川崎市多摩区で発生した、小学生らに対する大量殺傷事件は、被害の痛ましさから多くの人々の関心を呼び、一億総評論家の様相を呈し、「一人で死んで」発言が波紋をよぶなど、再発防止とは離れた議論にまで発展しました。

しかも、この議論の最中に、アメリカからは、またまた銃乱射による大量殺人事件の発生も伝わってきたこともあって、私は、両事件の背景にある事情に関し、1981年(昭和56年)に初来日した時の、「日本の国はきれいです。でも、あのきれいな家の中で、夫婦の間に労わりがなかったり、親子の会話がなかったら、インドのカルカッタで泥でこねた小屋に住んでいる家族より貧しいです」という、マザーテレサの言葉が思い浮かびました。

 

それは、偶々この数年後に、インドにあるマザーテレサの施設を訪問する機会があり、職員の方々の献身ぶりに、人間は何をすべきかを学ばせていただいたことがあったからです。

 

当時、アメリカと日本は、世界経済をリードし、経済的豊かさに酔いしれていましたが、川崎事件の加害者の生い立ちを報道で知るにつけ、当時日本人が見失っていたことのツケが今日のこのような悲惨な事件の要因になったのではないかと思えてなりません。

 

日米両首脳の蜜月ぶりも結構ですが、両首脳には、経済のことばかりでなく、人間の生き方について掘り下げた意見を交換してほしいと思います。