鍼灸治療と神経根性疼痛

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神経痛で来院される患者さんは比較的多くいらっしゃいます


タイトルにあります“神経根”というのは

脊髄から神経が出てくるところのことです


背骨の変形などではこの部分が圧迫されますが

じつは、圧迫を受けただけでは

症状としてはそれほど強く現れません


痛みの原因は

神経根の圧迫に加え神経の障害や炎症が

加わることで痛みがおこると

考えられています。


神経根性疼痛により腰・足に痛みを訴えている

患者さんに対し鍼治療をおこない効果を検証した

報告によれば(1


腰・足の痛みが有意に減少し歩行距離も伸びたと

報告されています。


鍼治療がこうした痛みに対し

どのような理由で効果があらわれているのかは

研究段階ですが


“鍼灸治療とコリ”で紹介しました、鍼治療で放出される

CGRPという物質は神経への血流も増加させることが

報告されています(2(3


このことから神経への血流の増加により

損傷を受けた神経の修復が促されることが

考えられています

また、神経への血流が低下すると

痛み・しびれが生じるとされています


こうしたことから神経への血流改善が

作用として考えられています。



参考文献


1)井上基浩ら:根性坐骨神経痛に対する神経根鍼通電療法の開発とその有効性、明治鍼灸医学、
2002;30:1-8.

2)矢野忠、井上基浩:鍼刺激が神経血流に及ぼす効果について、自律神経雑誌、
2006;43(4):348-356.
3)佐藤昭夫、佐藤優子ら:自律神経生理学、金芳堂、1995:94-96.