道場生からの質問

疋田一直です。

私は福岡県嘉麻市の山中で生活しながら、武道と整体を通じて、みなさんがより良い人生が送れるよう、お手伝いをしております。日々の気付きをブログに綴っております。みなさん、いつも読んでいただき、ありがとうございます。

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先日、道場生からとても良い質問があった。

整体に行って身体を調整してもらって、稽古に臨んだ方がよいのでしょうかという質問だ。

それはズルなのでしょうかとも言われた。

これはいくつもの要素をはらんでいる問いだ。

私の答えは、行ってもいいし行かなくてもいいだ。

どちらでもよい。

どちらにしても、結果、良い面と悪い面が出てくる。

問題はどちらにしても、自分がそれをどれだけ検証できるかという点だ。

上手になるとはいろんなものの見方ができるようになることだと私は思う。

視点が増えることだ。

仮に整体に通って、自分の身体の緊張が取れ、整っていれば、いろんなことに気が付きやすくはなるかもしれない。

痛みや緊張があれば、身体はバラバラかもしれない。

そんな状態で稽古するのと、そんな淀みに気を取られることなく、稽古するのと。

大きく違うだろう。

プロのアスリートは試合前に身体をトレーナーや治療家に調整してもらう。

それは自分でできないこと、自分には見えないものをプラスαとして、万全の状態にしてもらう行為だ。

プロは結果を出さねばならない。

結果を出すということが、上手ということなのかというと、それは違う。

自分に見えないことが見えるようになっていくことが上手になることだ。

結果ではない。

ずっと過程なのだ。

痛みや緊張は自分の身体が自分に教えてくれている身体の声だ。

それを他人任せにしてしまうと、その問題を自分で解決するという絶好の機会を失うということでもある。

どうして、その緊張があるのか。

どうして、自分の身体が整っていないのか。

人任せにすれば、それを考察する機会を失ってしまうのだ。

武道の基本は自分の身体を正しく扱うことだ。

自分で何とかするのが、遠回りなようで、最も上手になる早道だと思う。

長い間、何もわからず、もがき苦しむだろう。

長い間、何も上達せずに、もがき苦しむだろう。

もがき苦しめだ。

その遠回りが結局は早道となる。

早道などない。

私は人に身体を見てもらうということがない。

人に頼らないから、ここまで来たとも言える。

ただ、私の上達方法と人の上達方法は違うかもしれない。

私はこういう風に極端にやらなければ、進めなかったが、他の人は違うかもしれない。

他の人はバランスよくやれるかもしれない。

私は私がやってきたことしかお伝えできない。

だから、道場に学びに来たからと言って、その人が上手くなるわけではない。

私が伝える方法がその人にとっての上達方法であるかはわからない。

私はただヒントを与えるにすぎない。

だから、その人が道場に通うことも良いのか悪いのかと言えば、わからない。

どちらでもよいのだ。

来ても来なくても構わないなんて、こんなこと言う道場主はいないだろう。

自分で検証することが全てなのだ。

会社に行くこともそうだ。

何がよいのかはその人次第なのだ。

整体に行って、身体が整ったのなら、自分が一体どのような状態で、どのようなことをされて、どのように変化したのかを感じることだ。

それがわかるようになれば、整体に行く必要もなくなる。

武道とはまずは自分を知ることだ。

行ってもいいし、行かなくてもよい。

気になったり、行った方がよいと思うのであれば、行けばよい。

自分が気になることをやっていけばよい。

それだけだ。