政府は、「70歳まで働く機会の確保」に向け、企業に対して7項目の選択肢を提示し、それを基に議論が進められるようですが、問題は議論の進め方でしょう。

 

超高齢化と労働力不足という今後も長期間継続するであろう日本の課題について考えていた時に、「定年制度」(大堀照司著、財・労働法会協会発行)という本に出会い、手に取ってみました。

この本は、1968年(昭和43年)ですから、約50年前に発行されたもので、当時は日本が初めて労働力不足の時代を迎えて、定年制について様々な角度から検討されたことが記述されており、今の時代でも参考になると思われます。

 

その点は専門家に委ねるとして、ブログ的にプチ知識を紹介しますと、日本で定年制が始まったのは1901年(明治34年)で、定年(当時は停年と表現)は55歳(当時の平均寿命は、男42,8歳、女44,3歳)だったそうですから、定年に対する考えが今とは違っており、一般的に行われていた隠居年齢が参考にされたとみられるとのことです。

 

話しを現代の「働く機会の確保」に戻すならば、働き方改革によって、兼業、副業、複業が一般化されるなど、企業の社会的役割も、企業への帰属意識や労働意識も変化しているのに加え、高齢化による身体的能力や思考力、判断力の低下(個人差が大きい)に加え、IT化等による労働態様の変化もありますから、退職金や社会保障との関連を抜きにして、働く機会を考えることはできないと思われます。

その意味では、働く機会の問題は企業だけでなく、自営業や一時産業と同じ土俵で考えるべきことになるのかもしれません。