どうもー。今回はPIERROT解散直後にキリト、KOHTA、TAKEOの3人で結成したAngeloです。当時Angeloと言えばアンジェロ先生が思い浮かびましたが(笑)。電撃解散から1年を待たずして1stアルバムをドロップ。
正直1stシングルがピンと来ず、結成10年を超えた今も尚ちゃんと聴いていませんでした。最近キリトのYouTubeチャンネルをたまに見るので、ようやく聴いてみよう…と思った次第。
『REBIRTH OF NEWBORN BABY』
01.異境に咲く花 ★★★
妖しいメロディアスさとハードなシャウトが混ざり合う、ミディアムロック。サビのメロディアスさはさすが、キリトらしい安っぽくならないキャッチーさが良い。空間エフェクトも効果的。苦しそうなシャウトはちょっと気になる。
02.REBORN ★★☆
デビューシングル。音圧バリバリの轟音リフと奇妙なエフェクトサウンド。こちらもグルーヴィなミディアムテンポながら、癖のあるメロディが耳を惹く。憂いに満ちながら力強い楽曲はキリトらしい再スタートの切り方だなあ。
03.白昼夢 ★★☆
こちらも轟音リフ押しながら、ダンサブルなリズム。滑らかなベースが心地よい。サビもやはりポップだけど一癖あるコードとメロディ。盛り上がりそうで盛り上がりきらない独特のキリトメロディが爆発。もうちょっとギターアレンジに盛り上がりが欲しかった。
04.EASTER AGAIN ★★☆
引き続きタテノリダンサブルなロック。重厚かつキレのあるカッティングリフがかっこいい。よりPIERROTを思い起こさせるメロディ、「ゲルニカ」とか。中盤の盛り上がりとノイジーなギターソロも良いね。構成は「白昼夢」とあんまり変わりなく、冒頭からもテンポ感が似た感じになってしまってるなあ…。
05.HALLUCINATION ★★★
幻覚のタイトルの通り、儚げでおぼろげで、真っ白なアレンジ。優しいメロディが聴きやすいけど、サビではシリアスにテンポアップ。どことなくインディー時代の頃も思い出させる。序盤からお腹一杯になっていたところに絶妙の曲順、クリーンなアルペジオが美しい。
06.DARK SNOW ★★
「REBORN」c/w。こちらは多少ミディアムバラード寄り。音は相変わらず重厚なんですが。重苦しいメロディと、PIERROT解散を直接的に思わせる歌詞がマッチしてる。もうちょっと音に湿った質感が欲しかったな
07.WINTER MOON ★★☆
2ndシングル。初めて明るめのコード感で疾走、シンプルだけど高揚感あるメロディ。あまりにもシンプル過ぎる割にちょっと長め、もっとコンパクトでも良かったのでは。アレンジも面白みは少ない。
08.DANCE ★★★☆
タイトルから想像できるよりも重々しいヘヴィロック。歪んだBメロはクセになる。いわゆるサビらしいサビは無く、優雅さと毒気の共存する独特のメロディ。派手過ぎないアレンジと、ノイズを巧みに操るギターが良い。
09.MORE PAIN ★★☆
タイトなリフのグルーヴィな楽曲。幾分メロディアスなもののやはり同系統。じっくりと熱を上げて、ラストのワンフレーズですべて放出する手法は実にキリトらしい。
10.HOLOCAUST ★★★☆
不穏な加工シャウトで始まるも、意外とノリが良いダンスヘヴィロック。キャッチーながら一癖も二癖もあるサビが気持ち良いな!曲調のわりにリズム隊が大人しいのが勿体ない。ノイズギターは相変わらず大活躍なんですが、ソロもストレートな速弾きがかっこいい。
11.SCRAP ★★
勢いそのまま、よりパワフルなハードロック。ダークなフレージングや吐き捨てシャウトはV系らしいか。グルーヴィさを押し出すサビは少し肩透かしかも。
12.SQUALL ★★
こちらもかなりシンプルな王道ハードロック。キャッチーさはなく癖のあるメロディで押す。あまり面白みも盛り上がりもなく…アウトロはライブの締めっぽいけど、全体的にラスト感もなにもなくアルバムを締める。キリトらしいけれど…。
タイトルは結果的PIERROTラストライブとなった大雨の野音のことだろうし、蜘蛛の意図なんてまんまな歌詞も登場。
総評 [お気に入り度★★/おすすめ度★☆]
全てキリト作詞作曲、後期PIERROTの方向性と変わりない、タイトなヘヴィリフが中心。ザ・キリトなメロディ満載なもののキャッチーさは殆どない。バラードらしい曲もなく、硬質で音圧もエッジもきつい楽曲が続くので聴き疲れる。それを覆すようなメロディも無い。
歌詞はもろにPIERROT解散を意識、アルバムタイトルからしてもう。ここまで引きずられても…とは思う。もちろん同一人物が歌詞を書いてるし、それだけ大きな出来事の直後なのは承知ですが。
当然、この面子での新バンド、気になるのはギターサウンド。当時のサポートTORUxxx氏はストレートでヘヴィな音作り、正統派で荒々しいフレージングが新鮮で、透明感あるアルペジオも披露。当時のキリトの方向性に合う人選ではありそう。ただ好みのフレーズはあまりなかったなあ。
長年タッグを組むリズム隊は特に変わらず。曲調がシンプルになった分そこまで目立たないですが相変わらずタイト。ベースはせっかくならもっと派手にいって欲しかったな。
「初期衝動にその身預けて」のフレーズがあるけれど、制作テーマもそうだったのだろうか。攻撃的で衝動的なロックに溢れているけど、もうちょっと楽曲の色味がわかれていれば。正直なところ可もなく不可もなくな楽曲が続き、ハードなのにインパクトが薄い。1曲1曲も決して短くはない、もっとコンパクトでも良かったと思うし、ラストのしまりの悪さも残念。メロディ云々というか好みのアレンジがなかったので2nd以降に期待…。
ベストソング / HOLOCAUST