鍼灸と疲労(4)

テーマ:

だいぶ長くなってしまいましたが


ここまで読んでいただきありがとうございます。



今回、本題である鍼灸が疲労状態の方に

たいしてなにができるのか?


説明していきたいと思います



大きく2つ作用があると考えています。



1つ目は“抗酸化作用・抗酸化ストレス作用”



2つ目は“脳血流量の増加”です



脳血流量に関しては以前“鍼灸と脳”で書かせていただきました


足を中心に特定のツボに鍼刺激を加えることで

脳の血流量が増加するという内容です



慢性疲労の患者さんには脳の血流低下がみられるため

鍼治療による脳の血流改善が効果的と考えられます




もう1つの“抗酸化作用・抗酸化ストレス作用”は

近年鍼灸治療の作用として多くの研究がすすめられています



その中で、お灸治療に関する研究をあげたいと思います₍1₎



おへそと下腹部に温かく感じる程度の“温灸”を

週3回の間隔で4週間おこなったところ

血液中の体内の酸化の状態を示す数値に

明らかな改善がみられたそうです




疲労のメカニズムとして


過活動による身体の酸化からおこる

細胞の傷害が考えられています



お灸による抗酸化作用で

疲労による酸化に対する抵抗力をつけ


機能が低下している脳に対しては

鍼治療による脳への血流改善をはかることで

症状の改善を促していきたいと思います



このような理由から慢性疲労にたいし

鍼灸治療は効果が期待できると考えます





さらに、慢性疲労症候群の患者さんに鍼灸治療が

有効であるかという研究をまとめた文献があり₍2₎

その文献においても鍼灸治療の有効性が認められています





以前に比べ疲労に関する社会的な理解は深まっています

自身やその周りの方々のためにも

「たかが疲れ」と考えず

しっかりと予防・健康管理を心がけていきたいものです






参考文献



₍1₎Indirect Moxibustion (CV4 and CV8) Ameliorates Chronic Fatigue: A Randomized, Double-Blind,    

  Controlled Study

  

  Hyeong Geug Kim, Sa Ra Yoo, Hye Jung Park, and Chang-Gue Son. The Journal of Alternative and    

  Complementary Medicine. February 2013, 19(2): 134-140. doi:10.1089/acm.2011.0503.


₍2₎A Systematic Review of Acupuncture and Moxibustion Treatment for Chronic Fatigue Syndrome

  in China

  T Wang, Q Zhang, X Xue, A Yeung - The American journal of …, 2008 - World Scientific



₍3₎川喜多健司、矢野忠 編:鍼灸臨床最新科学  医歯薬出版株式会社 2014