色々書きたいことが
てんこ盛りだったのですが
今週風邪を引いて、
仕事以外はひたすら骨休め。
トイレ＆玄関掃除も
2日休んでしまった…。
いやあ、、
寝込んでるので仕方ないとはいえ、
掃除の大切さを痛感。
一気に風の通りが
悪くなっていくのがわかるのです。
でも、しんどくて
掃除はもちろん、
窓開ける気力もなく…。
先日観た、
映画「市子」の
市子の育った家を思い出したわ。
この映画、
2023年の私の映画館で観た
ベスト３に入ります。
決して、観て楽しい、
気持ちよい映画ではありませんが、
ぜひ観てほしい映画。
3年一緒に暮らしている恋人から
プロポーズされた市子(杉咲花)が、
翌日失踪してしまう。
恋人の長谷川(若葉竜也)は
必死で探すも
「市子」という存在自体が
この世には残ってない、
という事実を知る。
そこから時系列がそれぞれ代わり、
かつて、
市子と関わっていた人たちより
それぞれ見た市子が語られる。。
実は市子は無国籍の子でした。
父親のＤＶなどから
逃れるために存在自体を
国から認められないまま、
通常では考えられない、
体験をさせられ、
運命の渦に呑まれていく。
が、
なんとなく
想像はつく予想を
遥かに超える展開が
次から次へとで、
何度も息を呑む。
観ながら
市子のホロスコープを
ついつい考える…
どんなハードアスペクトを
持ってるのだろう…。
かといって、
彼女の境遇に涙するという
わけでもないのが、
この映画の
新しい視点というか
絶望とある種の
爽快感を
感じさせます。
(特に後半に向けて、
市子の生きることへの
貪欲さに圧倒されていく)
悲惨かつ、
八方塞がりのような状況の中で、
市子は、
「川辺市子」として
普通に生きていこうとする。
例え、それが周囲を傷つけ、
社会にとっては
好ましくない展開になり、
事件となって
彼女自身の運命をも
大きく運揺るがしていくことに
なったとしても。
杉咲花の
透明感やひたむきさが
この映画での市子として
切ないながら、
きらりと光ります。
映画で気になったのが
市子が育った家。
地域的に貧しい地域の中の
団地の中でも
市子の家は
際立って乱雑。
いわゆる
お汚屋とも違う、
単に整理整頓のレベルではなくて。
ただ息をするためだけ、
雨風凌ぐための家という感じ。
いや、もう息すら出来ないのでは？
と思うほど。
映画の中なのに
邪氣が漂って、
観てるこちらまで
行き場のない
閉塞感につぶされそうになる。
家族の誰も
部屋を整えるという気はないし、
それは自分に向き合うことも
人生に向き合うことも
すべて放棄しているのにも繋がる。
なんて表現していいのか、、
家自体が
緩慢な自殺への
カウントダウンのような
不気味さを感じる。
モノは溢れてるのに
生活感溢れそうなもの
なのに、
そこに暮らし、
が見えないのです。
市子を始め、
正直心から悪い人、というのは
いないのです。
でも
こうやって自分では
どうしようもない、
となった時、
人はまず希望を持てず
そして
関心を持たず、期待もせず、
もちろん未来も見えることもなく。
そしてだんだん心が鈍くなっていく。
まさに負の連鎖だなあと。
そんな中でも
市子は子どもの頃は
小鳥を飼ったり、
新聞配達の寮では
花を飾ったりと
なんとか
普通である自分になろうとする。
整える。
手入れする。
彼女が自分を生きるための
大切な根っこのように
思えました。
実際、彼女が
恋人、長谷川と暮らした
日々は
彼女にとって
初めて自分が未来に対して
根っこを張れる
希望だった。
だから余計に
普通を求めた先の
崩壊への疾走へのラストは
胸が痛かった。
映画を観た翌日。
いつも通りに
朝、玄関＆トイレ掃除をするときに
玄関とベランダを開けて旺氣が流れて
部屋全体を流れていくのを感じながら
市子も
この氣の流れを感じていたら、
また違った世界になったのかも、
と思ったら
ちょっと泣きそうに
なりました。
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