スター・ウォーズ 反乱者たち(2014年)総監督 デイブ・フィローニ 声の出演 (アメリカ)

、映画「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」から「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」までの間を描く正史のテレビ・アニメ・シリーズである。「シスの復讐」の14年後で「新たなる希望」の5年前が起点とされている。
2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収して以来初めてとなる、大規模なスター・ウォーズ・プロジェクトである。


宇宙船“ゴースト”の乗組員である6人のメイン・キャラクターの活躍を中心に物語が進む。“ゴースト”はアウター・リムにある惑星ロザルの少年エズラ・ブリッジャーが主人公で、元ジェダイのケイナン・ジャラス、トワイレックの女船長ヘラ・シンドゥーラ、マンダロリアンの少女サビーヌ・レン、ラサットの戦士でパワー担当のガラゼブ・"ゼブ"・オレリオス、そしてドロイドのC1-10P(愛称チョッパー)によって構成される。


最初は一匹狼の独立したレジスタンスチームだったが、第2シーズンから反乱軍の一翼を担う様になり、それに伴い仲間が増えていくが、その中にはランド・カルリジアン、モン・モスマやレイア・オーガナ、ヨーダ、オビワン・ケノービ、ウェッジ、ダース・ベイダーにモフ・ターキン等オリジナルシリーズの主要メンバーもゲストとして物語を彩ることになる。また、このシリーズには尋問官をはじめとする複数のヴィランが登場するが、シリーズ前半はダース・ベイダーが率いるジェダイ狩りを行う尋問官が主な敵で、後半はスローン大提督が敵となる。特に後半のヴィランのスローン大提督はアメリカのSF作家ティモシイ・ザーンが執筆した、所謂「スローン三部作」に登場。帝国デはヒューマノイド優越主義を取り、特に帝国軍ではエイリアンが士官になることは珍しいが、チス族にもかかわらず大提督にまで出世している稀有な存在。「スローン三部作」では戦略戦術ともに優れ、寛容さと冷酷さを併せ持ち部下には飴と鞭を巧みに使い分け統率。ダース・ベイダーのように、気に入らない報告をした部下を処刑するような、理不尽さは持ち合わせていない。本作でもその性格を引き継ぎつつ、敵の文化、歴史等を分析することで相手の動きを探り、敵対するスペクターズや“ゴースト”のことを、高く評価するなど視野の広い人物として描かれている。スピンオフ、特にレジェンズ(非正規史)の登場人物にもかかわらず、その高い人気からカノン(正規史)に登場することになった。

最初は対立した二人だったが、次第と硬い友情で結ばれていく


主な登場人物は以下の通り。
エズラ・ブリッジャー
惑星ロザルで暮らす孤児。両親のミラとエフライム・ブリッジャーは帝国を批判する放送を行ったため当局に連行され、そのまま行方知れずとなっていた。後に殺されたことが判明する。エズラは8年ものあいだ、詐欺や盗みで自活していたが、ある日、エズラは“ゴースト”の乗員たちの仲間になり、彼らとともに反帝国運動に身を投じることになる。
ケイナン・ジャラス
オーダー66を生き残ったジェダイ。エズラはケイナンを上回るほどの強いフォースセンシブルを持つことから、パダワンにするが、ケイナン自身まだ修行中にオーダー66が発動し、師匠を失ったため若いエズラをどう育てるか悩むが、モールにより視力を失って以降はそうした姿はなくなっていく。
“ゴースト”船長のベラとは両思いだが、お互いに気持ちを打ち明けられないでいる。
ヘラ・シンドゥーラ
“ゴースト”の船長。スローンでさえ認めるほどの操縦の達人。彼女の卓越した技量で“ゴースト”は何度も危機を脱した。エズラとサビーヌの母親がわりであり、ゼブ・オレリオスが短気を抑えるのに一役買っている。
サビーヌ・レン
マンダロリアンの少女。爆薬の取り扱いに長け、機械の操作も得意。彼女が作り出した武器を帝国が使用し、マンダロリアンに甚大な被害をもたらしたことから一族から恨まれて、本人にとってもトラウマとなっている。最初エズラは気になる様子だったが、次第と同志で友達といった関係に落ち着く。
ガラゼブ・"ゼブ"・オレリオス
ラサットの男性で力自慢で格闘要員。最初新入りのエズラの事が気に入らず、事あるごとに対立していたが、次第に強い友情で結ばれるようになり「喧嘩するほど仲がいい」という関係になる。
C1-10P(チョッパー)
本伝におけるR2-D2的な存在で、短気かつ気難しい性格でよくイタズラをし、命令に従わないことも多々ある一方で、おだてに弱い面も。
大尋問官
パウアンの男性で、フォースのダークサイドに転向して尋問官のリーダーになった元ジェダイ・ナイト。最初に“ゴースト”の前に立ちはだかったヴィランで、ケイナンとの激しい戦いの末敗れて命を落とす。ジェダイ時代はテンプル・ガードで、その姿はヨーダの生み出した幻影という形でロザルのジェダイ寺院にて姿を現す。
アレクザンダー・カラス
帝国保安局のエージェントで、その為作中ではエージェント・カラスと呼ばれる。当初は“ゴースト”の前に立ちはだかる悪役だったが、氷の衛星バーリンにゼブと取り残された時、恨みを乗り越え力を合わせることになる。バーリンでのできごとは彼の信条に大きな影響を与えた。彼はフルクラムというコードネームを使い、帝国の機密情報を反乱軍に流す内通者となるが、スローンに看破された事から脱出し反乱軍の一員として行動する。
全77話にも上るため他にも数多くの登場人物がいるが、主に上記の8人と、後半に登場するスローンが主要な人物となる。

「もののけ姫」のモロの君を彷彿とさせる。


シリーズは4部に分かれていて、概略は下記の通り。
第1シリーズ
ロザルの孤児エズラが“ゴースト”チームとの出会いを通して、叛乱運動に加わっていく姿が描かれている。
第2シリーズ
“ゴースト”チームが反乱軍に正式に組み込まれ、その事から軋轢が生じる様子が描かれる。そしてダース・ベイダーがヴィランとして登場。ケイナンとエズラの前に立ちはだかる。また、終盤にモールが登場しエズラに取り入りケイナンを失明させる。また、「クローン・ウォーズ」の人気キャラ、アソーカ・タノが本格的に登場する。
第3シリーズ
ケイナンが失明した事で自分を責め、チームの輪を乱す行動をとるようになるエズラとケイナンが再び子弟としての絆を取り戻す姿が前半の見どころ。そしてヴィランとしてスローン大提督が登場したことで、叛乱軍は苦境に立つようになる。また終盤にオビワンが登場しモールとの長い因縁に決着がつくことになる。

「お前は選ばれしものを守っているのか」との問いにオビワンが頷くとこの表情。万感の思いがこもっている


第4シリーズ
ロザル解放戦のメインとなる。反乱軍の協力が得られない中、“ゴースト”グループとロザルのレジスタンス達だけでいかにロザルを解放するかが見どころ。

このシリーズでは①デス・スターの完成を遅らせ、②帝国最高の名将をハイパー・スペースに姿を消させることで銀河内戦中行方不明にさせ、③辺境とは言えロザルを解放したことで多くの人々に勇気と希望を与え、ヤヴィンの戦いの後各地で反乱の火の手が上がるきっかけを作り④TIE/Dディフェンダーの製造工場を止めた事からその後の空戦がXウィングを擁する反乱軍が有利になるようになった等、“ゴースト”チームは意図せずにその後に起きる銀河内戦に多大な貢献をすることになるが、こうした正史が取り上げていない部分も見どころと言えるだろう。
ただ、楽しむうえでのハードルも結構高い。EP1~3そして4~6は最低限見る必要がある。ただ、本作を見ようと思う人でこの条件をクリアできない人はいないと思うので、これはたいして問題ではないが、一番の問題はアニメ版「クローン・ウォーズ」も観ておく必要があると思う。「クローン・ウォーズ」は133話もあるし、時系列が結構バラバラなのでなかなかのめりこめないかもしれない。かくいう私も挫折した一人だ。ただ今はYouTube等で解説動画があるし、全部は分からなくてもアソーカと元クローン兵士のレックス。そしてEP1以降のダース・モールさえ知っておけば何とかなるんで、この辺りを解説した動画を見れば何とかなると思う。
8月に配信予定の「アソーカ」を

レジェンド随一の人気キャラ、スローンがカノンに登場。この辺りディズニーの迷走を現しているよう

 

見るうえで、本作を見た方がより面白く感じるのではないかと思う。ドラマには本シリーズの登場人物ヘラやサビーヌ、そしてゼブも登場するし、スローンが銀河内戦に加われなかったいきさつも描かれているので、理解を深める意味でも「アソーカ」を見ようと思っている人は、チャレンジしてはどうだろうか。
と、またネズミ君の廻しものみたいなことを書いちまったぜ。

 

本作には他の作品の有名キャラが登場しているがその一部を紹介

ちなみにアソーカの顔の模様は「もののけ姫」のサンを参考にしている

実写版よりかわいい?レイア姫

後に反乱軍きってのエースとなるウェッジは、最初は帝国軍のパイロットだった

宿敵モールとの決着をつけるオビワン・ケノービ

これはもう説明不要。「ルーク」の呼びかけに駆け出す、タトゥイーンに住む「新たなる希望」