5分でわかる日本の神話 | 読書は心の栄養

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主に自分の最近読んだ本の忘備録

むかーし、イザナギ(男)とイザナミ(女)という神が生れた
彼らは、本州、四国、九州、淡路島、対馬、隠岐の島、佐渡島、壱岐島を作ります。
合計8つで大八島の国(おおやしまのくに)といいます
他に小豆島、周防大島、姫島、五島列島、男島、女島を作ります。
(ずっと後の平安時代になるまで、東北地方は制定していないのに、この時点で本州が島であることを知っているのは興味深い記述です)

イザナギイザナミは様々な子供の神様を産むが、
イザナミは途中で死んでしまい、黄泉の国に旅立ってしまう。
イザナギは恋しくてイザナミに会いに行くのだが、
既にイザナミは黄泉の国の食物を食べてしまったため、
「黄泉の国の神と相談するまで見ないでくれ」とイザナギに告げる
つい見てしまったイザナギは、
腐ったゾンビのようなイザナミを見て、ビックリして逃げ出す。
イザナミは「見~た~な~!」と怒って追いかけてくるので、
イザナギは巨大な石で黄泉の国とこの世の間を塞ぎます。
恨んだイザナミは「毎日1000人殺す」
それに対してイザナギは「じゃあ毎日1500人生む」
といい、日本の繁栄が約束されました。

イザナギは疲れて川で顔を洗っていると、
太陽の神、天照大御神(あまてらすおおみかみ)
月の神、月読(つくよみ)
嵐の神、須佐之男(すさのお)

の 3 人の神が生まれます

天照大御神が天を治め、月読は夜の世界を治め、須佐之男は地上を治めることとなる。
でも、見たこともない母親のイザナミを想い泣き喚く須佐之男を、イザナギは追放します

須佐之男は別れの挨拶をしに天照大御神に会いに行くが、
そのときのイタズラが過ぎて
天照大御神は機嫌を損ねて岩に隠れてしまう。
これが天の岩戸(あまのいわやのと)です。
天照大御神が隠れると、この世は真っ暗になるので、困ってしまう。
困った神々は、外でお祭り騒ぎをする。
「自分がいなくて困ってるはずなのになんだろう」
、と興味本位で覗いた天照大御神を外に連れ出して、一件落着
この時使ったのが
八尺勾玉(やさかのまがたま)と、八咫の鏡(やたのかがみ)であり、
3種の神器のうちの2つです。

追放された須佐之男は、今の出雲(島根県)で、
老人からヤマタノオロチのことを聞きます。
ヤマタノオロチを酒で酔わせて殺した須佐之男は、
ヤマタノオロチの体内から草薙の剣(くさなぎのつるぎ)を発見し、
これを天照大御神に献上します。
これが、3種の神器の最後の一つです。

ここから時代は移ります。

須佐之男の6代目の子孫である大国主命(おおくにぬしのかみ)が登場します。
出雲大社で祀られている神様です。
彼には非常に多くの兄神がいて、いつも荷物運びをさせられていました。

お兄さんたちが八上比売(やがみひめ)という美しい女性に求婚しに行きました。
重い荷物は全て大国主命に預けて。
お兄さんたちは砂浜で傷だらけのウサギを見かけます。
聞くと、「サメの背中を利用して島と島の間を移動してたら、
怒られて毛をむしられて真っ赤になり、痛い」のだそうです。
お兄さん達はウサギに「海水に浸れば痛みがひくよ」と嘘をつきました。
ウサギは言うとおりにしたら、当然傷に染みて痛いので、のた打ち回ります。
大国主命が通りかかり、事情を聞きます。
大国主命は、真水で洗い、傷の消毒方法を教えると、ウサギの傷は治りました。
これが有名な「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」です。

さて、求婚に行った兄神達は、あっさりフラれるばかりか、
相手から大国主命と結婚すると言われます。
怒り狂った兄たちは、大国主命を殺すのですが、
母親たちが生き返らせ、大国主命を逃します。

大国主命は根の堅州国(ねのかたすくに)に落ち延びます。
実はここは須佐之男が住むところ
ここで須佐之男の娘である須勢理比売(すせりびめ)と出会い、
恋に落ち、結婚します。
須佐之男は大国主命に度重なる試練を与え、
乗り越えた大国主命は成長します。
根の堅州国から戻った大国主命は成長した姿を周囲に見せ、
周りの国を平定していきます。
このことから、大国主命は「国作りの神」と呼ばれます。

さて、その頃、天照大御神は
「地上が平定した頃だし、私の孫たちに統治させよう」と思い、
孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を地上に遣わします。

天照大御神の孫が地上に降りることから、「天孫降臨」という言葉が生まれます。

そして、その地が高千穂であることから、九州の高千穂は神聖な地となっています。

天照大御神はニニギノミコトに鏡・勾玉・剣の3種の神器を渡します。
このことから、この3つが皇位継承に使われます。

大国主命はニニギノミコトに統治した国を譲ります。
これを「国譲り神話(くにゆずり)」といいます。

ニニギノミコトとその子孫は周囲の国の神(国つ神)と姻戚関係を持つことで
勢力圏を広げていきます。
ニニギノミコトの孫は日向の国(今の宮崎県)から東に向かい(東征)、
今の奈良県周辺の大和を平定します。
この「ニニギノミコトの孫」が初代天皇の「神武天皇」であり、
その即位の日が2月11日の建国記念日であり、
即位したとされる年、紀元前660年から数えた年号を皇紀とします。
今年2012年は皇紀2672年です。


日本の神話の重要箇所をピックアップしました。
日本の神話が現代につながる、という意味が分かるでしょうか。
このように神話が現代につながる国は日本だけであり、
これだけの歴史が途切れずにある国もまた、日本だけなのです。

去年から、学校教育で日本の神話を学ぶようになったそうです。
これにより、正規な教育を受けた日本人で日本の由来を知らない人は
この長い歴史上で現在20代から60代の人に限られることになります。
小さな子供がいらっしゃる方は、日本の由来を知らないと
あとで恥をかくことになるかもしれませんよ