鍼灸と冷え症(2)

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前回、冷え症の方は胴体と手先・足先の

温度差が大きいことを書きました。



なぜ温度差がでてしまうのか?


前回取り上げた文献₍1₎によると


脊髄に血管の動きを調節する神経があり、

交感神経を通して血管を収縮させることで

手足の温度を調節しています



この交感神経が興奮しやすくなってしまうと

血管が収縮しやすくなるため

手先・足先の温度が下がってしまうと報告しています。




冷え症と自律神経に関する研究は他にもあります


“若年女性の冷え症ならびに月経随伴症状への

 自律神経活動度の関わり”₍2₎では



冷え症の“ある群”と“ない群”を比較したところ


“ある群”では多くの方が自律神経の

活動を調節する機能が低下あるいは

支障をきたしているとしています


さらに冷え症以外の身体の

不調についてもアンケートしたところ



                冷え性あり              冷え性なし



月経困難症         50,5%               14,3%



月経前緊張症       40,9%               21,4%                  



軽いめまい         27,3%               14,3%



軽い肩こり          59,1%               39,3%



軽い立ちくらみ       63,6%              50,0%


という結果から、冷え症の方には冷え以外にも

なんらかの不調をかかえていらっしゃる方が

多い傾向にあると考えられます。



以前に鍼灸とリラックスについて書きました


心地よい鍼刺激は脳を深いリラックス状態にしてくれます

その為、自律神経の調節機能を

高めてくれることが期待できます


さらに、鍼灸刺激自体が

血流をよくしてくれる働きがあります(同ブログ“鍼灸とコリ”より)



自律神経の調節には生活習慣も大切です


規則正しい生活と適度な運動を心がけながら

鍼灸治療を組み合わせて治療していきましょう!




また、冷え症には貧血や膠原病、甲状腺機能低下症などの

病気によるものもありますので、

治療にあたっては詳しくお話を聞きながら

すすめてまいります。





参考文献



₍1₎“サーモグラフィを用いた冷え性の病態生理学的検討・気温の

  変化と冷え性患者の皮膚表面温度分布の関係について”


高取明正, 奥田博之, 関場香, 谷崎勝朗 - 環境病態研報告, 1991 - ousar.lib.okayama-u.ac.jp



₍2₎“若年女性の冷え症ならびに月経随伴症状への

  自律神経活動度の関わり”


三浦史子, 中井佳緒里, 松尾博哉 - 神戸大学大学院保健学研究科紀要, 2012 - ci.nii.ac.jp