そうか、俺が死ねばいいのかー。
先日、近所のお弁当屋でから揚げ弁当デラックスを注文し
それが出来るまでの間、どの酒と一緒にその鳥の肉片をカラっと揚げたものを、
むしゃぶりついてやろうかとワクワクして待っていました。
そしてから揚げデラックスが出来上がり、お金を払い、温かいうちに食べるため、急いで帰ろうと、mybyバイシコォーに跨り、ペダルを漕ぎ出そうとした瞬間に、
僕の目の前で、ママチャリが横転しました。
僕は心の中で「えええー。ありえへんやん。はやく家に帰って温かいうちに弁当食べたいのに。お口の中はもうすぐ繰り広げられるから揚げのハーモニーでいっぱいやのに。でもここで声かけて助けないと、人としてあかんよなー。」とか思いながら、横転した自転車に駆け寄りました。
正直、その自転車の運転者は、金髪タンクトップで年のころ18歳そこそこのどうみても頭が良さそうじゃない部類の人だったですし、タンクトップのバックプリントの文字が縦に『限界突破』とか書かれてて、どう考えても頭が沸いてる、僕が一生話し掛けることが無いと思っていた人種だったので、どうしようか一瞬迷いましたけど、それでもそこは人として、性別や年齢や外見や肌の色や国境なんか関係無く、分け隔て無く、ナイチンゲールの心を持って声をかけましたよ。
「大丈夫ですか?」と
そしたらそいつ、無視しやがった。
でもそこは、ナイチンゲールの心を持った髭を生やしたもうすぐ24歳の男。
聞こえなかったのだろうと思い、もう一度声をかけました。
「大丈夫ですか?肩から血がドクドク流れてますけど?」と
まぁ結果は言わずもがなで、あきらかに聞こえてるのに無視しやがった。
そりゃ恥ずかしいだろうけどサ。無視はないだろ・・・。
その瞬間に見たことも無いナイチンゲールの姿は、僕の心から消え去り、
から揚げ弁当を温かいうちに喰らうという当初のミッションに頭が切り替わり、家路に着こうと再び自転車に跨り、ペダルをこぎ始めました。
仕方ありませんよ。無視されたんだから。
破傷風で死んだってしったこっちゃありません。
けど、僕が自転車漕いで、事故現場より少し遠くに居たサラリーマン風の人にすれ違った瞬間、
その人が『お前人として最悪だな』って目線で俺を見てきた。
から揚げ弁当デラックスがデラックスの味じゃなかった。
死にたいと思った。