『すばらしい新世界』としてのChicken Factory | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

Chicken Factory - How it's made
Discovery Channel

http://www.youtube.com/watch?v=PjPJbCx4gko


これを知る1ヶ月くらい前に、『すばらしい新世界』(Brave New World )の映画を観た。上のYouTubeのビデオは、鷄に関してであるが、それが人間になったら『すばらしい新世界』(Brave New World )で描かれた状況に近いものになる。

Chicken FactoryのYouTubeを観ながら、複雑な気分になった。


『すばらしい新世界』(Brave New World )は、もともとは、オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。Wikipediaの解説はここ。

本来、小説を読むべきなんだろうけれども、読み切るのは難儀だし、映画でお茶を濁すことにした。観たのは、これ。

1932年というと、「遺伝」という概念は知られていたが、遺伝子は知られていなかった。そのような時代に書かれた小説なので、遺伝子操作などに代表される現代のBio Techに対する批判はない。今に比べて極めて“未発達”だった当事の科学技術に対する批判ではなく、管理社会、統制社会の行き着く先に対する批判をしている。私が今回『すばらしい新世界』に興味を持ったのは、Bio Techに対してどのような批判がなされていたのかを知りたいな、というような動機からなのだが、よく考えてみたら、遺伝子の発見よりずっと前に書かれた小説なのであった。


『すばらしい新世界』と並んでよく引用されるのが、ジョージ・オーウェルの『1984年』。Wikipediaの解説はここ。

『すばらしい新世界』と共に、管理社会、統制社会の行き着く先に対する批判のための小説といってよいのだろう。当事のソビエト連邦という全体主義国家が持つ恐ろしさを感じていた人々の心のヒダに、これらのSF小説は触れたのだろうと思う。

この機会に、『1984年』も映画で観た。観たのはこれ。


さらに、この機会に『華氏451度』の映画も観た。観たのはこれ。
Wikipediaの解説はここ。
これも、管理社会、統制社会の行きつく先に対する批判と言ってよいだろう。


上記3作品ともDVDをAmazon.comから購入したのだが、その際、おもしろいなと思ったのは、「Brave New World」のDVDがメキシコ産、「1984」のDVDが韓国産、「Fahrenheit 451」のDVDがカナダ産だったこと。米国のAmazonで買ったのに、すべてが輸入品。
「1984」が歴史捏造の国、韓国からの輸入品だったのが、皮肉っぽい。逆に、「1984」が韓国でも観られているということなのであろうから、少し安心した。

この機会に、「1984」の日本語翻訳本がKindleで売られていたので、買った。上のWikipediaの解説を読むと、映画とはぜんぜん深みが違うようだ。私の英語力だと、元の英語版は難しすぎると思うが、日本語翻訳なら大丈夫!

この出張中のヒマにまかせて読みたいと思って日本語の「1984」を買ったのだが…実は今は、John GrishamのSycamore Row。ドイツ、インドと、日本語が通じない国への出張時には、英語の読書の方が脳が楽な気がする。Kindleのおかげで、そのあたりの切り替えは極めて容易になった。ここでは、技術の進歩はとてもありがたい。