令和4年5月に4回目の抄読会をおこないました

今回は

Effectiveness of Acupuncture for Pain Control After Cesarean Delivery:A Randomized Clinical Trial

-帝王切開分娩後の疼痛管理のための鍼灸の有効性-

という論文について取り上げました。

脊髄麻酔下で、帝王切開による

分娩を予定していた方を、

鍼治療群とプラセボ(偽鍼)群と

標準的な術後鎮痛群に割り付けて

治療効果を観察したものです。

鍼治療群は

耳の4点(MA-SC、MA-TF1、MA-IC1、MA-AT1)と

合谷、足三里、三陰交、大腸兪、関元兪、小腸兪に

留置鍼を脊髄麻酔の20分前から手術3日後まで入れておく方法

偽鍼群は

同じ場所に、同じ期間、偽物の鍼を使う方法

標準治療群は

標準的な鎮痛薬による治療

上記の方法を

各群の患者さんにおこない

”痛みの程度”

”痛みが生活に及ぼす影響”

”使用した鎮痛薬の量”

について評価されました。

各群とも

鎮痛効果が得られていたのですが

(プラセボでも鎮痛効果がみられていました)

鍼治療群では術後当日から

痛みの軽減がみられ

早くから動けるようになったことが

報告されています。

論文中では

術後の痛みに対し

鎮痛薬では不十分なこともあるため、

補助的に鍼治療を用いることは

術後の痛みを軽減し

鎮痛薬の使用量を減らす

有望な方法である

と述べています

本論文では

術前20分前に鍼治療をおこなっているので

なかなか一般的な日本の鍼灸院では

実施しにくいところではありますが

さまざまな場所で

鍼灸治療が用いられて

定着していくと良いなと思います。

引用文献：

Usichenko TI, Henkel BJ, Klausenitz C, Hesse T, Pierdant G, Cummings M, Hahnenkamp K. Effectiveness of Acupuncture for Pain Control After Cesarean Delivery: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Feb 1;5(2):e220517. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.0517. Erratum in: JAMA Netw Open. 2022 Apr 1;5(4):e229622. PMID: 35226080; PMCID: PMC8886541.

抄読会～令和4年5月～