【手術から一年】 リハビリ〜希望 <第6話>

<第6話>
 

とにかく出来ない事が

沢山あった、、

字を書くリハビリで

担当の医師に

「田中さん御自分の名前を書いて下さい」

自分の名前すらろくに書けなかった

「田中さん今日はいいお天気です。と書いて下さい」

今日と書こうとしても

今の一角が抜ける、
 

天気と書こうとしても

天が夫になってしまう...

ゆっくり書こうとすれば

書けない事はない

でも感覚的に今まで無意識に

やってた事が、完全に出来ない。
 

気のせいなんかじゃなかった

43年この身体と付き合ってきたから

感覚が違う事は明らかだった。

上手く喋れない呂律が回らない、
長文メールが打てない考えがまとまらない。

等々…

出来ない事を

列挙したらキリがなかった

ギターが弾けたら

こんな事どうでもいいのに、、

悔して何度も涙を流した

病院では、沢山の人と仲良くなった。
 

総合病院なので様々な患者さんがいて、
また膝の権威の先生がいらっしゃったらしく、
膝を手術した人達が廊下を往復し

リハビリを行っている姿に俺も

沢山の勇気をもらった。
 

そして色々な話を共有し

俺も絶対に負けないと

思うようになれた。

リハビリしたら元に戻ると

仰っていた先生の言葉を信じようとも。
 

ただただ日にち薬なのかな？
とも思うようにした。

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