「っっ上がり

琴巳は、思わず口を押さえた。何々、と琴巳の姉、奈美(なみ)が覗いてきた。琴巳は、嬉しくてたまらず飛び上がりながらオーディションの合格発表を診せた。奈美の目が丸くなった。

「ウッソ~!これ、壊れてない!?」

最初に言うのがそれかよっ、と琴巳はずっこけそうになる。でも自分でもまさか受かるとは思っていなかったのだ。オーディションに受かりたい、というのも願望にしか過ぎなかったのだ。

「お母さんっ、琴巳がオーディション、受かったってさ~どこも

奈美の声に琴巳の母、露子(つゆこ)が答える。

「あら、やだ。琴巳が合格するなら私も受ければよかったわpinnku

琴巳は、またずっこけそうになった。琴巳は、合格通知の中に303と304を探した。あっ、304あったっどこも 琴巳は、304を見つけて再び飛び上がった。

「今度は何よ~・・・

迷惑がる奈美をよそに琴巳は、303を探した。・・・ない・・・。琴巳は、落胆して地面にヘタリ込んだ。

「ちょ・・・ちょいっ、ちょっとどこも

琴巳の意味不明すぎる行動に奈美は頭を抱えた。