Vegeta店主のぐだぐだ日記 -50ページ目

え!捨てるの?

2年前に 小松菜作りの名人の畑で 茄子やトマト ししとう マッカうりなどを 少しスペースを借りて育てた事がある

隣で 小松菜はもちろん 他のナッパも育てている

時たま 収穫している時間に 鉢合わせる

すると

小松菜を抜いては捨て 抜いては捨てているではないか

近寄って聞いてみる

「何が悪いの?」

すると

「虫が食べてるから!」との答え

言っては悪いが 八百屋歴25年の僕でさえ分からないくらいの穴なんだ

「こんなに捨てると採算合わないから 捨てる分 俺が買おうか?」と言うと

「そんな事 この近所に知れたら 笑われる」

「それに そんな事したら 自分で自分の首をしめているだけだから」

と言うんだ

名人ならではの こだわり なんだろう



拝啓 お父様の中で 倉本聰さんは こんなシナリオを書いていた

ほうれん草を選ぶなら 少し虫に食べられた方が 旨いんだ



畑を手伝ってくれてた義母も

「そっちが欲しい」なんて無責任に言ったみたいだ


みんなは どう思うだろう


市場では そんな捨てているような小松菜も並んでいる

セリの話は また今度話すが

僕は 名人の小松菜を高く買ってあげているつもりだが

結果的に 一箱(10束入り)で100円の差もない時がある

僕は 価値のある小松菜を安く仕入できたのだから 嬉しいはずなのに 悲しくなる

このblogを書き始めたのは こういう不条理も なんとか解決したいと思ったからだ


もちろん 名人の考えも変えて貰わねばならないが

いい物は いい価格で買って貰いたいし 捨てるなんて 勿体ない
惣菜でも漬物でもなんとでもなる


分かって貰えるかな?


正直者がバカを見たらダメなんだ

そんな人を応援できるお店がしたい

本気で思ってる



ちなみに

こんな話を 農家さんに近づく度に聞くと

食料自給率が低いと言うが 流通の最初である農家でも こんな無駄があるんだ

それは 野菜を工業製品みたいに

こうでなければならないと思わせてしまった八百屋さんの責任かも知れないと思ってる

反省!



こんな話を聞いて

その小松菜欲しい!

なんて言ってくれる人いるかな

僕は 一束50円高くても価値あると思っている

いや

みんなは 穴の開いた方が欲しいと言うんだろ?

それはそれで みんなの意見が集まれば 名人くどき落としてなんとかするからね

最終的に名人の収入が増えれば

嬉しいな!

ね!

そう思うよね!

厳しい寒さの贈り物

こちらでは 昨日 珍しく雪が積もった

一般に 冬野菜は 霜が降りると美味しくなると言われている

葉野菜は ほとんどが水分なので 寒くなると野菜自身が凍ってしまう そこで 凍らない為に 糖分を分泌するのだ

それが 美味しくなると言われる原因です


それだけでなく

特に ほうれん草や小松菜など冬が旬な葉物野菜は どうやらゆっくり成長した方が美味しくなるみたいです

ゆっくり成長する方が 旨味が凝縮されているようで やはり 冬の野菜は 寒さの中 ゆっくり伸びた方が本来の姿?味になるんだろうと思います

ゆっくり成長すると言う事は 生産が増えないと言う事でもあり

それは 価格も高いと言う事になります

と言っても 手が届かない価格になる訳ではないので

寒い日が続くと それはそれで 天からの美味しい贈り物付きだわ!と思って買って欲しいもんです

また 前の日記でも書きましたが 農家さんの作業も 寒いと辛いものです

寒い日が続いたら ご苦労様代だと思って欲しいものです



こんな話を

寒い夜は 是非食卓を囲んだ時に話して貰いたいと思っています

きっと寒い中美味しく育った野菜が もっと美味しく感じられる事でしょう



ちなみに 子供達に 悩んで大きくなった方が 人間的にも深みが出るんだと こじつけしてみるのも いいかもしれませんね

こじつけついでに

命と言う漢字は

一度 叩かれると書きますね

一度 辛さを味わった野菜が美味しくなるように

と こじつけついでに話してみるのもいいかもしれません


注意!命の話は 本当にこじつけで そう言った意味はないそうですんで 使用には気をつけてくださいね

(笑)

食育てか?

食育 食育って言葉が氾濫しているが

僕にも よくわかってない

今後 勉強する課題だと思っている

僕は 比較的都会育ちの八百屋だから

知らない事だらけだったのだが

想像だけはできていたと思う

特に 今日みたいに寒い日には

大根一本 洗うのに どんな苦労をしているのか 考えただけで したくないと想像してしまう

食育とは そんな事から始めなければいけないと思ってしまう

今日 こちらは雪が積もってなかったが 山あいでは 結構積もっていたらしい

こんな時 農作業などしないだろうし 野菜も育たない

と言う事は 市場への入荷が減り 価格が上がる

台風でもそうだ

台風が去り 晴天になると もう激しかった風や雨の事を忘れている

農家は それからが大変なのに

消費者は もう忘れて
「なんで 高いの?」と聞いてくる


天の恵み 農家さんの苦労 そして物流

何がきっかけでもいいから

想像力をわかせて欲しい

また

それを語れる存在でいたい




最後に

こんな話を

ある兼業農家の奥さんの話だが

ある日

分葱の皮を向いていたら

(葱でも白い部分は皮を剥いている 爪に泥が入って真っ黒になる)

もう サラリーマンになった息子が こう言ったんだって

「お母さん もう そんな汚い仕事しなくていいよ」と

……………

……………

言葉にならない



食育てか?!