前回
新元号“令和”と同じ文字を使った
ツボの名前があるか、と調べたところ
“令和”はおろか“令”の字を使ったツボもなく
唯一“和”を使ったツボで
“和髎”がありました
私もよく使うツボなので
効果とその理由について
書いていきたいと思います。
(参考図書:鍼灸治療基礎学)
“和髎”の位置は
耳の前で頬骨の上、動脈がふれるところ。です
主治には
眼疾患をつかさどる。眼病の総てに効く
と記載されています。
私はこのツボを
眼精疲労や顎関節症に使います。
“鍼灸治療基礎学”で
眼の病気に効果がある
としている理由は
血流との関連と考えます。
耳の前でふれる動脈は
“浅側頭動脈”という動脈で
これは眼動脈から分岐している
滑車上動脈と眼窩上動脈に吻合しています。(1
浅側頭動脈の鍼灸刺激が
滑車上動脈・眼窩上動脈を介した
眼球への血流量の増加
眼周囲の免疫機能の向上
を引き起こすのではないか、と考えます。
そのため、眼精疲労に対し
眼球への血流量の増加を図る目的で
“和髎”を使っています。
顎関節症に対しては
“和髎”の少し下に
顎関節があるため
通常の“和髎”より若干低い位置に
ツボをとっています。
鍼よりもお灸が良い印象で
台座灸という直接肌に
お灸がふれないタイプのものを
使うのでヤケドしにくいお灸です。
時々自分にもすえるのですが
じんわり温かくて気持ちいいです。
参考文献:
1)船戸和弥のホームページTerminologia Anatomicaに基づく解剖学Terminologia Anatomica(1998)に基づく解剖学Terminologia Anatomica(1998)に基づく解剖学