この放送がトランプに勝利をもたらした、のかも? | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

ドナルド・トランプ氏についてこのブログに書くのはこれ

トランプ大統領…でもいいのでは?

http://ameblo.jp/yoshikunpat/entry-12157820339.html

に続いて2度目である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=u0BYqzdiuJc

 

実際の放映がいつだったのかは定かではないが、このビデオクリップは2016915日にYoutubeにアップされている。

 

Can I mess your hair up?

 

The answer is YES.

 

力強い。ニコニコしながらであるが、そこには「不都合なことでも、それをさらすのに私は微塵の迷いもありませんよ」というような強烈なメッセージが伝わってくる。Simple and solid

 

もちろん、これは台本で用意された進行であり、予めトランプ氏から合意をとってあるはずだが、それにしてもこの一連の流れはトランプ氏の好感度を相当に上げたと思う。これによって、トランプ氏は「タフで正直な人」というアメリカ人が最も好きなパーソナリティを持っているという印象を強く大衆に与えることができた。

 

誰しもが、トランプ氏の普段のあの微妙な前髪の状態から、「あの中はどうなっているのか?」「カツラか?」「後頭部から無理やりバーコード式に持ってきているのか?」などと怪しく思っていたはずだ。もちろん、私もだ。

 

そこで、このビデオ。それも大統領選挙間近になって、これだ!

 

 

上のトランプ氏の頭髪ビデオは、別の方のブログにあって知ったのだが、それを観た際に偶然、次のビデオを発見した。

 

https://www.youtube.com/watch?v=-2ZGMZ-dB6w

 

これについても実際の放映がいつだったのかは私には定かではないが、トランプ氏のビデオのちょうど1年前の2015917日に、このビデオクリップはYoutubeにアップされている。

 

ヒラリー・クリントン氏が、トランプ氏の髪のことを揶揄している。一般大衆がトランプ氏の髪が本物かどうかを訝っていることを前提にしてのことだろう。そして、クリントン氏はホストに自分の髪を触らせる。

 

It’s real!  It’s real!!

 

You can’t say the same thing about the color.  But the hair is real.

 

続けて、演説の際にクリントン氏が“カンニングペーパー”を見過ぎだとトランプ氏が言っている、という話題になり、それに対してクリントン氏が弁明する。

 

 

この2つのビデオクリップ(クリントン氏のものを受けてトランプ氏のものが作られているのは間違いない)を比較して観ると、普通に思考したらトランプ氏に大多数の人が投票すると思う。

 

巷では、専門家の皆さんが、あーだこーだとトランプ氏が勝った理由、クリントン氏が負けた理由を様々に解説していただいている。また、この「髪の毛ぐちゃぐちゃ」ビデオが真に単独でトランプ氏に勝利をもたらしたというつもりはもちろんない。

 

この最初のビデオに映し出されたトランプ氏の立ち居振る舞いが、トランプ氏を大統領にしたエッセンスを凝縮しているように思うのだ。

 

 

 

 

トランプ新大統領からは少しずれるが、共和党に投票する人たちについて書いておきたい。トランプ氏が選出される基礎になっていると思うのだが、日本ではほとんど語られない切り口だ。とは言っても、私は政治の専門家ではないし、単なる個人的意見(個人的印象)にすぎないのだが。

 

よく言われるのに、共和党は金持ちの味方、民主党は一般大衆の味方という説明がある。それは正しい。

 

ただ、その切り方だけで見ていたのでは、トランプ氏の選出を説明するのが容易ではない。容易でないので、解説の専門家は無理やりいろんな説を唱えて、それで理解できたことにするようなことになっている場合も多いように思う。

 

私の個人的な経験に過ぎないが、別の切り口として、共和党は独立自尊型の人々の味方、民主党は依存性弱者の味方と言ってよいように思う。

 

こう思うようになったのは、お金も地位もない若者の中に共和党支持者が私の周囲にもたくさんいることを知ったからだ。共和党は“お金も地位もある人々”に優しい党のはずなのに、なぜ“お金も地位もない若者”にも支持され得るのだろう?アメリカに来た最初の頃に、不思議に思った。

 

答えは、その若者が独立自尊型であるか否かにある。お金も地位もないけれども、一所懸命に働き、一所懸命に学び、一所懸命に自分の将来を開く努力をしている若者がアメリカにたくさんいる。その人たちは、慈悲にあふれた民主党の保護政策を嫌うのだ。

 

「独立自尊」は、私がここで強調するまでもなく、福沢諭吉が100年以上前に喝破した米国民の特徴である。その精神は、米国において今も脈々と生きている。

 

「独立自尊」の精神をもって日々努力を続けている多くのアメリカ人は、フェアーであることは要求するが、保護は求めない。そして、保護を求める人々の一員になることを非とする。

 

「独立自尊」の精神に長けた若者と、保護政策の好きな若者とが、同じく月日を過ごし、年を経た後に富に関して大いなる「差」を作る。金持ちのアメリカ人が共和党好みになるのか、共和党好みのアメリカ人が金持ちになるのか、どちらが先かはよくわからないのである。

 

話をトランプ氏に戻すが、彼は、たたき上げの大金持ちだ。ロイヤルファミリーとして生まれて大金持ちなのではない。破産のどん底から這い上がってきて成功したアメリカ人だ。彼がそうなるまでには、一所懸命に働き、一所懸命に学び、一所懸命に自分の将来を開く努力をした年月がある。ガサツであれ何であれ、この種のアメリカ人はアメリカでは大いに尊敬される。天皇家に生まれると一番偉いとされる日本式とは真逆の価値観がそこにある。

 

もちろん、アメリカ人は多種多様な人々であるから、ロイヤルファミリーが好きな人もおれば、慈悲にあふれた保護政策を是とする人もたくさんいる。ものすごい悪人もおれば、ものすごい善人もいる。多様性の許容はアメリカの特徴のひとつだ。

 

その多様性の中に相当なる割合を占める「独立自尊」型のアメリカ人をみなければ、トランプ氏が大統領に何故なったかを理解できないと思う。

 

今回の選挙結果をみて「デモクラシーは死んだ」というような表現をした人もあったが、私はまったく逆だと思う。デモクラシーは決して死んでいないどころか、デモクラシーのおかげで、選挙資金が競争相手の1/10であってもトランプ氏は勝てたのだ。デモクラシーは正常に機能したのだ。そして、それによってアメリカはさらに前進した。

 

“前進”についてはいろいろな見方があると思うが、私が最も重要だと思うのは、政治における「権威の破壊」がさらに進んだ点である。新大統領が、ビジネス領域で培ったスキルを基に、独立自尊の精神にすぐれた決断を政治の領域でもどんどんやってくれるであろうことを期待したい。

 

頑張れ、トランプ新大統領!!