今回は”逆子”についての論文を取り上げました。
鍼灸師の間で「逆子に鍼灸」は有名で
鍼灸治療の方法を含め
大抵の鍼灸師は知っている話です。
今回は
“レビュー”という形式の論文を取り扱いました。
“レビュー”とは
”これまでの研究報告を総括して
その段階での結論を出す"論文です。
今回の論文を通じて
逆子への鍼灸治療の効果について
鍼灸師の間でよく知られている
逆子に対するお灸法の起源について
検討しました。
複数の研究報告に基づいているので
方法に若干の違いがありました。
日本で一般におこなわれている(であろう)
鍼灸治療の方法だと
また結果が異なる可能性もありそうだな、
と思いましたが
印象的だったのがイタリアの研究で
「1人逆子を矯正するのに6人を、
1人帝王切開を減らすのに8人を治療する必要があった」
というお話です。
この結果についての解釈(多いか少ないか)は
見方によって異なってくると思いますが、
少なくとも鍼灸治療が
全く無効という訳ではないのだろうと
捉えてよいのではないかと思います。
お灸治療の起源については
一般的には“至陰”という
足の小指の爪の生え際でやや外側のツボが
使われていますが
『太平聖恵方』(982~992)という文献には
「出産時に手から出てきてしまう場合には
右足の小指の先にお灸を3壮すえると良い」
との記載があり
お灸をする場所に関する話もありました。
鍼灸師にとっては常識ともいえる逆子の治療ですが
一般的には知らない人の方が多いと思います。
このブログが
”逆子に対する鍼灸治療”を
知るキッカケになれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。