すなわち、生きてはいけません。身体の免疫力や自然治癒力が衰え、さまざまな部位に不調をきたすようになります。その大きな原因は血糖値スパイクにあったのです。
 


「疲労物質=乳酸」はもう古い

 「疲れ」はどこから来るのか


 そもそも「疲れ」って何なのでしょうか? 疲れのメカニズムを解説します。


 近年、ストレスの過重蓄積による過労死やメンタルヘルスが問題視される中で、これらにいかに対処するかという気運が高まり、「疲労の科学」 が注目を集めています。しかし、「なかなか疲れが取れない」ことを理由に病院を受診しても、検査で原因が判明することはほとんどありません。検査で異常が見つからないことから、精神科や心療内科を受診する人もいます。しかし、そこでも疲れを説明できるような病気が見つからないことが往々にしてあります。そもそも「疲れ」って何なのでしょうか?どのようにして起こるのでしょうか? 疲れのメカニズムについて解説します。


■疲労には2種類ある


「疲れる」ということはヒトが生命活動をしていく上で必要なサインで、過剰な活動に よって疲弊したり病気になるのを防ぐための重要な症状なのです。


 疲れるサインを無視して働き続けたり体を酷使し続けると、過労死やうつ病、生活習慣病をはじめとする様々な病気が起こってしまいます。じつは、その「疲労」は、カラダとアタマを守るための機構として2種類に大別されます。


 一つはカラダの疲労、運動などによる肉体的な疲労「末梢性疲労」、もう一つは肉体的な限界に至る前に感じられる疲労「中枢性疲労」です。この2種類の疲れは表裏一体の関係にありますが、『今、自分がどちらの疲れを強く感じているのか』を自覚することで、その時有効な疲れの対処法が変わりますので、疲れを感じた時、まずこの2種類を意識するようにしましょう。


 それを踏まえた上で、疲労の原因が何かを解説したいと思います。


■「疲労物質=乳酸」はもう古い!?


 これまで「乳酸」が疲労の原因物質と考えられていましたが、近年の研究によりその考え方は過去のものになりつつあります。従来、乳酸は筋肉の中では疲労回復を遅らせると考えられてきました。血中に放出された乳酸は体内pHの低下(体液のバランスが酸性に傾く)を生じさせることに加え、乳酸が脳にも回り、これが筋肉疲労を脳に知らせているシグナルで、かつ脳の疲労の原因物質であるかのように極めて単純に考えられた時代もありました。


 しかし、乳酸は疲労を抑制するように働く、という従来と真逆の研究成果が注目を集めています。乳酸は運動により筋内から血中に放出されますが、筋肉や心臓に取り込まれ、エネルギー源として利用されることが判明しました。また、脳でも乳酸が神経細胞周囲の細胞によって作られますが、疲労の抑制やエネルギー物質として利用されることがわかってきたのです。


■末梢性疲労は「カラダの疲れ」!休息することで改善する


 末梢性疲労は「筋疲労」と「末梢神経性疲労」に大別されます。これらの疲労現象は、筋肉に存在するグリコーゲンなどのエネルギー源の枯渇、血液の恒常性の失調(一時的な血流不全など)、調整機能失調(神経筋伝達の遅延)などによって、筋が発揮できる力が減り、俊敏性や巧緻性も低下し、パフォーマンスが低下します。また、筋疲労に引き続いて起こる筋肉痛は、運動中に生じた筋肉の損傷後の炎症に伴う機械的刺激や化学的刺激によって起こり、さらにパフォーマンスが低下します。しかし、末梢性疲労は炎症の収束とともに回復するのが特徴で、十分な休息と栄養を取ることが末梢性疲労を解消するカギになります。


■中枢性疲労は「脳の疲れ」。解消にはストレスのフィルターを鍛えろ!


 一方、中枢性疲労は精神的(ココロ)な疲れで、「痛い」「寒い」などの"感覚"に近いものと言えます。疲労の度合いはカラダやアタマを酷使する量と比例せず、心理的な疲れであることを考えると、理解しやすいでしょう。例えば、スポーツでカラダを酷使した後であっても心地よさを感じることがある一方で、カラダは酷使していないのに長時間続く会議など、ストレスや緊張状態が続くことで、ぐったり疲れてしまうことがあります。このように「ストレスの感じ方」が中枢性疲労には重要になってきます。


 ストレスの処理は主に脳の「前頭前野」と呼ばれる場所で行われ、ここの処理能力はその日の体調やコンディションに影響を受けます。日によって疲れ方が異なるのは前頭前野の「ストレスのフィルター」としての能力が関係しているのです。この処理がうまくいかないと強い疲労や過労死などを生む原因となるのです。逆に、このフィルターを意識して鍛えることで中枢性疲労を改善することができるのです。


■脳の疲れと疲れに伴う症状は「酸化ストレス」が引き起こしていた


 前頭前野で処理されたストレス刺激が脳内で大きくなると、脳の活動が活発になり脳の酸素消費量が増大します。酸素がたくさん使われた後には、その副産物として大量の活性酸素、つまり酸化ストレスが産生されます。通常は酸化ストレスから細胞を守るシステムが働き、活性酸素は除去されますが、処理しきれないほどの酸化ストレスが産生されると、細胞がダメージを受け機能不全に陥ってしまいます。このダメージやストレス負荷が脳の各部位に伝わることで、疲れやだるさを感じたりカラダに異常が生じるのです。


■前頭前野:作業効率が落ちる、やる気がなくなる、寝られないなどの症状が現れます。これは疲労感を増悪させ、さらにストレスがかかるという負の連鎖に陥ります。


■大脳辺縁系:大脳辺縁系にストレス負荷が伝わると、ストレスから身を守るために自律神経、内分泌などを介してストレス反応を形成します。その結果、胃腸の不良、肩こり、頭痛、注意力低下、抑うつ感などが症状として現れます。


■脳内神経伝達:疲労感と脳内の「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質の枯渇は密接に関係しているとされます。脳細胞が酸化ストレスによりダメージを受けることでセロトニンが枯渇してしまい疲労感が増します。うつ病では、このセロトニンの低下がうつ状態の主因と考えられており、セロトニン神経伝達部位でのセロトニンを薬剤によって増やすとうつ状態が改善されることが知られています。


 疲労や精神的ストレスは脳内で活性酸素などの酸化ストレスを生む。前頭前野ではセロトニン分泌が低下し、抑うつ感、疲労感、意欲的か、作業効率低下などを生じさせる。大脳辺縁系では自律神経やホルモンバランスが崩れ、頭痛や肩こりなどの症状が生じる。酸化ストレスを解消するために免疫細胞から「インターフェロン」などの免疫物質が分泌されるが、これは酸化ストレスの処理だけでなく、脳内神経伝達物質である「セロトニン」の分泌も阻害し疲労感に拍車がかかる負の連鎖を生む。


 それだけではありません。酸化ストレスが発生すると、それから体を守ろうとする免疫機構が働きます。例えば、免疫物質の「インターフェロン」は上述のセロトニン分泌を弱めてしまうことがわかっています。B型肝炎、C型肝炎の治療などで用いられた「インターフェロン治療」の代表的な副作用が「うつ病」であったことは多くの人が知るところです。インターフェロンはカラダを守る物質として有益ですが、疲労感やうつ病の原因にもなるのです。


 以上、疲労のメカニズムについて解説しました。日常であなたが「疲れた」と感じるのはカラダの疲れでしょうか?脳の疲れでしょうか?まずは、この違いを意識しましょう。それぞれ、疲れを感じるメカニズムは異なりますし、それに応じた対処法も異なります。さて、どのように対処するのがいいのか、次回解説することにします。


酸化ストレスがうつ病に関係している?


 うつ病は現在、研究中の疾患であり精神疾患として原因はまだ解明されていません。

 症状として、多くは不眠や仮眠、集中力の低下、思考力の減退などがみられます。その他にも、うつ病がいろんな疾患につながる可能性が高いと考えられています。


 現在、研究が進んでいく中で様々な仮説が出てきています。脳の疾患や心理学的なアプローチからメンタル的なストレスが原因とする場合、アルコールや薬物が原因であるという場合なども出てきています。しかし原因が解明されてないため、現在、薬物療法や認知行動療法、運動療法など様々な治療法がとられています。


 実際に、うつ病を診ておられる病院があります。そちらは、食事指導でうつ病を改善している有名な病院なのですが、食事指導の中でも「糖質制限」を行い、糖質による酸化ストレスを抑えています。そして酸化ストレスを抑えることによって、脳の中の炎症性物質と酸化ストレス物質を下げうつ病の改善に成功しているという結果が出ています。


    プロテインがなぜ、有用なのか?
     
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12703604597.html


酸化ストレスとうつ病


 うつ病だから酸化ストレスが上がるのか、酸化ストレスが上がっているからうつ病になってしまうのか、どちらが先なのかは解明されていませんが糖質制限をして酸化ストレスを下げることによってうつ病が改善されるという人は存在します。


それを考えると酸化ストレスとうつ病は関係があると考えられます。


精神的なストレスと酸化ストレス


 うつ病の要因のひとつとして考えられている「社会的ストレス」について、日常的にストレスの多い生活をしているとうつ病になってしまう可能性が高まるといわれています。


 うつ病と酸化ストレスが関係があるのであればメンタル的なストレスも酸化ストレスと関係があるのでしょうか?

 実は、メンタル的なストレスは酸化ストレスを上げてしまいます。仕事や家庭などのストレスが高まっていると、酸化ストレスも上がってしまうのです。


 実は、うつ病と酸化ストレスの関係と同じで、メンタル的なストレスが高まっているから、酸化ストレスが上がるのか。酸化ストレスが上がっているから、メンタル的なストレスが高まるのか。は解明されていません。

 しかし、酸化ストレスとの関係があるのは明らかになっています。


 生活をしていく上で、日常的なストレスを避け続けることは難しいですが、酸化ストレスが上がると老化や疾患につながることを考え、少しでも酸化ストレスを下げる生活を心掛けていただければと思います。

 

 

 

 

 この講演を記載した理由は、先日の大阪市の雑居ビルの放火殺人事件の際に、被害に遭ったクリニックの院長を患者さんから慕われ”よい医師”として、あたかも穢れ無きイエス・キリストのような聖人君子のようにマスコミに終始報道され、私にとって極めて違和感を覚えました。そうしたなかで、現代医療のあり方として、うつ病・パニック障害の診療方針の基本について言及しました。その結論として、患者さんの言いなりに迎合することが、正しい、”よい医師としてのあり方”なのかという疑問を呈しました。
 さらに、うつ病・パニック障害が、”障害者なのか?”という疑問でした。
 このように、医師と患者の基本的な関係そのものに対する考え方でした。


 今回は、うつ病・パニック障害との関連で述べましたが、「頭痛」に関してもまったく同様のことが言えます。まだ、頭痛の方が酷いのではないでしょうか?
 頭痛の専門家の言うようにしていて、頭痛が治らない理由はここにあります。
 こういう機会も二度とあるものではありませんので、よく考えてみて下さい。


 このような基本的な考え方が食い違う原因はクスリにあります。専門家は、クスリがすべてです。片頭痛には、トリプタン製剤が、糖尿病には血糖降下剤が、動脈硬化には、アルテプラーゼが、うつ病には抗うつ薬が、認知症にはアリセプトがあります。
 アリセプトが販売になった際、当時高名な精神科医は、アリセプトと長谷川式簡易痴呆検査がなければ、認知症はここまで増加しなかったと述懐されていたのが、未だに忘れることができません。


 現在では、ミトコンドリアを治すものが”病気を制する!”とされています。
 この事実は、医学界では何十年もタブーとされてきました。
 オットー・ウォーバーグが”ワールブルグ効果”を発表した時には、この事実がわかったのですが、製薬会社や医者の利益を守る為に封印されてきました。
  医学界が、この封印を解いて、この事実を公表する可能性は極めて低いものと思われます。
  これからも色々な病名をデッチ上げて、病気の根本原因をわかりにくくさせるものと思われます。


 医者が「病気の原因を明かしてはならない」という掟に縛られた存在であるとすれば、片頭痛の専門家が、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成する「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準(教義・教典)としていることから、片頭痛と緊張型頭痛は本来脳のなかに異常のない頭痛とされていたものが、最近の専門家の考えでは、片頭痛は緊張型頭痛とはまったく別の範疇の頭痛すなわち、中枢性疾患、「頭痛そのものが脳の病気」と考えるように至っていることが納得されるはずです。


 これを専門家達は頭痛研究の進歩と自画自賛されています。
 このようにして、益々、片頭痛の原因は明かされないようになっています。本来、緊張型頭痛も片頭痛も一連の連続したものでありながら、このように片頭痛と緊張型頭痛を別の範疇の頭痛と考えたことから、片頭痛の原因が分からなくなってしまっています。


 こうして、専門家は片頭痛の原因を明らかにしてはならないという掟を忠実に厳守していることになります。


 そして、学会の場では、片頭痛の本質論を論ずるような研究発表が行われることがない最大の理由になっています。