下総です。
今日は、「ほとんどの椎間板ヘルニアは腰痛と無関係」という話をしていきます。
病院へ行って、椎間板ヘルニアだと診断されると、
少なからずショックを受けるものです。
「とうとう俺も腰痛持ちか…
一生この痛みと付き合っていかなきゃならないのか…」
と落ち込んでしまうものです。
しかも、
白衣を着た医者に言われる、
眉間にしわを寄せた深刻そうな表情で告知される、
といった要素で、恐怖が助長されます。
で、本人はこう捉えるようになります。
「ヘルニアを患ってしまった」
しかし、ほとんどの椎間板ヘルニアで、
「患う」という表現は不適切です。
ヘルニアは「患う」ものではない。
なぜなら、
椎間板ヘルニアとは、ただの老化現象だから。
もう20年以上前に、スイスの研究で、
「健常者の76%にヘルニアがある」とわかっています。
『腰痛が消える3ステップ』でも説明しましたが、
ヘルニアは、白髪が生えてくるのと似た現象です。
「齢をとれば、出てきてもおかしくはないもの」です。
今までは、
なぜ腰痛は起こるのか?
なぜよくなったり悪化したりするのか?
といったように、腰痛は謎めいた点が多かった、
そこでとりあえず、
「ヘルニアが腰痛の原因“ではないか?”」
と暫定的に言われ続けてきただけです。
ヘルニアが疑わしい、と。
にもかかわらず、
いつの間にか「ヘルニア=絶対悪」と決めつけられるようになってしまった。
近年研究が進み、
もはや「ほとんどの椎間板ヘルニアは腰痛の原因ではない」と明らかになってきているんです。
椎間板ヘルニアとは、
「腰椎と腰椎の間にあるクッションが潰れていますよ」という構造上の説明、
ただそれだけの話。
白髪で頭痛が起こらないのと同じで、
ヘルニアで腰痛は起こらない。
ほとんどの場合、痛みとの関連はない。
驚くような問題ではないんです。
むしろ問題なのは、
そこで抱く感情です。
ヘルニアに対する恐れや不安。
ネガティブな感情を抱くことのほうが問題です。
「俺はどうせヘルニアだから…」と卑屈になる。
再発を恐れて仕事を休みがちになる。
精神的にしんどくなって、ふさぎ込んでしまう。
そうしたストレスが脳に伝わって、
腰痛や坐骨神経痛を長引かせてしまうんです。
「ヘルニアである」というセルフイメージが、腰痛を悪化させる、
恐れや不安に感情を乱されることで、腰痛はますます悪化してしまうんです。
腰痛改善の本質は、
今までと考え方を変えることです。
今まで抱いてきた「間違った常識」に気づき、
新しい認識に切り替えていくこと。
その「間違った常識」の筆頭に当たるのが今回伝えている、
「ヘルニアに対する誤解」です。
2年前、近畿大学の卒業式でホリエモンがスピーチを行いましたが、
そこで彼はこんなことを言っていました。
「働き方、家族制度、道徳、倫理…
今後、社会の常識は急速に移り変わっていく」
今後社会の常識は移り変わっていく…
腰痛の常識も移り変わっていくはずです。
「昔の人はヘルニアが腰痛の原因だと思ってたんだってよ」
「へー信じらんない、そんな時代もあったんだね~」
30年後はきっとそんな会話がなされているでしょう。
最後まで読んでいただきありがとう。