2010/09/29 | 茨の海

茨の海

在りったけの花で飾って そして崩れ堕ちて 何度でも 正しくなど無くても 無くても

貴方の優しい笑顔なんて
浅い記憶の海で溺れるから

それじゃ笑えるわけがない。



貴方が吐いた嘘だけは
宝石のように輝いて

今でも手の中に。



停滞する感情に身を沈めて
感覚だけを麻痺させることが出来たなら

貴方の為だけに笑えるの。



いつだって一人で歩いてきた。


どうかそんな悲しいことは言わないで。



差し伸べられた
あらゆる救いの手にさえ気付かずに

歪なカタチで踊らされ

それでも構わないと
夢中になったあの頃の滑稽な私に賞賛を。



貴方に辿り着くことのない
この路を

燃やしながら歩いて行くの。



もう誰も追い掛けてこないようにと。