『契約(うけひ)』

契約(うけひ)は約束である。誓い合いである。

あなたと一生連れ添い合い励まし合いましょうと言う

契りなのです。

それは、今のように簡単に契約が破棄されることは、神々は望まれていません。

その契約が結ばれたら、たとえいかなる嵐が来ようと「コロナ」が来ようと破棄されることのない堅い契りでございます。

(神道辞典)によると

誓 約 (うけひ)

天照大神と素戔嗚尊との天眞名井での御子生みの際

素戔嗚尊は、己の心の正しいことを明そうとした時の

天照大神(アマテラス)と素戔嗚尊)が行った誓約

そこでハヤスサノヲ命が言うには、

「ならばアマテラス大御神に申し上げてから黄泉の国に参ろう」と

言って天に上ろうとする時、

山や川がことごとく動き、国土が全て震動しました。

そこで、アマテラス大神がこれを聞いて驚いて言うには、

「私の弟が上って来るのは、きっと善良な心からでは無いでしょう。

私の国を奪おうとしているのかもしれない」と言い、髪を解いてみづらに束ね、

左右のみづらにもかづらにも、左右の手にも、それぞれ八尺の勾玉(やさかのまがたま)の

五百箇の御統の珠(イホツノミスマルノタマ)を巻きつけ、背には千本の矢の入った靫(ゆき)を背負い、

脇腹には五百本の矢の入った靫を着け、また肘(ひじ)には勇ましい高鞆(たかとも)を取り着け、

弓の腹を振り立てて、力強く大庭を踏み、淡雪のように土を蹴散らかして、

勢い良く叫びの声をあげて待ち「なぜ上って来たのか」と尋ねました。

そこでハヤスサノヲ命が答えて言うには、

「私に邪心はありません。ただ父イザナギ大御神が私が泣き喚く理由を問われたので、

私は亡き母の国に行きたいと思って泣いている、と申し上げましたところ、

父大御神は、それではこの国に住んではならないと言って私を追放なさったのです。

だからその国に向かう事情を申し上げようと思って参りました。謀反の心はありません」と言いました。

そこでアマテラス大神が言うには、「ならばお前の心が正しいことはどうすればわかるのか?」と問いかけました。

これにハヤスサノヲ命が答えて「それぞれ誓(うけひ)をして子を生みましょう」と言った。

さて、そこで、二神は天の安河を挟んで、誓約をする時に、アマテラス大神がまず、タケハヤスサノヲ命の佩いている十拳剣(とつかのつるぎ)を譲り受け、三段に打ち折り、玉の緒を揺り鳴らしながら天の真名井(まない)の水で振りすすいで、噛みに噛んで砕き吹き出した息の霧から生まれた神の名は、多紀理媛(タキリビメ)の命、またの名は奥津島比売(オキツシマヒメ)命です。

次に市寸島比売(イチキシマヒメ)命、またの名は狭衣媛(サヨリビメ)命。

次に多岐都比売(タキツヒメ)命の三柱です。

次にハヤスサノヲ命が、アマテラス大神の左のみづらに巻いている八尺の勾玉の五百箇の御統の珠を譲り受け、

玉の緒を揺り鳴らしながら天の真名井の水で振りすすいで、噛みに噛んで砕き吹き出した息の霧から生まれた神の名は、正勝吾勝勝速日天の忍耳(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)命である。

また、右のみづらに巻いている玉を譲り受けて、噛みに噛んで砕き、吹き出した息の霧から生まれた神の名は、天の菩卑(アメノホヒ)の命である。

また、かづらに巻いている玉を譲り受け、噛みに噛んで砕き、吹き出した息の霧から生まれた神の名は、天津日子根(アマツヒコネ)命である。

また、左手に巻いている玉を譲り受け、噛みに噛んで砕き、吹き出した息の霧から生まれた神の名は、活津日子根(イクツヒコネ)命である。

また、右手に巻いている玉を譲り受け、噛みに噛んで砕き、吹き出した息の霧から生まれた神の名は、熊野久須比(クマノクスビ)命である。合わせて五柱の男神が現れました。

そこでアマテラス大神が、ハヤスサノヲ命に言うには、「この後で生まれた五柱の男の子は、私の身に付けていた珠から生まれたので私の子です。先に生まれた三柱の媛御子は、お前の物から生まれたので、やはりお前の子です」と言いました。

さて、その先に生まれた神のタキリビメ命は、胸形(むなかた)の奥つ宮に坐します。

次にイチキシマヒメ命は、胸形の中つ宮に坐します。

次にタキツヒメ命は、胸形の辺(へ)つ宮に坐します。

この三柱の神は、宗像君等が大切に信仰している神です。

そして、後で生まれた五柱の子の中で、アメノホヒノ命の子の建比良鳥(タケヒラトリ)命、これは出雲国造、无耶志(むざし)国造、上菟上(かみつうなかみ)国造、下菟上国造、伊自牟(いじむ)国造、津島県直(つしまのあがたのあたえ)、遠江(ととうみ)国造等の祖神。

次にアマツヒコネ命は、凡川内(おおしこうち)国造、額田部湯坐(ぬかたべのゆえ)連、木国造、倭田中直、山代国造、馬来田(うまくた)国造、道尻岐閇(みちのしりきへ)国造、周芳(すは)国造、倭淹知(あむち)造、高市県主、蒲生稲寸(がもうのいなき)、三枝部(さきくさべ)造等の祖神です。

古事記では天照大神は、後に生まれた男神は自分の物から生まれたから自分の子として引き取って養い、先に生まれた女神は建速須佐之男命の物から生まれたから彼の子だと宣言した。

スサノヲは自分の心が潔白だから私の子は優しい女神だったといい、アマテラスは彼を許した。

日本書紀第一と第三の一書では男神なら勝ちとし、物実を交換せずに子を生んでいる。すなわち、天照大神は十拳剣から女神を生み、素戔嗚尊は自分の勾玉から男神を生んで彼が勝ったとした。

第二の一書では、男神なら勝ちとしている他は『古事記』と同じだが、どちらをどちらの子としたかについては書かれていない。古事記と同じ(物実の持ち主の子とする)ならば天照大神の勝ちとなる。

第七段一書(三)では、話の筋立てが他とは異なり、思兼神が登場しない極めて特徴的な一書である。

また、日本国中にある天真名井神社、八王子神社などでは、宗像三女神と、王子五柱の男神を五男三女神として祀っている。古事記

伊邪那岐命(イザナキ)が建速須佐之男命(スサノオ)に海原の支配を命じたところ、建速須佐之男命は伊邪那美命(イザナミ)がいる根の国(黄泉の国)へ行きたいと泣き叫び、天地に甚大な被害を与えた。イザナキは怒って「それならばこの国に住んではいけない」と彼を追放した

スサノオは、姉のアマテラスに会ってから根の国へ行こうと思い、アマテラスが治める高天原へ昇る。

すると山川が響動し国土が皆震動したので、アマテラスはスサノオが高天原を奪いに来たと思い、武具を携えて彼を迎えた[2]。

スサノオはアマテラスの疑いを解くために、宇気比(誓約)をしようといった。二神は天の安河を挟んで誓約を行った。まず、アマテラスがスサノオの持っている十拳剣(とつかのつるぎ)を受け取って噛み砕き、吹き出した息の霧から以下の三柱の女神(宗像三女神)が生まれた。

この三姉妹の女神は、アマテラスの神勅により海北道中(玄界灘)に降臨し、宗像大社の沖津宮、中津宮、辺津宮、それぞれに祀られている

多紀理毘売命 - 別名:奥津島比売命(おきつしまひめ)。沖津宮に祀られる。

多岐都比売命 - 中津宮に祀られる。

市寸島比売命 - 別名:狭依毘売命(さよりびめ)。辺津宮に祀られる。

次に、スサノオが、アマテラスの「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」を受け取って噛み砕き、吹き出した息の霧から以下の五柱の男神が生まれた

左のみづらに巻いている玉から 天之忍穂耳命

右のみづらに巻いている玉から天之菩卑能命

かづらに巻いている玉から天津日子根命

左手に巻いている玉から活津日子根命

右手に巻いている玉から熊野久須毘命

これによりスサノオは「我が心清く明し。故れ、我が生める子は、手弱女を得つ。」と勝利を宣言した。

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