旅に疲れた人々よ、
  緑の母のこの胸に、
  心を癒しに帰りなさい。

  旅に迷った人々よ、
  澄んだ故郷の野の中に、
  濁った心を放ちなさい。

  旅に悩める人々よ、
  私達の住むこの里は、
  何の憂うこともない。


  あなたが誰であったのか、
  どこにどうして住んでたか、
  すべて忘れてしまいなさい。


  なぜならここは、
  誰も知らない里だから。


  名も何もない人々の、
  子供のように真白き心を、 
  灯りのような楽しい夢で、
  やさしく育む里だから。

 

 

 

 

 

 

 

    天川貴之

(JDR総合研究所・代表)