花と散り行く
作詞:K 作曲:K&Y 編曲:Y
最後の夜を祝う様に花は散り行く
水面に浮かぶ月を幾ら飲めど酔えない
降っては積もる花に沈む身体を寄せて
滲んだ熱が溶かす闇のしじまに二人
こんな結末は微塵も望んでいなかったけれど
もし叶うとして何を望んだら良かったのだろう
『またね』と一言 横顔で告げて事も無げに笑った
上手い嘘を吐くその人が吐いた下手な嘘は此れ切り
「じゃあね」と一言 返すべきだった
その先互いの邪魔になり得ると理解していても尚
あの時互いを支える為には必要だったこの手
選んだ報いに後悔はしない
流れる髪に花が戯れる淡い風景
替えの利かない平凡さを極める許り
思い出と呼べる殊更際立つ記憶等はなく
只そこにあった何でもない日を憶えているだけ
『またね』と一言 横顔に乗せて普段通り笑った
上手い嘘を吐くその人の嘘を見抜いたのは此れ切り
「じゃあね」と一言 何故言えなかった
何時かもきっとも永久にもずっとも守れない約束も
全て要らないと言い聞かせたのは信じそうだったから
泡沫の夢をもう観たくはない
『またね』と一言 横顔で告げて事も無げに笑った
上手い嘘を吐くその人が吐いた下手な嘘は此れ切り
「またね」と一言 返せば良かった
譲れない物は比べたところで譲ることは出来ない
貫く理想と捧げる犠牲を掛けた秤は振れて
たった一言も返せない侭に
咲いて咲き乱れ咲いて咲き誇りそして花と散り行く
それでも変わらずその人は酷く満足気に笑った
決して散らない一言を置いて
最初の夜を祝う様に花は散り行く
水面に揺れる月を幾ら飲めど酔えない
降っては積もる花に沈み瞳を閉じて
失くした熱が溶けた闇のしじまに一人
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2019年7月20日発表
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