桂米朝さんの俳句を鑑賞する | 残日録

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 統一地方選が行われていますが、関心は今ひとつのようです。
 関心が低く、投票率が下がれば、政権与党、県政与党に有利に傾くのは当然のことです。原発立地道県でも自公推薦候補は原発再稼働に口を閉ざしています。
 因みに10道県の知事選の立候補者をみると、唯一北海道だけが、自公対野党の姿が鮮明ですが、他は俗に「共産党を除くオール与党」か、民主が候補を擁立できなかった自公対共産の構図です。民主は原発に対する政策を再確認すべきではないか。

◆神奈川県 オール与党vs共産
◆北海道 自公vsオール野党
◆福岡県 オール与党vs共産
◆大分県 自公vs民主vs共産
◆奈良県 オール与党vs共産
◆鳥取県 オール与党vs共産
◆島根県 自公vs共産
◆福井県 オール与党vs共産
◆徳島県 オール与党vs共産
◆三重県 自公vs共産

 弱者のための政治を!
 投票に行こう!

 さて、桂米朝さんの俳句を鑑賞しようとしましたが、安倍晋三が記者に披露したと言われる句にコメントしておきます。

<賃上げの花が舞い散る春の風>

 俳句は、五7五音の短詩しか知識がないようで「花」と「春の風」は季語が二つの季重ねですから形式だけでアウト、小学生以下でしょう。それに句意も「あちこち賃上げで景気が良い」と言いたいのだろうが「散る」では意味が不明である。
 答弁原稿のようにライターに作ってもらっておくべきだった。アホを隠すためには。

 やっと、桂米朝さんの俳句を鑑賞しましょう。
 関西在住ですが上方落語に特段の興味もなく、桂米朝さんが亡くなったと聞いても特別な感慨はありません。
 亡くなったと知ってからyoutubeで「地獄百景亡者戯」を聞いたぐらいです。
 しかし、米朝さんが東京やなぎ句会で俳句を詠んでおられたことは知っていました。東京やなぎ句会には永六輔さん、小沢昭一さんなど粋人が集まられた句会です。その会に発表された句を中心にまとめられた「桂米朝句集」によりました。

◆春の雪誰かに電話したくなり
 米朝さんの俳句というと挙げられる有名な句です。
 思わぬ春先の雪で出かける予定が頓挫した。飲みに出かけるほどでもないが、誰ぞに電話でもしてみようか。てな、心境でしょうか?

◆ふきのとう四五寸先に残る雪
 蕗の薹の生命力と自然の移ろい詠まれていて、こんなものの見方もできるのだと思った。

◆救急車のサイレン遠くしぐれ居り
時雨は侘しいものとの先入観があります。
 パトカーでなく、救急車の方が侘しさが増す。

◆敗戦も蟻めざすところのある如く
 蟻には行くべきところがあるに違いない。翻って日本国民は「敗戦」を忘れ去ることで、戦争責任を曖昧にしてきたのではないか。

◆風鈴も鳴らず八月十五日
 敗戦日、照り返す日差しの中、テレビは戦没者追悼式の模様を映している。首相の口から「平和」という言葉出ては一瞬にして消えていく。

◆夜は雪という予報あり酒にする
 雪でも、雨でも、嵐でも、いやいや見事な月夜でも酒飲む口実には事欠かない。酒飲みとはそんなもの。

 この句集は米朝さんの米寿の前に編まれたそうです。俳号は米朝の米の字より、八十八(やそはち)とか。
◆八十八の頭脳枯れたり春くるる