一般開業医からみた慢性頭痛 その13 片頭痛の慢性化 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 このシリーズで決して省略してはならない項目は「片頭痛の慢性化」です。

 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪するとされています。片頭痛は機能性頭痛とされ、治まれば何ともないはずです。
 これが、なぜ慢性化して専門医の頭ですら悩まさせるのでしょうか?

 この原因について論議する際に、頭痛専門医は、必ずといってよい位に「国際頭痛分類 第3版 β版」の診断基準をもとに、慢性片頭痛と薬剤乱用頭痛の診断基準についての論議に終始します。まず、どのように定義されているかを、その原因を論ずることなく、延々と定義の仕方を述べられます。そして、昨年のHMSJ-Osaka では、慢性片頭痛の2大リスクファクターとして、”頭痛頻度の増加”と”薬物乱用”を挙げ、薬物乱用の背景に、うつ状態、パニック障害、肥満、睡眠時無呼吸症候群、ストレス、コーヒーの飲み過ぎが存在するとされます。これらの背景のうち「コーヒーの飲み過ぎ」を除いたものは、いずれも「脳内セロトニンの低下」によるものでありながら、このような観点からでなく、それぞれを薬物もしくは”それぞれの対策”で是正すべきとされます。そして、問題は”頭痛頻度の増加”です。この原因として、頭痛発作時に「市販の鎮痛薬もしくは一般の鎮痛薬」の服用にあるとされ、その最大の原因は、”一般開業医の無知のために、頭痛発作時に、トリプタン製剤を処方しないことにあり、これによって慢性片頭痛が作られる”ということです。この対策として、「一般開業医の啓蒙が必要である」と、いつものように指摘されます。この点については以前にも記事にしました。http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11945191734.html
 この点の指摘に対して、このシリーズとして、繰り返して述べる必要があります。


 本当に、こうした要因は、果たして、一般開業医の無知によるものなのでしょうか?


 まず、”開業医の無知のために、慢性片頭痛が作られる”という点です。

 私は、決して、このような見解は全く、納得しかねる点です。
 私は、「頭痛専門医」が金科玉条のものとして遵守される「国際頭痛分類 第3版 β版」に、この根源があると考えております。
 と言いますのは、前兆のある片頭痛であれば最初の1回目でも(基準では2回目とされますが)、片頭痛の診断は可能ですが、問題は、前兆のない片頭痛の診断を下す場合です。この場合、「国際頭痛分類 第3版 β版」では、5回同様の頭痛発作を繰り返して初めて「片頭痛」の診断が下されるように決められております。ということは、最初に頭痛が起きた場合、中には、余りにも頭痛の激しさのあまり、救急で医療機関を受診される場合もあります。ところがCTなどの画像診断で異常所見はないはずですから、当然、対症的に鎮痛薬を処方され追い返されます。ところが、いずれまた再度、頭痛発作が起きてきます。そして、また激しい頭痛であれば、また救急で受診され、また画像検査を繰り返されますが、異常がないわけですから、また追い返されます。このように、2度目も起きれば、当然「片頭痛の疑い」とでも一言本人に言えばすむことですが、何も言わずれずにまた追い返されるのが殆どです。(多くの場合、他の救急医療機関を受診されるためです)
 このようなことを繰り返すうちに、本人は「2,3日もすれば治まる」ということを本人が”学習”します。この「2,3日間」が耐えられなければ鎮痛薬を服用されます。
 このような方々は、それ以降、頭痛発作に見舞われても「医療機関を受診しても、高い画像検査をされるだけで、恐らく異常なし」と言われ追い返されるに違いないと判断し、毎回、鎮痛薬で我慢することになります。このような方々には、周囲に同じように頭痛を訴えておられる方も多く、このような方々は、殆ど鎮痛薬で我慢されるのを観察されておられるわけで、これを見習って鎮痛薬を服用しつつ、痛みを耐えることになり、鎮痛薬の服用回数などは気にされることはまず、ありません。このようにして、市販の鎮痛薬が効かなくなって初めて医療機関を受診するといった構図になっています。
 また、別の場合は、頭痛の初発した段階で医療機関を受診され、画像検査をされ「異常なし」とただそれだけで追い返されます。再度、発作が起きても、また検査をされ、また追い返されます。このようなことが繰り返された場合、患者さんはどのように考えるでしょうか? 受診しても医者からは、何の説明もなく「ただ、異常なし」と突き放された場合、医師は「自分の痛み(苦しみ)」を理解してくれず、このため周囲からも冷たい目で見られることになり、本人は絶望感しかありません。このため、5回目の片頭痛と診断されるべき時点では、もう医療機関は信用されず、自分で「ただ、ひたすらに、痛み」を耐えるか、市販の鎮痛薬しか頼らなくなってしまい、挙げ句の果ては「薬物乱用頭痛」に追い込んでいくことになってしまいます。少なくとも、最初の発作時に、片頭痛の疑いとして、頸椎レントゲン検査でストレートネックの確認を行い、「ミトコンドリアの機能の改善」「セロトニン生活の励行」と「ストレートネックの改善」に努めさせれば、片頭痛はなくなってしまい、薬物乱用頭痛までには至らず、当然慢性片頭痛となることはないはずです。
 しかし、このような配慮がなされず、大半は、このような経過を辿って「薬物乱用頭痛」へと移行してしまっております。最大の問題点は、このような視点が、現在の「頭痛専門医」にはないということです。このような「自覚」が全くない方々が「一般開業医」を責める資格があるのでしょうか。これは、どなたの責任なのでしょうか? 本当に、開業医の責任なのでしょうか?
 こういった点は、「頭痛専門医」が、救急を担当される医師に啓蒙すべき事項ではないでしょうか? 向ける矛先が違うように思われますが・・・。啓蒙すべき対象が的外れとしか言えません。この点は過去を振り返って、厳粛に反省すべきと考えます。

 頭痛専門医の方々には、片頭痛をどのように考え、どのようにして慢性片頭痛、もしくは薬物乱用頭痛に至るのかという”ストーリー”に全く欠けている点です。
 少なくとも「頭痛専門医」と称されるからには、自分独自の「片頭痛に対する考え」があって然るべきと考えます。ただ、症候論に終始するとすれば、ただの”素人”と全く変わらないと考えますが、このあたりはどうなのでしようか?ここが最大の疑問です。この点は、「国際頭痛分類」に拘っておられる点が、全てを物語っております。


 私は、これまで当ブログで申し上げている通りに、片頭痛は「ミトコンドリア働きの悪さ」が基本的に存在すると述べて参りました。このため当然セロトニン神経系の働きを悪くさせ、脳内セロトニンの低下を招いてきます。
 このセロトニン不足のため「体の歪み」を引き起こし、これがストレートネックを形成させる原因となってきます。このストレートネックが長期間持続することによって、以下のような病態が引き起こされてきます。


ストレートネック→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓                 ↓
↓       脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓                 ↓
↓       中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
↓                 ↓
↓       脳の過敏性、頭痛の慢性化

自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頚性神経筋症候群
                              (慢性頭痛)

 このようなストレートネックの存在すら全く念頭になくこのために片頭痛を慢性化させる原因となっています。


 そして基本的な病態として「ミトコンドリアの機能障害」があります。このミトコンドリアの働きは、まず薬剤の影響があります。アスピリンを含む鎮痛薬を長期間服用したり、安易に抗生物質を服用したり、さらに予防薬として使用される抗てんかん薬のデパケンの長期間の服用により「ミトコンドリアの働き」を悪化させることになります。
 また、こうした薬剤(トリプタン製剤も含め)全ては本来人体にとっては異物です。この異物を代謝する過程では、必ず、活性酸素が異常に産生されることになり、これが「ミトコンドリアの働き」を悪化させることになります。
 また食事の面では、牛乳の飲み過ぎ、砂糖の摂取過多、食品添加物といった諸々の食品の摂りかたの問題からマグネシウム不足が引き起こされ、このマグネシウム不足がミトコンドリアの機能を悪化させ、さらに「脂肪の摂取の問題」により、ミトコンドリアの機能を悪化させます。
 さらに、環境汚染の問題から有害物質を知らないうちに摂取することによって、ミトコンドリアの機能を悪化させることにつながってきます。
 このような諸々の条件を考慮しなければ、生まれつき存在する「ミトコンドリアの機能障害」が益々悪化の一途を辿ってくることになり、これも慢性化の一因になってきます。


 市販の鎮痛薬やトリプタン製剤を服用しすぎますと、これが「化学的ストレス」となって、さらにこれが「脳内セロトニン不足」を助長することとなり、このために「痛みを感じやすくなり」結果として「薬物乱用頭痛」から「慢性片頭痛」を作ってきます。
 この「セロトニン神経系の悪化」の要因としては、朝晩の逆転した不規則な生活習慣や運動不足も影響があります。さらに、ストレスの多い生活は、直接セロトニン神経系を悪化させます。
 そして、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば益々「脳内セロトニンが低下」することになります。
 また、食品中の「有害物質」が体内に長く蓄積することによって、これが、また「化学的ストレス」となって、脳内セロトニン不足を引き起こして、これも慢性化の要因ともなります。頭痛専門医には、このような有害物質を排除する方法としての「デトックス」という考え方が全く存在せず、このために、慢性片頭痛の治療上難渋しています。


 頭痛専門医には、こうした以上述べましたような「ミトコンドリア」「セロトニン神経系全体からの視点」「体の歪み(ストレートネック)」といった基本的な視点が全く存在しないために、慢性化した片頭痛に対して、原因薬剤となった”市販の鎮痛薬の服用”を中止させた上で、予防薬の投与をすべきとされます。しかし、このような「予防薬」だけで軽快するのであれば、どなたも苦労しないと考えます。現に、頭痛専門医ですら、このような状態に至った方々の治療には難渋される現実が存在します。これほど、頭痛専門医の”頭”を痛ませるほど一筋縄でいかないのが、この”慢性化した片頭痛”です。
 このように片頭痛が慢性化してしまいますと、医師も患者さんも頭を悩めてしまいます。


 しかし、頭痛医療の世界にも救世主と言われるべき先生が出現されました。その先生の提唱される方式をご紹介します。これは、以前にも記事にしたものです。まず、その効果の程をお示し致します。


◎健康ファイル片頭痛が日に日によくなっていきます40 歳代後半女性

「私は若い頃から片頭痛持ちで、子どもが生まれてからさらに悪くなりました。朝は主人の朝食作りのために起きるのですが、作るとすぐに横になっていました。昼も寝てばかり。
寝ないと夕食を作ることさえできなかったのです。
寒い日、雨の日、季節の変わり目など、ほぼ毎日病院で処方された発作止めを飲んでいました。激しい頭痛と嘔吐を起こすので、たまに体調がよいからと気晴らしに外に出かけるときでも、薬が手放せませんでした。
お風呂に入ると発作が起きるので、ここ数十年お風呂に入ったことがなく、いつもシャワーで済ましていました。かつての主治医は、「温い湯で入浴をし、体を癒すべきだ」、「軽 い運動をしなさい!」というのですが、それができないから苦労しているのがまったくわかってもらえませんでした。
冷え性もひどく、手や足の先だけでなく、太ももや二の腕までもが極端に冷たくなってしまいます。夏でも二の腕に使い捨てカイロを貼りますが、温かくなることはなく、腕は熱のため黒ずんでしまい、まったく腕を出すことができません。
大学病院では徹底的に検査して頂くために入院しましたが、あまりのつらさに先生と口論になったこともあります。結局、何の改善策も見つかりませんでした。でも一番つらかったのは、主人から「特に異常もないし、たかが頭痛くらいで大げさだ。甘えるな!」と言われたことです。悔しくて悲しくて涙が出ました。
そんなとき、この「万能健康ジュース」のことを知りました。半信半疑でしたが、飲み始めて数日も経たないうちに、血液が体を流れ始めるのが実感できたのには本当に驚きました。そして1週間もすると、朝もすぐに起きられるようになり、苦もなく朝食が作れるようになったのです。
 こんな経験は初めてでしたので、「万能健康ジュース」だけではなく、先生のアドバイ ス通りに生活習慣全般を見直すようにしたところ、1ヵ月もすると薬を飲む回数が週に一回程度にまで減りました。それ以前は、月に20 ~ 25 日は飲んでいたのです。昼に寝ることもなくなり、いろいろとやる気も起きてきて、昔よく作っていたケーキを焼いて主人に喜ばれたり、天気の日には近くを散歩したりするようにもなりました。でも、急に寒くなったり、運動をし過ぎたりしたときにはまだ薬が必要です。
先生に教えていただいた、ビタミンB2のサプリメント(含有量の多いもの)をアメリカから取り寄せて2週間ほど続けましたが、これは特に大きな変化はありませんでした。
その後、マグネシウムを1日400ミリグラムとるとよいとお聞きしたので、試してみました。発作の前には肩がガチガチに固まってしまう感じがするのですが、マグネシウム水溶液を飲むと、首の付け根あたりから肩にかけて、温かい血液が流れていくのがはっきり実感できるのには驚きました。それからは、食事のたびにマグネシウムをとっています。
また、常時マグネシウム濃縮液(50 ミリグラム/ cc)を小瓶に入れて携帯し、もし肩が こってきたら(発作の前触れです)、薬の代わりに小さじ一杯分を飲料水に溶かして飲んでいます。
 いろいろな生活習慣の改善も影響していると思うのですが、「万能健康ジュース」と「マグネシウム」の効果は衝撃的でした。私と同じように苦しんでいる人は、ぜひ一度試してみてほしいと思います。」
 この方は、その後ヨガを始められ、テニスボールマッサージを続け、今では薬はほとんど必要なくなったとのことです。
私にとって、この方で一番印象に強く残っている言葉は、「私がこんなに陽気な性格だということを、今まで知りませんでした!」ということと、「体が冷えているときに、お風呂に入るとまさに天国ですね!」ということでした。血色も良くなり、実年齢よりも10歳は若く見られるようになったとのことです。

 これは、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が提唱される方式です。この詳しい記事は、これまでも以下の記事で御紹介申し上げました。


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946595367.html


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946598705.html

  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946631528.html

  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946637380.html


 こうしたことから、現時点で、片頭痛が慢性化して難渋されておられる方々は是非とも参考にすべきと思っております。


 以上のように、この片頭痛の慢性化にしても、一般開業医のみかたは根本的に異なっていることが理解されたことと思います。