「琴巳ハート

やっと散歩を終わらせてくれる気になったのか、ちぃが帰宅路に導いてくれているのにホッとしていた琴巳に後ろから誰かが呼びかけた。

「・・・へ・・・?」

琴巳が振り返ると後ろに立っていたのは、看亜、絵麻、知江、それから空だった。目を丸くしている琴巳に空が言った。

「なにしてるのハート

琴巳はポカーンと口を開けていたが答えようと口を動かした。

「ん・・・あ・・・ぇ・・・っとひらひら

空は笑顔で言った。

「バイバイ、琴巳キンモクセイ

空の声に琴巳はキョトンとしたが数秒後、少しその意味を理解することになる。

「あ・・・うん・・・バ、バイバイ・・・ハート

琴巳は振り返ろうとして目を見張った。1台のバイクが突っ込んでくる。見ると琴巳以外のみんなはわき道にそれている。

「・・・えあえ

琴巳が慌ててわき道にそれようとすると、もう遅かった・・・。琴巳はバイクにはねられた。薄れゆく意識の中でかすかに空たちの声が聞こえた。

「ぁのブリッコォ、ゃっと死んでくれるぅハート ME、ちょぉ嬉しぃハート

「だよね。空ちんの肩も私達の肩も持って八方美人してたよね♪

「てゆうかね、こんな狭い道・・・誰も通らない道通るから悪いんだしぃかお

「あたしらが言わなかったら誰も気づかないよね、琴巳が死んだのハート

「ぅんぅん。ぁぁ~、せいせいしたシャボン

「みんな、ご協力有難う~

「ううん。考えたのは、チエだけど絵麻もコイツ、嫌だったからぁうふ

「さあて、帰ろにこらか

「OK。仲良し4人組でねっきらきら

琴巳は頭の整理が出来る前に死んでいった・・・。琴巳が死んだ後、バイクから人が降りた。そして、深くかぶった紺色のヘルメットを外した。

「ちょっと!人が協力してあげたのに置いてくつもり??」

ハイテンションな美紗希の声に空が声をあげた。

「あ、ゴメン2個ハート

美紗希は笑いながらバイクを置いて仲良し4人組の元に走っていった。死んだ琴巳の横には小さく「くぅん」と鳴き続けるちぃの姿があった・・・。


-----------------------終わり----------------------