とはいえ手術をするのはちょっと勇気がない、そんな時間もない、お金もない、合併症なんてもってのほかだ、という患者様も多いです。
そこで手術的にアライメントを整えるのではなく、手術をせずにアライメントを整えるのが、足底板なのです。私は足底板が変形性膝関節症の手術以外(保存治療)の根本的治療であるとさえ、思います。
なかなか痛みがとれないという患者様で、いろんな病院や整形外科クリニックを回ってきた人でも「足底板を作ったことがありますか?」とたずねると「そんなものは作ったことがない」と答える患者さがとても多いことに驚いています。足底板なんて作っても履かない、意味がない、と言う患者様もおられます。
でもTKAの目的と足底板の目的が同じであると分かっていれば、どちらも単に物理的な問題解決なのにどうして足底板だけ認識が低いのだろうと疑問に思うこともあります。私がもともと工学部にいた理系人間だからでしょうかね。
そういうわけで、当院では積極的に足底板を治療手段の一つとして考慮しています。