さよならの時間~プロローグ~
「恋って切ないものだったね。」
あなたが切り出した言葉、今も心の中に残っている。
始まりもあいまいだったから、終わりもあいまいだった気がする。
あなたと過ごした日々も、出会ったことも後悔無いけど、
神様が、たった一つだけ、願いをかなえてくれるなら、
もう一度、あなたに出会って、きれいに終わらせたいと思う。
私たちの恋が間違いなく本物だったということを、
信じるために。
「愛人が幸せだと思う?」
突然、親友のアイナが私にしゃべりかけてきた。
考えにふけっていた私は、突然の問いかけに固まった。
「幸せ??とは思わないよ。人のものをとってるわけだし。」
なんだか、アイナと顔を合わせずらく、コーヒーカップに目線を向けた。
「だよね。」
アイナは、何となく納得いかなげにうなずいた。
私は、苦笑いでコーヒーを一口飲んだ。
幸せか。
不幸か。
決して、幸せではなかった。
でも、あの時、彼女の立場になりたいとは思わなかった。
何も知らないで、彼を信じ,彼のメールを待つ彼女より
彼女の知らないとこで彼からの愛をもらい続けることのできる私の立場でいたかった。
たとえ、いつか終わる関係であっても。
私は、彼の涙も弱いところもずるいところもたくさん知ってる。
彼も、私の汚い部分をたくさん知ったはずだ。
私たちは、お互い最高の理解者になった。
だからこそ終わった。
いい時期だったと思う。
お互い大好きなまんま離れた。
きっと、お互いの心に永遠に刻み込まれるはずだ。
それは、誰よりも特別な存在で、これから出会う誰にも負けない存在になる。
彼のそのような存在になること。
それが、私にできる最後の悪あがき
そして、
一番になれなかった女のただの強がり。
「さつき大丈夫?」
アイナが私の顔を覗き込んだ。
頬に冷たい感覚があった。
知らずのうちに涙が流れていたようだ・・・。
「アイナに聞いてほしいことがある。」
私は、ゆっくりと口を開いた。