鍼灸治療と逆子

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“逆子”というのは胎児の殿部,膝,足など骨盤以下の

すべての部位が母体の骨盤に向かう状態をいうもので

正式には骨盤位といいます。


古くから骨盤位の治療に“至陰”という

足の小指にあるツボと

“三陰交”という内くるぶしの少し上にある

ツボが使われてきました。


この2つのツボを使って584名の骨盤位の患者さんに

治療をした研究報告があります(1


“至陰”にお灸、“三陰交”に灸頭鍼 (鍼を刺し、鍼の柄に

もぐさをつけて燃やし温かく感じるくらいの熱を加える治療です)を

おこない、骨盤位の矯正がどれくらいおこるのかを調べたところ

584名中525名が骨盤位が矯正された(矯正率89.9%)と報告されています


さらにお灸を反復しておこなっても

副作用を認めなかったとも報告されています。


お灸をおこなうことで子宮にどのようなことが

おこっているかという研究もなされています(2


その研究では、“至陰”に棒灸 (筒状のお灸を離れたところで燃やし

温かく感じるくらいの熱をくわえるお灸です) を、おこなったところ

骨盤位が矯正された群では子宮動脈の血管抵抗が

低下する傾向がみられること

そして、その結果から矯正された群では子宮筋の緊張が

低下したことが考えられる、としています。


また、鍼灸治療で矯正されなかった症例では

臍帯巻絡、双角子宮、子宮筋腫などが矯正されにくい

要因として考えられるという報告もあります(3


鍼灸治療による骨盤位の矯正を希望される方で

矯正されにくい要因を医師から指摘されている場合は

事前に教えていただきたいと思います。


棒灸のようなヤケドになりにくい

温かいお灸もありますので

安心してご相談ください。



参考文献


1) 林田和郎:鍼灸による胎位矯正法、全日本鍼灸学会雑誌、1988;38(4):335-339.

2)高橋佳代ら:骨盤位矯正における温灸刺激の効果なついて、東京女子医大雑、1995;65:801-807.

3)林田和郎:東洋医学と骨盤位矯正、東邦医学、1987;34(2):196‐206